政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

太田昭宏の政界ぶちかまし☆55

2008年3月 3日

今年は洞爺湖サミット。地球環境問題の大きなヤマ場だ。

福田康夫首相は1月末の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、日本の温暖化対策の戦略「クールアース推進構想」に関する演説を行った。今後10年から20年間で温室効果ガス排出量が減少に転じる「ピークアウト」を至急検討することが必要と訴えたのだ。

これは異常気象などによる世界的な破局を避けるために、2050年には少なくとも温室効果ガスを半減しようというものだ。先進国が担わなくてはならない削減はさらに大きく、この目標を達成するには大変な努力が必要だ。生産の仕組み、ライフスタイル、都市や交通のあり方を完全に見直さなくてはならない。思い切った決断と意志が不可欠となる。

そこで、大切なのは各国間の協力だ。京都議定書に続く2013年以降の新たな枠組み作りでは、米国、中国、インドなど二酸化炭素を多く排出している国の参加が重要となる。これらの国を除外して、温室効果ガスの半減が実現できるわけはない。

このため、日本の役割はとても重要になってくる。夏の洞爺湖サミットを控え、議長国として地球温暖化対策の議論をリードし他国を説得しなくてはならない。その役割を果たすためにも、まず日本が京都議定書に基づいて温暖化対策を着実に実行していることを示すことが必要となってくる。

温暖化対策は世界的にまったなしの段階であるだけに、日本に課せられた責任は重い。そんな中で、福田康夫首相は5日、「地球温暖化問題に関する懇談会」を開く。私が通常国会冒頭から「有識者会議を早く立ち上げて、国の環境戦略を定めるべきだ」と繰り返し述べてきたことが、いよいよ実現することになったのだ。

懇談会メンバーには学者や文化人のほか、トヨタ自動車、東京電力、新日本製鐵などの役員が名前を連ねている。環境派だとか産業派だとかいう次元を乗り越えて、次代への責任ということから、徹底的に議論して温暖化対策の方向性を定めようということだ。大事なのは、このままの文明では地球が危ない、人類が危ないという意識を共有することだ。社会や経済が新しいステージに移行することを真剣に話し合う場であり、人類の命運をかけた最重要課題の議論を担うことになる。「懇談会」という名ではあるが、実行も射程にした「緊急対策会議」と称すべきものだと思っている。

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