政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN
太田昭宏の政界ぶちかまし☆86
12日投開票の東京都議選が告示され、連日、勝利を目指して走り回っている。国政では景気、経済を回復基調に持っていくことが最大の課題であり、2009年度予算、第一次補正予算の早期執行に全力をあげているところだ。
そんな中、先月28日に来日していた韓国の李明博大統領、今月1日には訪日中だった潘基文・国連事務総長とも会談した。北朝鮮問題や地球温暖化対策などについてつっこんだ意見交換をした。
李大統領とは日韓の経済分野での連携強化やEPA(経済連携協定)のほか、首脳交流、民間交流、若者交流の促進などについても約束した。
ここ数年、地球温暖化対策は極めて重要視されており、特に潘事務総長が席上、「党派を超えて政治が思い切って取り組まなければいけない」と強調していたのが印象的だった。温室効果ガスの2020年の排出量削減で、日本は「2005年比で15%減」の中期目標を決めたが、潘事務総長は「日本はもっと意欲的な目標を示すことを期待している」と語った。
これに対し、私は「真水」で15%削減というのは野心的な目標との認識を伝え、「公明党は温暖化対策に熱心で、さらなる削減に取り組んでいきたい」と力説した。
また、李大統領には「温暖化対策に先進国として大きな役割を果たしてほしい」と求めた。これに李大統領も「世界の模範として韓国も協力したい」と意欲を示した。今回、米国や中国が地球温暖化対策の国際的な次期枠組み(ポスト京都議定書)に加わるかどうかが課題だ。それだけに、李大統領の発言は米中両国の参加を促す意味で大変貴重だ。
李、潘両氏の会談では、北朝鮮問題も意見交換をした。2日に北朝鮮が短距離ミサイル4発を発射したと伝えられるなど、極めて憂慮される問題だ。韓国と北朝鮮の間は緊張関係にあるだけに、米国や中国、ロシアなどと緊密に連携することが極めて重要との認識を確認した。
潘事務総長との会談で、私は国連安全保障理事会の北朝鮮への制裁決議を実行するため、「北朝鮮関連船舶の貨物検査を可能にする特別措置法案の国会提出に向けて、今、最終段階だ」と伝えた。
グローバル化が進む国際社会。景気や経済分野でも昨年来、G8やG20のサミットで協調体制がとられ、かつての世界恐慌を回避するよう努めた。安全保障分野も国連や隣国、韓国との緊密な連携はますます重要になってくる。