1931年9月18日、奉天の郊外、柳条湖の南満洲鉄道の線路爆破(満州事変)。その前年の1930年4月のロンドン海軍軍縮条約、11月の浜口雄幸首相の東京駅での狙撃。1月には金解禁、世界恐慌の嵐。1932年3月、満洲国建国宣言、溥儀が執政に就任。そして国際連盟はリットン調査団を派遣。この激動のなか、中国で日本で、各人の思惑が錯綜し、激突する。
大清の復辟を熱望する溥儀、梁文秀。その流れに従う張景恵。それに断固として抗う馬占山は「還我河山。我に山河を返せ」と叫ぶ。一連の挑発行為の中心者・関東軍の板垣征四郎、土肥原賢二、動かす石原莞爾。土肥原の下にいた志津邦陽。そして日本国内において関東軍と見解を異にする永田鉄山、呼び寄せられる張作霖の軍事顧問であった吉永将。石原等の関東軍参謀たちが拡げた大風呂敷を、どう畳むかという使命に立つ武藤信義大将と溥儀の会談。東北軍を離れ"龍玉"を持つ李春雷と林純先生・・・・・・。
「満州国とは何か」――満州国建国をめぐり、謀略渦巻く濁流の時代を描く。
世界は競争激しいIoT、AIの時代。昨年9月のG7交通大臣会合でも第1のテーマは「自動運転」。世界の自動車業界のみでなく、IT業界をも含めて熾烈な技術戦争、ビジネス戦争の真っ只中にある。ハイブリッドカーは既に現実の過去となり、電気自動車、水素自動車の激烈な競争も可視化された現実だ。
この20年、巨大自動車企業"トヨトミ"は、世界の中で"戦う"トヨトミであり、日本経済の推進力だが、そこには現場で汗と涙で結束して正面突破してきた強靭さがあった。剛腕の武田剛平、プリンス豊臣統一を軸に、危機感と突進力が描かれる。「血が勝つか、汗が勝つか」などではない。創業の精神は組織の底力だ。日本経済の柱・巨大企業は10年後、20年後を凝視し、世界で勝たねばならない。