政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.3 若者支援、女性の一生サポートの緊急性

2009年12月15日

小泉総理の時代、私はよくこう言った。「構造改革、構造改革というが、政治が構造改革をするという前に世の中が構造変化をしている。その構造変化にどう対応するか。それが政治の役割だ」――。

今、日本は、「グローバリゼーション」「少子高齢社会」「環境制約」という3つの構造変化にさらされている。しかも劇的かつ急激だ。

社会保障制度を考える場合、少子高齢社会という急激な構造変化をまず見なくてはならない。「そんなことはわかっていたことではないか」という人もいるが、従来予想を超える中身となっている。

日本は2004年、人口1億2779万人をピークに、人口減少社会に入った。そして2055年には約9000万人、しかも40%が65歳以上、さらに75歳以上がとくに増えるという予想だ。社会保障を若者が担うことを考えると「かつてはお御輿、今は3人で1人をかつぐ騎馬戦、それがこれから"かごや"になり、2055年には肩車になる」といった人がいるが、その覚悟が必要になる。

とくに見逃してはならないのは三点ある。1つは、40%が高齢者というのが、その比率は団塊の世代が通り過ぎても変わらず、その後もズーと続くこと。もう一つは、人口構成で団塊の世代、団塊ジュニアの世代と2つの大きなヤマがあったが、団塊ジュニアの子どもたちには、どうも人口のヤマがつくられない。  つまり支える"第3のかたまり"が形成されないようだということだ。

そして第二に関連してもう一つ、これが日本社会の大問題だが、日本の成長のエンジン役になったのが、団塊の世代などによる人口増、人口ボーナスであったが、団塊ジュニアの世代が、エンジンどころか雇用をはじめとして、最も苦しんでいる生活環境にあるということだ。

団塊の世代と団塊ジュニアの世代とは全く違う。類型的にいうと団塊の世代は良きも悪しきも「群れ」を形成する。家族をもつ。兄弟姉妹も多い。家とまちを形成する。経済の右肩上がりのなかで育ち、雇用は終身雇用であり、退職金も年金もそこそこある。だから社会保障の仕組みは専業主婦モデルがつくられたのだ。

一方、団塊ジュニア世代は、社会から求められる力自体が能力、個性、選択など個人の単位が多い。独り身が多く、晩婚化が顕著だ。兄弟姉妹は1人っ子か2人、団地などのまちを形成せず、とくに雇用は派遣労働、フリーターも多く、不安定だ。しかも経済はバブル時は学生で、新卒の時に就職氷河期にぶつかった。そしてこの人たちの多くが田舎を離れ都市に流入しているゆえに、地方には年老いた、しかも単身か夫婦2人が残っている。

日本の現場は、こうした少子高齢化とその中身の深刻さに揺れている。団塊の世代モデルが崩れ、若者に暗雲が覆いかぶさっているのだ。

まさに子育て支援とともに若者支援、とくに雇用が重要だ。雇用と男女共同参画社会へのバックアップ、両立支援、保育所などの拡充、出産・育児、看護・介護の休暇などの手当、そして児童手当・・・。民主党の子ども手当てだけ突出させる政策はバランスを欠いている。

公明党は女性委員会として「女性の一生サポート・トータルプラン」を出し、最も大変な30代女性のサポートを含めた政策を打ち出している。青年委員会も「前例のない高齢社会の備え」は、団塊ジュニアも含めた若者支援以外ないし、それなくして日本の未来はないと行動している。

私は本会議代表質問のたびにこのことを訴えてきたが、今、現場を回るなかで、ますます戦いをより進めなければならないと思っている。

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