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NO,87 活発化する火山活動へ対策強化/火山の観測・監視体制を充実

2015年10月29日

口永良部150529.jpg死者58人、行方不明者5人という戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火から1年──。この間、全国各地で火山の噴火が相次いでいる。

今年5月29日には、鹿児島県の口永良部島が爆発的噴火を起こして火砕流が海岸まで到達。その日のうちに全島民が島外に無事に避難できたが、現在もまだ避難が継続中だ。6月には浅間山と箱根山で小規模な噴火が発生。8月には桜島で火山性地震の増加や山体の膨張が起き、住民が一時避難を強いられた。そして9月14日には阿蘇山が噴火。黒い噴煙が上がり、観光客らが急遽退避する事態が起こった。そのほかにも、火山活動の活発化によって噴火警戒レベルが引き上げられている火山がある状況だ。

我が国は世界の0.25%という狭い国土だが、世界の火山の7%に相当する110もの活火山が集中している。最近の火山活動の活発化によって、我が国は火山国だという事実が改めて強く認識された。火山災害に対する備えを一層強化していかなければならない。

火山の噴火に備えるためには、特に観測・監視体制の充実・強化に力を入れている。気象庁では全国110の活火山のうち47の火山について、24時間体制で常時観測し、情報提供を行っている。さらに八甲田山、十和田、弥陀ヶ原(立山)を追加して、50の火山を常時観測の対象にする予定だ。これらの火山については、地震計や傾斜計などの観測機器を計画的に整備・拡充するとともに、コンピュータシステムの能力向上を進めている。情報提供についても、この8月から「噴火速報」の運用を開始し、迅速かつ正確な情報提供を図っているところだ。

人材面での強化も重要だ。火山の専門家は地震や気象の分野と比べて少ない現状にあるため、専門的人材の確保・育成、能力向上が重要となる。このため気象庁の職員について、実践的研修を強化するとともに、大学や海外の研究機関へ派遣して専門的能力の向上を図っている。

さらに気象庁だけでなく、関係機関との連携により体制を強化することが必要だ。火山の観測や研究体制は個別の火山ごとに整備されてきた経緯がある。例えば、桜島であれば京都大学防災研究所、浅間山は東京大学地震研究所、箱根山は神奈川県の温泉地学研究所というように、長い間その地域で専門的に観測してきた研究機関と連携しながら、観測・監視体制を強化しているところだ。

西之島 打ち合わせ.jpg「火山は地下のマグマでつながっているのではないか」「箱根山の噴火で、次は富士山が噴火するのではないか」と言われることがある。しかしこれは誤解だ。火山は、日本周辺のプレートが日本海溝、南海トラフに沈み込む際に、溶けた岩石がマグマとなって地下深部から地表に噴出することによって形成される。このマグマの上昇は、それぞれの火山ごとに起こるもので、それぞれの火山の下にあるマグマがつながっているわけではない。このため火山活動については、火山ごとに観測・監視をしていくことが重要なのだ。

火山の周辺には美しい景観や温泉などもあって多くの観光客・登山客が訪れる。火山活動が活発化すると、観光や住民の避難など影響は大きい。日頃からハザードマップや避難計画の作成・周知により噴火に備えた対策を充実するとともに、観測・監視体制を充実強化し、正確で分かりやすい情報発信を進めていかなければならない。

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