政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.43 防災・減災ニューディールの推進を いまだ遅い被災地の復興

2012年3月 5日

東日本大震災から1年――。
「遅い、にぶい、心がない」という状況は今も続いている。

被災地からは「昨年末、沿岸37市町村の復興計画ができあがり、第3次補正などで予算がついたが、具体的にその予算が使われていない」「漁港整備を急がねばならないが、地盤沈下しているのでかさ上げが緊要。関係する水産庁、国交省、中小企業庁との打合せが急務」「今は雇用が最も大切。雇用保険の延長もあったが、何よりも仕事を確保することが重要」「まだまだガレキの処理が進まない」「除染は大きな課題だが、どういう基準に基づいてやるか。土をどこに持っていくか。どう処分するか。基本的なことが定まらない」「風評被害を国をあげて除くことに努力してほしい」「地域医療への支援がほしい」......。各市町村によって違いはあるにしろ、私に直接入ってくる声だ。こうした現場からの悲鳴に、ただちに具体的に手を打つことが重要だ。「言ってもその声がどこかで消えてしまう」というイラだちを、自らのこととして動く政治が求められている。

昨年末の12月7日、「津波防災地域づくり法」が成立した。昨年4月、私自身が大畠国交相(当時)に「全国的な津波対策を」と強く要請したこともキッカケとなった。昨年末の12月27日、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が中間とりまとめを発表、「日向灘も含めた東海・東南海・南海の四連動地震ととらえる」「規模も大きく想定、M9.0クラスがある」とし、近く南海トラフ大地震の震度・津波高の推計がされることになっている。さらに今年に入って、東海地震などの発生確率を文科省の地震調査研究推進本部が更新した。東大地震研が首都直下型地震を「4年以内に70%」と推計したということがショッキングに報道されたりしたが、先頃、文科省が首都直下で起こる東京湾北部地震で、これまで想定していなかった震度7の揺れが起きることを示し、衝撃を与えた。当然、被害想定の見直しが必要となる。

このように今の日本で大事な柱は、防災・減災、地震(津波)対策だ。世論調査でも、このところ、「景気・経済」と「社会保障」に並ぶほどで、国民は防災・減災、地震対策を求めている。

首都直下地震では、とくに火災対策、建物・公共施設の耐震化だ。津波や液状化には、湾岸のコンビナートはとくに注意しなくてはならない。密集市街地は各区とも多く、対策を急がねばならない。家庭のなかでの家具の転倒防止、帰宅困難者への対応、道路を消防・警察・自衛隊に委ねることなど、その瞬間に自分はどう動くか、訓練も欠かせない。そして、私は、耐震工学を専攻したこともあって、同僚が主張し続けている「救命ライフライン」を築きあげることが大事だと思っている。医療関係をはじめとして、電気・水など、通常のインフラを強化することだけでなく、命を守るライフラインを築くことだ。

公明党は今、「防災・減災ニューディール」を打ち出している。命を守り抜くために、一段とレベルアップした防災・減災の強靭な都市を創ることに全力をあげなければならない。そしてそれは、復興や防災・減災に寄与することは勿論のこと、景気・経済の再建、デフレ脱却への大きな力となる。民主党政権がやってきた"成長を犠牲にしたバラマキ"ではなく、必要なインフラ整備だ。これまで耐震や防災の先頭に立ってきた私は、安全への断固たる対策に踏み込むのは今年だと思っている。

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