mutoisikino.jpg新型コロナ・パンデミックと大規模災害。それはグローバル資本主義の拡大・成長と気候の激変・地球温暖化が許容限界に達していることを表出している。無限拡大に対しての有限性、「生と有限性、地球環境の有限性」の自覚が今、突き付けられている。地球規模での「定常化」時代に向かっているとの自覚だ。

しかし、その「定常化」は人類の歴史から見て第3回目の「定常化」だという。人類は「有限性」を自覚した時に、「定常化」のなかに豊かな創造性を見出していたのだ。「第一の定常化――ホモ・サピエンスの増大→心のビックバンに転換」「第二の定常化――農耕と都市の拡大→枢軸時代、精神革命(世界での哲学・宗教の始源)」、そして現在の「第三の定常化――地球倫理へ」だ。人類は新たな「生存」の道への転換を図れるか。牧口常三郎初代創価学会会長の「21世紀を人道の世紀に」を想起させる。その「地球倫理」を人類の過去・現在・未来の壮大なパースペクティブの上から、またその根源を探ることから「有と無と空」「生と死」「時間と死生観」「仏教、老荘思想、キリスト教」「宇宙と生命」等、壮大なスケールで論述する。

「無と死を考える時代――生と死のグラデーション、無と科学」「有限性の経済学――資本主義と無限、人類史の拡大・成長と定常化、地球倫理の可能性」「超長期の歴史と生命――意識という開放定常系、共生と個体化のダイナミクスとしての生命」「無の人類史――無(ないし死)の人類史のスケッチ、心のビックバン(心の自立、無の自立)、農耕社会と"死の共同化"、枢軸時代・精神革命における"無"の概念化・抽象化、老荘思想・中国仏教における"無"、ギリシャにおける自然と生成・存在、ユダヤ・キリスト教の"永遠の生命"」「『火の鳥』とアマテラス――太陽の再生神話の起源、アマテラスの起源、死を含む生命」「有と無の再融合――無のエネルギー、生と死のグラデーションと死生観、認知症と老年的超越」「時間の意味――時間と死生観、時間・永遠・宇宙をめぐるモデルと現代物理学」・・・・・・。

断常の二見を超える「空」とエネルギー、人間の生と、己を超える大きな存在(宇宙、地球、共同性)との繋がりの覚知、第三の定常化時代の新たな思想・観念の形成、宇宙・地球・生命・人間の「共生と個体化のダイナミズム」、その到達理念としての「地球倫理」――。共鳴盤が激しく鳴った。


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晴天で、びしっと身が引き締まるような空気の4日。各町会の役員の方々と挨拶・懇談をしました。豊島区北大塚では町会の焼き芋会が開催され、300本のホクホクの焼き芋を焼き上げ、参加者に振る舞いました。従来の「餅つき大会」がコロナ禍でできないことの知恵という事ですが、大変な準備をしてくださった方々、本当にありがとうございます。オミクロン株も懸念されますが、少しずつ日常が戻っています。


30nohangeki.jpg話題を呼んだ「アーモンド」の著者だ。本書のタイトルは当初、「普通の人」だったが「1988年生まれ」というタイトルで賞を受け、今回「三十の反撃」として刊行された。まさにそのタイトルどおり、1988年生まれで30歳になっても正規社員でもないインターンのままの女性・キム・ジヘ。日本でいう就職氷河期がこの世代にあたった。特に取柄があるわけでも、優れているわけでもない「普通の人」のキム・ジヘ。「どんな大人になりたい」「今の時間をどのように記憶し、刻んでいくか」を深く考える訳ではないが、職場でも言いたいことも言えず鬱積した不満・不安を抱え、かつては同級生にひどい仕打ちを受けながら"黙って我慢"した心の傷を引きずっている「普通の人」でもある。しかしそれは韓国社会にはびこるニセモノたちや、弱者を巧妙に搾取する構造的矛盾という"巨大な壁"に、"跳ね返され"たり、"沈黙"を余儀なくされている姿でもある。

