政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO,82 「道の駅」がマーケティング大賞受賞/地方創生の切り札として注目

2015年6月 4日

道の駅③.JPG

「道の駅」が今、注目されている。全国の自治体で地方創生が大きなテーマとなっているなかで、地域活性化の切り札ともなっているのだ。4月21日には「道の駅」が「第7回日本マーケティング大賞」を受賞することが決定した。受賞者は全国「道の駅」連絡会だ。これはマーケティングの視点から最も優れたヒット商品を表彰するもので、大賞はその年で1つだけ。これまではユニクロのヒートテックやサントリーの角ハイボール、トヨタのアクアなど民間の商品が受賞してきた。公共の取り組みが受賞したのは「道の駅」が初めてであり、画期的なことだ。


「道の駅」は平成5年にスタートし、今では全国で1059か所までに広がった。年間の売り上げは2100億円とコンビニチェーンにも匹敵する規模。リピーターも多く、年間の来場者は延べ2億1000万人と言われている。それぞれの地域で特産品を活かした新たな産業を掘り起こし、近くの農家が出荷する採れたてで新鮮な農産品が好評だ。雇用創出や民需拡大に貢献し、成長戦略としてのインパクトも大きい。さらに最近では、インバウンドも含めた観光拠点、災害時に備えた防災拠点、中山間地の生活を支える役場や診療所を併設した「小さな拠点」など機能が多様化し、進化している。


今年2月、さらに広く全国展開していくことをめざし、特に優れた「全国モデル・道の駅」6駅、将来性の高い「重点・道の駅」35駅を選定。私から一つずつ認定証を手渡した。その後の交流会では、それぞれの特産品が並べられ、市町村長らが我がまち、我が駅を熱心にPR。会場は熱気に包まれ大いに盛り上がった。地域の創意工夫次第で人は呼べるのだ。

道の駅①.JPG      道の駅④.JPG

「全国モデル・道の駅」に選定された群馬県川場村の「川場田園プラザ」のテーマは「農業プラス観光」。朝採り野菜やブルーベリーなどの特産品が販売され、果物狩りや陶芸も体験できる。観光協会スタッフが常駐し、地域の宿泊施設や観光スポットの情報を紹介。地域のゲートウェイ(入り口)となっている。その結果、人口3700人の村に年間120万人が訪れ、年間売り上げ10億円、新規雇用80人、利用者のリピート率7割と大きな成果を上げている。


山口県萩市の「萩しーまーと」では、隣接する漁港に水揚げされた新鮮な海産物が並ぶ。売り場面積1㎡あたりの売上高は平均的なスーパーの2倍だ。地元加工業者と連携して、これまで値がつかなかった雑魚を加工して商品化する「萩の地魚もったいないプロジェクト」も展開。お土産として人気のヒット商品も生まれ、漁業者の所得向上にもつながっている。


岩手県遠野市の「遠野風の丘」の特徴は防災拠点だ。東日本大震災の際には全国から集まった自衛隊や消防、ボランティアの活動拠点となった。


千葉県神崎市の「発酵の里こうざき」は、圏央道の開通を見越して4月29日にオープン。酒、味噌、納豆などの発酵製品をテーマにしている。成田空港へのアクセスの良さを活かし、海外からの観光客誘致も積極的に進めている。


いずれの「道の駅」も工夫がこらされ、モデルとなるものだ。


「地方創生の手段は、右手に観光、左手に道の駅だ」──。私の発言だ。地域が生き抜いていくためには市町村長自らが先頭に立って知恵を出し、意欲的に取り組んでいくことがカギとなる。地域の創意工夫を活かして取り組みがさらに広がっていくよう、支援していきたい。

道の駅②.JPG

facebook

Twitter

Youtube

トップへ戻る