政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.59 国土のグランドデザインの再構築を スマートウェルネス住宅・シティを目指せ

2013年5月25日

「国土のグランドデザインをつくれ」――数十年、言われ続けてきたが、今、明確に再構築、再出発の時を迎えている。前提自体が激変しているからだ。

まず人口。2010年時点の総人口は1億2806万人だが、2050年には9708万人に、40年間で約3100万人減少すると推計されている。全国を1k㎡毎に分割した地点数でみると、現在の居住地域の66%で人口がなんと半分以下になり、しかも2割が無居住地化するという推計だ。「国土の均衡ある発展」という従来の考え方では、もはや国土のあり方は考えられない。

そのためにも、将来的な地方分権・道州制という潮流も見据えながら、地域の発展の核・エンジン役となる中核都市の成長力を伸ばしていくことが必要になる。

高齢化も進展する。2050年には65歳以上の人口が約800万人増加し、高齢化率は20%台から40%に倍増する。しかも、大都市の中も、大都市周辺も高齢者が急速に増えていく。

高齢者では、自家用車の運転に頼る暮らしは難しくなる。まちなかに住み、医療・福祉施設や商業施設をまちの中心部に集約し、公共交通や徒歩で移動し、暮らせるような「コンパクトシティ」を実現していかなければならない。

住宅そのものも変わる。このような人口減少、高齢化という社会の変化は、新たな暮らし方のための技術開発を要請することになる。

住宅については、高齢者を意識したバリアフリー化や大地震に備えた耐震化だけでなく、「スマート住宅」に向けた取り組みを進めていく必要がある。外断熱により省エネ性能を高め、自然の光や風の通りを活かしながら快適な空間をつくる。屋上では太陽光を利用した発電・給湯を可能にする。まさに一戸一戸の住宅が発電所の役割を持つことも可能になる。そこから電気自動車が走ることになる。

さらに、そうしたスマート住宅を集め、「スマートシティ」を形成する。都市全体でエネルギーを効率的に利活用しながら、省エネ性能に優れ、暮らしやすい都市をつくっていく。

この「スマート住宅」「スマートシティ」に加え、高齢者をはじめ多様な世代が交流し、安心して健康に暮らすことができるという目的も加えれば、「スマートウェルネス住宅・シティ」とも呼べるだろう。新しいまちづくりビジョンだ。

そのための技術開発を官民が連携して進め、次世代の住宅・まちづくり産業を創出していくことができれば、新たなビジネスチャンスが生まれる。さらに世界の都市間競争を踏まえて、都市再生に乗り出した大都市へとモデルチェンジすることも重要となる。

地震、台風、水害などの国土の脆弱性、人口構造やエネルギーの脆弱性を克服して、安心で快適に暮らせる魅力あふれる国土。クリーンでクールな暮らしをつくっていくために、今、日本は新たなスタートをする時だ。

私は、「よくぞ脆弱な国土・日本で、これほどの安全で安心、活力ある都市と国土をつくったものだ」と世界から賞賛される魅力ある日本を後世に残したい。

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