政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

太田昭宏の政界ぶちかまし☆63

2008年7月 9日

北海道洞爺湖サミットが始まり、政府は開催中の7月7日を地球温暖化について考える「クールアース・デー」と定めた。公明党が提唱し、実ったものである。そして昨日午後8時―午後10時は、CO2削減を目指した「七夕ライトダウン」が全国各地で展開された。さっぽろTV塔、東京タワー、レインボー・ブリッジ、通天閣、福岡タワーなど参加した施設は10万にも及ぶ。

また、地方自治体でも同日、ライトダウンだけでなく「ノー残業デー」「ノーマイカーデー」を設けるなど、官民挙げて環境対策への取り組みが進んでいる。私は鴨下一郎環境相とともに6日、東京タワーの見える所で「クールアース・デー」街頭演説を行ったが、鴨下大臣も「1000万人が関与する一大イベントになった」と声をはずませた。

サミットの主要テーマは、何と言っても地球温暖化対策に向けた国際協調だ。2013年以降の温暖化防止の枠組み(ポスト京都議定書)を考えれば、米国、中国、インドが、全面的に加わって温暖化防止に本格的に乗り出すことが重要となってくる。日本が議論の主導権を握るには環境や省エネ技術の先進国として、自国の温室効果ガス削減量をより具体的に示さなければならない。

ただ、06年度排出量は工場などの産業部門では90年度比で4.6%減少しているものの、家庭やオフィス部門では30%以上増えているから、より一層の国民意識の喚起や動機付けが大切となっている。

だから、「クールアース・デー」も「七夕ライトダウン」も1日限りのイベントで終わらせるのではなく、これを機に温暖化対策の重要性を認識できるよう各人が大きく意識変革することにこそ意味があるのだ。

先月30日、来日した潘基文国連事務総長と会談したが「2050年に世界で温室効果ガスの半減に向けて、日本が60から80%削減するとしたことを評価したい」と潘事務総長はいい、お互いに「大切なのはそこに至る中期目標の設定、そしてピークアウトだ」との認識で一致した。達成への意識変革と目標が必要だ。

私は1日、トヨタ自動車のショールームに赴き、家庭用電力からバッテリー充電が可能なプラグインハイブリッドカー(PHV)に試乗してみた。なるほど、これなら夜充電して朝から走ることもできる。車はガソリンで走るものではなく、電気自動車に切り替わる日が来ることになる。

こうやって官民が一体となってCO2削減に取り組む「クールアース・デー」が、文明に大変化をもたらす分岐点になるかもしれない。

facebook

Twitter

Youtube

トップへ戻る