政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.149 注目される「木材」の利用/中高層建築も本格化

2021年4月 9日

「木材」が注目を浴びている。今、大都市で中高層の木造建造物が建設されたり、地球温暖化対策で森林が重視されたり、「山を買う人が増えてきた」というニュースまで報道されている。大事なことだし、うれしいことだ。

我が国は、戦後に植林されたスギやヒノキが成長し、使い頃を迎えている。木材の利用については、私も国土交通大臣時代に力をいれてきた。例を上げれば、小学校について、木造3階建ての学校を建てやすくするため建築基準法を改正し、富山県魚津市などで個性的な木造校舎が建てられてきている。木の空間は人の健康や心理面によい影響を与えるものであり、教育施設で木材利用を進める意義は大きい。

また、我が国は2050年までに温室効果ガスの排出と吸収のバランスをゼロにする「カーボンニュートラル」をめざしている。木材は、鉄やコンクリートに比べて作るときに排出する二酸化炭素が少ないことに加え、多くの建築物で木材を大量に使うことで"炭素"を貯蔵する効果もある。

足立.jpgまさに今、東京や仙台などで、中高層あるいは大規模な木造建築物をつくる動きが始まっている。私は、2016年に、日本最大級の木造5階建ての建築物(特別養護老人ホーム)が地元の東京都足立区花畑で建てられていて視察した。先日も銀座で建設中の日本初の2時間耐火の12階建て商業施設を視察した。とても美しく、心地よい。この5年間に、地震や火災に対する安全性検証の試験なども経て技術開発が進んできたことはうれしい限りだ。

大規模な木造建築が次々と建てられているのはヨーロッパだ。普及が進んでいるのはCLTCross Laminated Timber:直交集成板)によるものが多く、私もその推進に力を入れている。CLTは、板材を繊維方向が直交するよう積層接着した集積パネルで、これまでの木材にない強度をもっており、さらなる高層化も可能だ。このCLT建築物についても、私が国土交通大臣だった頃は、個別に建築基準法の認定を受ける仕組みだったが、飛躍的に建てやすくするよう、認定を受ける必要のない一般的な基準を策定した。CLTを使った建築物は、わが国でこれまでに約550棟が建てられ、高さも15階建てのものまで計画されているなど実績が上がってきている。

1617936469922.jpgこのような新しい技術を使って、木造建築物を作っていくことは重要だ。「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が平成22年にできた。この法律は、国や地方公共団体が建築する公共建築物について、木材利用の努力義務を課し、目標を定めて取り組むこととしたものだ。これにより、公共建築物の木造化は進んできた。高知県梼原(ゆすはら)町の総合庁舎。国土交通大臣賞を受賞した公共建築物だが、地元産の杉をふんだんに使っている。しかも銀行や農協までその建物に入っており、文字どおり町の生活・活動の中心拠点になっている。また、今夏のオリンピック・パラリンピックに向けて建設された国立競技場でも、屋根などに47都道府県すべての木材が使われており、木と緑にあふれた「杜(もり)のスタジアム」となっている。

木は、断熱性や除湿作用にも優れているため日本の気候・風土にも合っており、さらに地球温暖化防止に貢献する効果もある。地域活性化のためにも重要な資源であり、住宅だけでなく、官民を問わず木材の活用をいっそう進めていかなければならない。「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」についても、対象を公共建築物から民間建築物に広げていこうと思っている。国会議員間で法律改正の動きがあり、先日も関係者と話をしたところだ。

そして、街のなかの建築物の木造化を進めるのにあわせて、建物内の内装や家具でもどんどん使っていくことが重要だ。木に触れることで、落ち着いた安らぎを与えられ、心地よい。家具インテリア産業においても、木造にマッチするような家具のデザインの提案を期待したいところだ。

木の活用を通じて、林業のみならず、地域の工務店、家具インテリア業界など皆さんが元気になり、地域の活性化につながるようにしていきたい。それは、50年以上前に木を植えてくれた先人への恩返しにもなると思う。

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