そのキム・ジヘが、新しくインターンとして入ってきた男性・ギュオクの"反撃の行動""いたずら"に触発されて、小さな「反撃」に出る。小さな"いたずら"のような「反撃」を行うこと、正しいこと、真実を言うことができるという「小さな勇気の反撃」だ。しかし、それが自分自身に変革をもたらし、成長していくことになる。我慢し、押し潰されても「沈黙」ではなく、「小さな反撃」に踏み出す勇気が、自分の人生を自覚的で確かなものにしていくのだ。沈黙ではなく行動、一人ではなく仲間がいること――そのことを駆け込み寺"ならぬ"仮空の人"のジョンジンさんが暗示する。


ペッパーズゴースト.jpg他人の明日の未来が見える「先行上映」という不思議な力をもつ中学校の国語教師・檀千郷。彼に迫り来る出来事・事件と、女子生徒・布藤鞠子の書く小説が交錯する。小説からロシアンブルとアメショーと名乗るネコジゴハンターが抜け出す。あたかも照明とガラスを使って別の場所の存在を観客の前に映し出すペッパーズ・ゴーストのよう。現実とバーチャルが入れ乱れるなか、"テロ事件"に彼等が巻き込まれていく。

事件はまず、5年前に起きた「カフェ・ダイヤモンド事件」――。世田谷の洋風創作料理店「カフェ・ダイヤモンド」に5人の猟銃を持った男が、客やスタッフを人質にとって立てこもり、警察が突入。29人が亡くなり、犯人も自爆。テレビの人気のコメンテーター・マイク育馬の軽率な発言が自爆に追い込んだ最後の一押しとなった。被害者たちが秘かにサークルをつくる。庭野、野口勇人、成海彪子らは、警察やマイク育馬などへの復讐を図ろうとするが、その心の奥底には「人生そのものへの絶望」「生きる意味の喪失」「死にたい」「自暴自棄」が共有されていた。そして「やすらぎ胃腸クリニック」「後楽園球場」のテロ事件を起こす。ニーチェの「この世界の嘆きは深い、喜びのほうが、深い悩みよりも深い。嘆きが言う。『消えろ!』と。だがすべての喜びが永遠をほしがっている」との「ツァラトゥストラ」が通底音として全編に響く。

事件に巻き込まれた檀は、不思議な「先行上映」の力で、これらを何とかしのいでいく。そして最後の展開が・・・・・・。


wakugumi.jpg26日、2021年度補正予算が閣議決定されました。一般会計の歳出は35兆9895億円で補正としては過去最大。12月6日に召集される予定の臨時国会に提出、成立を目指します。歳入は税収の上振れ6兆4320億円、20年度の剰余金6兆1479億円、新規国債発行は22兆585億円です。

新たな経済対策の関連経費が31兆5627億円。このうち、コロナ拡大防止に18兆6059億円、新しい資本主義の起動に8兆2532億円を計上、防災・減災・国土強靭化などに2兆9349億円となっています。この中に、18歳以下に10万円(先行する中学生以下5万円で予備費から7311億円、残る高校生と5万円のクーポンは補正で1兆2162億円)、住民税非課税世帯への給付に1兆4323億円、生活困窮者自立支援金の再支給に937億円、生活の厳しい学生への給付金675億円が入っています。

さらにコロナ感染拡大防止で医療機関への緊急包括支援交付金2兆310億円、3回目のワクチン無料接種で1兆2954 億円。自治体のコロナ対策として地方創生臨時交付金を約6兆8000億円を上積みしています。

また事業者支援として2兆8032億円、中小企業事業再構築支援で6123億円を計上。マイナンバーカードの普及と消費喚起に向け最大2万円分のポイント付与で1兆8134億円となっています。

コロナを受けた日本全体に「生活支援」「事業者支援」「医療支援」を思い切って進め、経済再生を力強く進める大事な補正予算です。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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