政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO,83 進むアジアへのインフラ輸出/優れた技術力に高い評価

2015年6月24日

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日本のインフラ技術の世界展開が目立っている。特に、成長著しいアジアの新興国では道路、鉄道、港湾などのインフラが次々と計画され、整備が進められているが、高い技術力を持つ日本の建設企業が大きな推進力となっているのだ。


私も国交大臣に就任以来、ミャンマー、インドネシア、モンゴル、タイ、ベトナム、カンボジア、インド、トルコなどを訪問して関係大臣と会談し、インフラ経済協力を強く押し進めてきている。


特に最近、日本の高い技術力を世界に示すビッグプロジェクトの完成が相次いでいる。いずれも相手国側からたいへんな称賛と感謝が示されているところだ。


ベトナムでは今年1月、首都ハノイのノイバイ国際空港第2ターミナル、ニャッタン橋、空港と市内を結ぶアクセス道路が完成。相次いで行われた完成式典には私も出席した。この3つのプロジェクトは国際空港と都心に至る高速道路を一体的に整備する国家的プロジェクトだ。資金面で日本が支援したほか、日本の建設企業が工事を行い、死亡者ゼロ、工期も前倒しで完成させた。なかでもニャッタン橋は、東南アジア最長となる全長約1500mの連続斜張橋。同じ斜張橋の横浜ベイブリッジの約2倍の長さだ。5基の主塔がそびえ、片側3車線で路肩も広く、日本国内でもあまり例のない壮大なものだ。「日越友好橋」と名付けられ、まさに日本とベトナムの友好・技術協力の象徴となっている。


カンボジアでは今年4月、メコン川にネアックルン橋(つばさ橋)が完成した。昨年建設現場を視察した私にとっても、その完成はたいへんうれしいことだった。主橋梁は640mの斜張橋、取付け道路も合わせると5400mという規模だ。経済発展でこの地域の物流、交通量が増加し、従来は川を渡るのにフェリーが最大7時間待ちだったが、橋の完成で5分に短縮。工事は多数の不発弾処理、大洪水の発生などの困難があったが、日本の建設企業が見事に完成させた。


トルコでは一昨年10月29日、アジアとヨーロッパの境界であるボスポラス海峡で横断鉄道が開通した。これは、延長13.6㎞のトンネルを、陸側はシールド工法、海底部は沈埋工法で完成させたものだ。特に、沈埋函を海上から水深60mの海底に沈めて設置するのは難工事。海峡は潮の流れが速く、しかも上層と下層では流れの向きと速さが違うという悪条件にもかかわらず、最新の技術を使って正確に工事をやり遂げた。

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そのほかにもトルコでは現在、イズミットで長さ約2700m(中央径間は1550mで世界4位)の吊橋を日本の建設企業が建設中。ボスポラス海峡にかかる2本の吊橋でも、日本企業が補修工事を進めている。さらにダーダネルス海峡では、長さ約3600m、中央径間は2023mで世界最長となる吊橋も計画中。この橋の建設でも日本企業が協力できるよう、私も5月にトルコを訪問した際に働きかけを行ったところだ。


我が国の土木・建築技術は、世界に誇るものだ。特に、地震や水害など災害の頻発、厳しい地形などの条件の中で技術力を磨いてきただけに、他国にはない優秀さだと高い評価を受けている。その世界展開をさらに推進していきたい。

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