政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.136 安全・安心の勢いのある国づくり!/東京オリ・パラ後の経済・社会へダッシュ

2020年2月 6日

新しい年がスタートした。昨年は「令和」「ラグビー」「台風19号」の年であったと思う。「令和」は国民の祝賀のなかで始まった。「ラグビー」は身体が小さい日本だが、鍛錬と結束があれば勝利を得ることができるとの自信と感動を与えてくれた。スポーツの力は大きい。「台風19号」――15号とともに19号は甚大な被害を与えた。大雨特別警報はなんと13都県に及んだ。災害が多い年でしたね、ではない。今回、荒川上流域の降雨は3日間で446ミリと戦後最大を記録した。しかし、重要なことは50年に1回の大雨ということではなく、気象の大変化を考えるとこうした豪雨は5年に1回程度は覚悟しなければならないということだ。レベルの変わった頻発化・激甚化・広域化する災害には、レベルを変えた対策が不可欠だ。

国立競技場①.jpg今年は何といっても東京オリンピック・パラリンピックだ。一時心配された新国立競技場も見事に出来上がった。諸整備も進んでいる。私の地元である北区のナショナル・トレーニングセンターも拡充され、パラリンピックのトレーニングのできる新施設も昨年完成した。パラリンピックの意義も大きい。今回のパラリンピックのメッセージは、無理だと諦める「Impossible(無理)」ではなく、「I'm Possible(私はできる)」となっている。ImpossibleではなくPossibleで頑張ろうということだ。2020年代の初頭に当たって、全てに通じる大事なメッセージだと思う。

新しい年を迎えて思うことは、東京オリ・パラの成功は大事なことだが、今年は2020年代のスタートという重要な年であることだ。東京オリ・パラ後、日本の経済は大丈夫か、仕事はあるのか、とよく聞かれるが、まさに東京オリ・パラ後の経済・社会に大きくダッシュするのが今年なのだ。2020年代の日本は、人口減少・少子高齢社会、AI ・IoT・ロボットの急進展、頻発・激甚化する大災害などの構造変化のヤマ場にさしかかる。 2025年には団塊の世代が75歳以上となり、空き家が1000万戸、認知症が700万人。大変な日本になる。国際情勢も昨今の北東アジアや中東の動向を見ても、緊迫の場面は訪れるといってよい。

首里城①.jpgこの急な坂道を登るため、「勢いのある日本」をつくることができるかどうか、これこそ最重要の仕事だ。2012年12月、第二次安倍政権が発足し、私も国土交通大臣として政府の一員となった。安倍総理と誓い合ったのは、デフレに沈み、東日本大震災の大災害を受けた日本を再建する。心の中にまで浸透し縮みゆく"心のデフレ""経済のデフレ"を脱することだ。アベノミクスはまさに「日本再建」をかけた経済戦略であった。

10年ほど前のこと。JICA理事長であった緒方さんと自民党の二階・大島両氏と懇談をした。懇談が終わって別れ際に、緒方さんがポツリと「いろいろな国を訪ねました。難民キャンプも日常生活自体が大変な国も。でも子供たちや若者の目は輝いていましたよ。日本よりも。太田さん、もう少し日本を勢いのある国にしてくれませんかね」とつぶやいた。それが緒方さんと交した最後の言葉となった。その言葉が強く心に残った私は、それ以後、「安全・安心の勢いのある国づくり」を掲げて政治活動をするようになった。「勢いのある国」は私にとって緒方さんの遺言でもある。

1000万①.jpg「勢いのある所には人が集まる」――。私が担当した観光も急進展した。訪日外国人は私が国交大臣であった時に1000万人を超え、ほぼ2000万人に達し、さらに伸びて、昨年は3188万人となった。消費額は4.8兆円の経済効果をもたらしている。AI時代を射程において、予算・税制を総動員してポスト5G時代にも備えるIT戦略を進める。中小企業や地方創生への支援も進めていく。需要を喚起するための所得アップも進める。総動員の体制だ。インフラ整備も、防災・減災の為だけでなく、経済を上昇させることにも大きく寄与する。

「安全・安心の勢いのある国づくり」――。「安全」では防災・減災、「安心」では全世代型社会保障。そのためにも経済・社会で勢いのある日本をつくることだ。「安全・安心の勢いのある国づくり」「未来に責任」――全力で2020年代にダッシュしたい。

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