政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.1 逆噴射政策で景気・経済は深刻

2009年11月17日

「10月になってからドッと仕事がなくなってきた」という声を聞く。物流そのものの運送業からも、飲食業という最も日常生活に近いところからもその深刻な声を聞く。「民主不況」「鳩山不況」という文字もメディアに登場するが、私が「景気・経済に関心をもたないと思われるような姿勢と逆噴射政策」と危惧し、指摘したことが現実になっている。

「二番底が心配」などという人がいるが、これは二番底ではない。第一次補正をとにかく3兆円削り込もうとしたメンツのような姿勢、つまり政策の逆噴射が第一、そして、毎日のように出る既存事業の「検討中、凍結、中止」の迷走に、企業は戸惑い、地方自治体は確たる方針が出せないという状況が生まれている。これが第二だ。設備投資の減少はまさにその現われだ。「企業は毎日、息をしながら生きている。それを検討しているから2~3か月、呼吸を止めていてくれといわれたら死んでしまう」といった経営者の言葉が今も心に残る。

逆噴射。世界はこの1年、100年に1度という未曾有の経済危機に対して協調体制をとってきた。その主軸はG20だ。あの1930年代の世界恐慌の教訓から、保護主義にならないよう各国の壁を破る協調体制をとることに努力してきた。

方針はクッキリしている。昨年11月のG20は、とにかく金融について、銀行への資本注入をはじめとして大胆に手を打った。10年前の日本の教訓がそこには反映している。

今年4月初めのG20。恐慌寸前との懸念があるとし、「財政出動等あらゆる行動をとる」ことを確認して結束した。米・中をはじめとして大胆に動き、そして日本は第一次補正15.4兆円の予算を組んだ。勿論、環境や生活支援の中身に力を注ぎ、そして自動車、電機、住宅など波及効果のあるものもバックアップした。

9月のピッツバーグのG20。経常収支黒字国には「内需・投資拡大、金融市場歪み是正」、赤字国には「輸出部門強化・民間貯蓄増強・財政再建」、という具体的要請をした。視点はいずれも明確である。

ところが、鳩山政権はその世界の景気・経済対策に逆行し、成立した予算を削減するという、逆噴射政策をとった。これが、10月以降の日本の景気悪化をもたらしている。だから二番底などではないのだ。

国会が始まった。補正予算の削減・執行停止がいかに現場を混乱させ、景気・経済を悪化させているかの具体的指摘がなされている。「子育て応援特別予算の執行停止」「地域医療再生基金の大幅削減」「農地集積加速化事業の停止」「電子黒板購入補助事業の執行停止」「高速道路の4車線化凍結」等々・・・・・・。とにかく乱暴。国民の不安が募っている。

facebook

Twitter

Youtube

トップへ戻る