政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN
NO.147 医療支援、ワクチン接種に全力/打撃を受ける「企業」「生活」を守り抜く
1月7日に首都圏4都県への新型コロナ感染症の緊急事態宣言が発令され、その後も大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木が加わり、重大局面となった。そして2月2日に栃木を除き、3月7日までの延長が決まった。徹底して押え込む努力をしなくてはならない。昨年末以来、第一波・第二波とは異なる事象が現れている。まず感染状況――。最も多い東京では昨年末(12月31日)に新規感染者がはじめて1000人を超え、1337人となった。今年に入ってから急増し、1月7日には最大の2447人となった。2月3日現在では新規感染者が676人、重症者が125人。医療現場は依然として危険水域で、病院に入れず自宅で亡くなることも起きている。最近では感染者数が減少傾向であるとはいえ、決して油断できない状況にある。
また、新しい英国型の新型コロナウイルス(変異株)が日本に侵入していることも、今年に入ってからの新しい事態だ。さらに、自宅療養中に「皆に迷惑をかけた」と悩んでの自殺者が出ている。経済的・心理的要因等のほか、バッシングや過度の恐れもあり、自殺者が増加。昨年は一昨年より750人多い2万919人となっている。一方企業では、昨年4月からの緊急事態宣言時とは明らかに違っている。「コロナ」が長期に及び、徐々に企業体力を奪っている状況のなかでの緊急事態宣言だ。深刻な事態だ。3月7日までの緊急事態宣言となったゆえに相当な支援が必要だ。
これまで「医療・介護支援」「企業・事業主支援」「生活支援」の三本柱を立てて支援に努めてきた。なかでも今、緊急を要するのは「医療・介護支援」だ。とくに医療機関の逼迫への対応だ。感染者数が最も多い東京――。公明党が昨年来、訴えてきた「新型コロナ専門病院の開設」は、渋谷区の東海大学医学部付属東京病院等の施設で始まったが、今後のことを考えれば全国で適所の開設がさらに求められる。またこの1月、都立・公社の3病院でコロナ入院患者を重点的に受け入れることが発表された。さらに政府はコロナから回復した後も、引き続き入院が必要な患者を転院で受け入れた医療機関について、診療報酬を加算(1日当たり9500円)する発表した。公明党が提唱している「後方支援」病院への財政支援だ。医療提供体制を断じて守るため、病床確保や看護師・保健師らの専門人材の派遣調整など、国が全面に立った最大限の支援が必要だ。
ワクチン接種がいよいよ2月下旬から医療従事者等から開始される。3月中旬以降、4月からの接種を目指し、重症化リスクの高い高齢者から順次、クーポン券が届く計画だ。これを実行する市区町村の仕事は膨大で、システム構築への支援、国民への情報提供が不可欠だ。各人への通知、接種日程の調整、接種場所や医療関係者の確保......。現在、国も地方自治体も真剣に取り組んでおり、かつ一人ひとりに寄り添った現場対応に全力をあげていく。
「企業・事業主支援」については、2020年度第三次補正予算案、来年度予算案で税制も含めて踏み込んだ。雇用調整助成金の特例措置は2月末が期限となっていたが、「緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月」まで現行水準を延長する。緊急事態宣言が発令された11都府県の時短要請を受けている飲食店には1日6万円支給(これまで4万円)。それと取り引きがある事業者に対し、最大60万円の一時金の支給を決定、実態に即した、より幅広い支給をめざしている。
「生活支援」については、公明党としてこれまで数々の実現をしてきたが、1月21日に改めて緊急事態宣言を踏まえた生活困窮者支援に関する政府への緊急提言を行った。それは ①住居確保給付金の見直し ②雇用対策の強化 ③緊急小口資金等特例貸付の償還免除措置 ④生活保護の弾力的運用 ⑤子育て家庭への支援の強化 ⑥自殺防止対策の充実――などだ。
「住居確保給付金の見直し」については、「人生で原則1回のみの利用」との制限を撤廃し、再支給を可能とすることが決定した。コロナ禍で収入減となって家賃が払えない人にとって大きな力となる。また、休業支援金・給付金等休業手当に関する相談体制を整備し、休業手当がもらえず困窮している方々にきめ細やかに対応する体制を整備すること。「生活保護の弾力的運用」については、コロナ禍の実態に添った対応とともに、家賃が安い住居への「転居指導」を一定期間猶予すること――など、キメ細かな生活困窮者支援措置だ。コロナ禍で雇用を失ったり、収入減の家庭は深刻な状況であり、キメ細かな支援に力を入れたい。緊急事態宣言が再発令された今、支援措置をあらゆる面から行うことが政治の仕事だが、何よりもその前提になるコロナ感染の阻止に全力をあげていく。