政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.49 成長戦略、デフレ脱却に全力を! 社会保障の全体像を詰めよ

2012年7月 6日

「何も決められない政治」ということが常に言われる。参院で野党が多いネジレ国会だから、といわれたが、事実は違う。政権党の民主党がネジレているから何も決められないということだ。「政治生命をかける」「6月21日の会期末までに採決する」という野田首相の社会保障と税の一体改革でも、民主党内のゴタゴタで平然と先送りされた。これまでの政治では考えられないことだ。「綸言汗の如し」――一国の首相が約束を破り、そして政権交代のあのマニフェストが総崩れになっても責任をとろうとしない。このひどい政治を変えなければ、国民の信頼を回復できないし、政治は成り立たない。

今回の消費増税法案において、大事なことは、社会保障改革の全体像を示すことと、デフレ脱却・景気・経済に力を入れること。景気回復を確認できることが増税の前提条件であるということだ。公明党が3党協議に参加して主張した柱は、この2点と低所得者への対策を講じることである。

社会保障については、福祉の党・公明党が協議に入ることによって、内容がかなり詰められた。社会保障改革の内容は、3党が合意し、かつ新しくできる社会保障国民会議の議を経て納得できるものにならない限り、"たんなる増税"はできないということだ。

最も大事なのはデフレ脱却・景気・経済だ。現場では明らかに「増税を言う前に、景気・経済・雇用を何とかしてよ」という悲鳴があがっている。成長を犠牲にしてバラまき政治を行ない、アンチ企業ともいうべき姿勢が目立ち、デフレ脱却に何の手も打ってこなかった民主党政権。3年間のツケは景気・経済に取り返しのつかないほどの打撃を与えている。しかも世界経済はきわめて不安定。欧州不況が長引くことは必至の状況だし、米国には景気減速の兆しがあり、減税廃止などの「財政の崖」も近づいている。中国にも減速の不安がある。消費増税実施までの2年間、景気・経済に力を入れることが最も重要だ。

法案の附則第18条関連の3党合意では、「以下の事項を確認する」とし、
(1)第1項の数値(実質成長率2%、名目成長率3%程度)は、政策努力の目標を示すものであること
(2)消費税率(国・地方)の引き上げの実施は、その時の政権が判断すること――とある。
それに加えて、成長戦略を具体的に明示した。第2項として法律の中に「...消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分すること...」を入れ込んだ。

さらに第3項として、法律のなかに「前2項の措置を踏まえつつ」として、「......経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる」と書き込まれている。

公明党の交渉当事者の斉藤税調会長は、「実質的に景気が回復していなければ、消費増税できない仕組みを組み入れることができた」と報告している。
この「デフレ脱却・景気・経済」が中小企業、商店街、国民生活に最も重要。成長戦略、デフレ脱却に一気に力を入れることが今、政治で最も必要なことだ。そのスピードと実行こそ今の政治でやるべきことだ。

facebook

Twitter

Youtube

トップへ戻る