政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.4 水ぶくれ、借金頼みのギブアップ予算

2009年12月28日

来年度予算案が25日、ようやく決まった。過去最大の一般会計92.3兆円、新規国債発行額は過去最悪の44.3兆円(09年度の当初予算では33兆円)、当初予算段階では戦後初めて国債発行額が税収(37.4兆円)を上回る異常な予算となった。

各新聞では「借金頼み 歳出膨張」「国債最悪44兆円 公約優先 借金頼み」「マニフェスト失速」「公約に財源の壁」「公約優先では財政がもたない」「甘すぎた見直しムダ減らし限界」「虚飾に満ちた"政治主導"」「財政規律 危険水域に」などの見出しが踊った。当然のことである。

私はバラまきの公約をし、ムダ減らしのパフォーマンスをしたが結局財源を見出し得ず、挙句の果てに過去最悪の国債発行をしてしまったお手上げの「ギブアップ予算」になったと思う。

しかも公約違反が目立つ予算だ。

まずガソリン税の暫定税率廃止と言っていたのに"維持"。しかも「仕組みは変わるが税率は維持」という姑息さだ。子ども手当は国が全部負担するといっていたのに、結局、児童手当の財源はそのままにして上乗せするという姑息なやり方、地方負担などが残り、これでは橋下大阪府知事、松沢神奈川県知事等が怒るのも当然だ。増税も目立ち、扶養控除の一部廃止やたばこ税の増税、租税特別措置の一部廃止など、全部で差し引き約1兆円の増税となる。

来年度予算で大事なのは2つ、それは「景気対策」と「財政の緊度」だ。まさにこの二点にしっかり照準を合わせてやり抜くこと、その危機感をもってやり抜くことが来年度予算の大事な点だ。

しかし、景気対策は結局、水ぶくれの予算にしておきながら景気回復に直接役立つものとなっていない。公共事業も約2割減だ。子ども手当てや高校授業料の無償化などが、景気回復にストレートに寄与するのかきわめて疑問だし、政策的にもバランスを失している。景気回復とともに、根本的には日本経済の成長戦略が全く見えてこない。

もう一つの財政の方は、水ぶくれの予算の為に借金頼み、過去最悪の国債発行となった。しかも特別会計の積立金の前倒しなどいわゆる"埋蔵金"と税外収入で10.6兆円も計上している。外為特会の剰余金の一部"先食い"まであり、基本骨格の当初予算なのに単年度限りの財源をあてている。ひどいものだ。

このところ回っていると挨拶がわりに「ひどい政治ですね」という言葉がまず出てくる。「普天間」の迷走にも「怒っているのは米国だと日本人は思っているようだが、アメリカだけではない。世界では"ミステリアスでアンビリーバブル(訳が分からず、信じられない)と皆言っている」という深刻な声を聞いた。

景気・経済、雇用、生活を守り、安心を築くことに今こそ力を入れなければならない。

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