政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.60 躍動感ある都市へ再起動 / 成長戦略の実行に全力

2013年6月25日

デフレ脱却、経済再生は、安倍内閣が取り組む最重要課題だ。

6月14日、アベノミクスの「三本の矢」の三本目となる成長戦略(日本再興戦略)と、経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる「骨太の方針」)が閣議決定された。その中には、都市再生、高速道路の維持・更新、ITを活用した次世代インフラの構築、スマートウェルネス住宅・シティの実現、ビザ発給要件の緩和による観光立国の実現など、国土交通関係が担う内容が盛りだくさんだ。大事なのは、具体的に国民に見える形で成果を出していくよう、速やかに実行していくことだと思っている。

成長戦略の中身として、まず、都市再生による大都市の国際競争力向上がある。

6月12日には、虎ノ門ヒルズの建設現場と首都高速都心環状線の築地川区間を視察したが、いずれのプロジェクトも、東京都心に生まれる躍動感を実感した。

虎ノ門ヒルズは、新橋から虎ノ門に至るいわゆるマッカーサー道路(環状2号線)の整備に合わせ、道路の真上に52階建てのビルを一体的に建設している。道路の真上を大きく使えるようにしたこと自体、きわめて画期的だ。この道路は、昭和21年の都市計画決定以来なかなか事業化が進まなかったが、最新の機能と耐震性を兼ね備えたオフィス、ホテル、住宅、そして道路ができれば、都心のまちが一変する。羽田空港から渋滞箇所を通らずに都心に入ることも可能になり、東京の国際競争力の向上に大きく寄与する。

また、首都高速道路は老朽化が進み、大規模な修繕・更新に7900~9100億円かかると試算されている。特に、築地川区間は、東京オリンピックに間に合わせるために、用地買収がいらない川を干上がらせて建設された。このため、元の川の形が残って急カーブが多い、道路の真ん中に橋脚が残っている、アップダウンもあるなど、老朽化に加えて安全性の観点からも更新が必要だ。

この半地下部分にフタをしてその上部を「空中権」として売却し、PPPを活用すれば、首都高速の老朽化対策、更新費用に充てられる。周辺のビルも建て替えが容易になり、まちの景色が変わる。

地方都市の再生も大事だ。地方では、駅前や中心市街地など好立地にあるものの、老朽化しても建て替える資金がない建物が多い。不動産証券化のスキームで投資家から資金を集め、建て替え資金を手当てできれば、地域の活性化につなげることが可能になる。そのようなまちづくりのシーズになる法律も今国会で成立させることができた。

また、コンセッション方式により国管理空港の運営権を民間に開放し、民間のノウハウを活用して地域活性化にもつなげる法律にも手を打ったところだ。具体化に踏み出したい。

20年以上続いた経済の低迷から日本を再起動させる。そのためには、成長戦略で位置づけられた施策を一つ一つ着実に実現していくことが鍵を握っている。安全、安心とともに、元気で、躍動感のある、魅力ある都市づくりを進めたい。

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