動き出した時計.jpg「ベトナム残留日本兵とその家族」が副題。1945年8月の終戦によって、日本軍は武装解除され引き揚げることになったが、ベトナムには少なくとも600人以上が帰国せず残留したと言われている。そしてその多くが、ベトミン(ベトナム独立同盟)からリクルートを受け、独立をめざしての抗仏戦争に兵士、軍事教官、軍医等で働いた。しかしこの戦いを終えた9年後の1954年、ベトナム政府は残留日本兵の帰国を促す。すでに家族がいたが、家族の帯同は許されなかった。そこには、東西冷戦、共産主義陣営の思惑もあったようだ。その後、帰った日本人兵士自身も苦難を強いられ、ベトナム戦争で敵国アメリカの同盟国と見なされた日本人を父親とする残された家族も「日本ファシストの子」と差別される日々を送ることになる。

「なぜ残ったのか」「なぜ1954年には家族を残して日本へ帰ったのか」の疑問を抱えつつ、小松みゆきさんは「引き裂かれた家族」の真実に迫り、救いの手を差し伸べるべく奔走する。自身がベトナムに住んで30年という。凄い、素晴らしい、粘り強い行動力だ。

ベトナムの人は「家族への思い、とくに父親への思い」が強い。しかし、思いが「出会い」に結びつくにはハードルは高く、帰った日本兵士の側も、苦しい事情があり口は固い。全てが、「戦争」によってもたらされたことを感じる。小松さんは私の世代、兵士たちは親や兄貴たちの世代だ。「理不尽」な運命をもたらした「戦争」を、自分の親を思い起こしながら読んだ。スアンさん、ロックさん、ズンさん・・・・・・。熱意が出会いの"形"となっていくのは感動的だ。


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4日、第203回臨時国会が閉幕しました。コロナ禍での国会でしたが、菅総理の所信表明で、コロナ対策、生活・企業・医療への支援とともに、公明党が主張してきた「携帯電話料金の値下げ」「不妊治療への保険適用」「デジタル庁の創設」「2050年にカーボンニュートラルを目指す」等をテーマとし、41日間の論戦が行われました。

今国会では、さまざまな法案が成立しましたが、先日(12/2)、改正予防接種法が成立し、新型コロナウイルスワクチンの希望者全員への無料接種ができるようになりました。

また、議員立法が6本成立をしましたが、そのうち3本は公明党がとくに主導した「労働者協同組合法」「令和2年7月豪雨の義援金差押禁止法」「生殖補助医療法案」です。労働者協同組合法は、公明党の桝屋敬悟衆院議員がこの10年以上、懸命に頑張り抜いて、ついに全会一致で実現したもの。労働者自らが資金を出し合って経営に携わる「協同労働」を行う団体に対し、労働者協同組合という法人格を認め、新しい働き方が可能となる大変意義のあるものです。

これから、「2020年度第3次補正予算」「2021年度税制改正大綱」「2021年度の本予算編成」等のヤマ場にさしかかります。

しっかり頑張っていきます。

衆議院本会議終了後、菅首相から御礼の表敬を受けました。

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マンガでわかる落語.jpg春風亭昇太の弟子で、東大落研出身の春風亭昇吉が、「金明竹」から「初天神」までの50演目、古典落語のあらすじを、マンガを入れて徹底解説した落語攻略本。プラスして寄席の楽しみ方等を案内する。

「粗忽長屋」「時そば」「長屋の花見」「饅頭怖い」「目黒のさんま」「井戸の茶碗」「鰍沢」「ちはやふる」「たがや」「芝浜」「親子酒」「火焔太鼓」「厩火事」「寿限無」・・・・・・。いずれの「噺」も、江戸の町人文化の喜怒哀楽、人間のたくましさや意地やしたたかさ、人情が伝わってきて、面白い。たしかに「いますぐ寄席に行きたくなる!」・・・・・・。


イノベーションはいかに起こすか  坂村健著.jpg「AI・IoT時代の社会革新」という副題と、「第1章 なぜ日本からはイノベーションが生まれないのか」「第5章 いまこそ『変われる国・日本』へ」の表題で、本書でいわんとすることは明確だ。モノがインターネットにつながるIoT時代、そしてAIの時代。そこで大事なのは「オープンにつながる」こと。しかし日本は機器が作ったメーカーのアプリにしかつながらない「クローズ志向」。IoT化の核となるAPIのオープン化で初めてIoT対応機器となる。「イノベーションではチャレンジが必要。"絶対安全""絶対大丈夫"などということは複雑化した現代社会では無理だが、日本ではすぐ"誰が責任"とかになる」「日本は"変えることを恐れる"傾向が強い。責任感が強くて不安に弱い国民。ワクチンでも、接種した被害を過剰に捉え、何もしない傾向になる。法律も大陸法方式、やっていいことを書くポジティブリストの考え方で、それ以外はダメ。米国とは反対」「モノを売るのではなく、サービスを売る。IoTで機器がつながりサービスもオープンAPIで連携すればもう単なるIoTを越える」「重要なのは、技術の問題というよりどうシステムをデザインするか、そして社会のデザイン、会社のデザイン、生活のデザインをするか、という哲学。そこが日本は得意でない」「オープンデータ化で後れを取る日本。人が読む情報公開とコンピュータが読むのが前提のオープンデータは別物」「日本はいまだに政府も地方自治体もデータは紙ベース。紙もハンコも断捨離せよ」「日本の問題は技術ではない。リスクを取っても挑戦するというマインドセット、社会を変える勇気、覚悟だ」・・・・・・。まさに「手法でなくやり方レベルから根本的な変革を起こそうという姿勢こそがDXの本質」、その意味では新型コロナが強制的に「変わらざるを得ない」状況を作り出している、今がチャンスだという。

坂村健先生がけん引するINIAD(東洋大学情報連携学部)も視察し、この先駆的挑戦を体感した。まさに文・芸・理の融合、リカレント教育の必要・不可欠からきている挑戦だ。また歩行者移動支援、観光や災害弱者支援になる「東京ユビキタス計画・銀座」を視察、現場で説明も受けたこともある。坂村先生は1980年代からオープンなコンピューターアーキテクチャーTRONを構築し、このTRONは米国IEEEの標準OSに採用され、IoTのための組込みOSとして世界中で使われているものだ。デジタル化が全ての方面で叫ばれ、遅れている日本の変革が迫られている今、AI・IoT時代の本質を見誤らないように、そして遅れるな、変革できる、との指摘は重い。


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穏やかな日となった28日、29日――。さまざまな行事が行われ、参加しました。

28日、「北区立滝野川第4小学校の創立100周年記念式典」が行われ、大正9年から震災や戦争での焼失を経て今日に至るまで、地域とともに多くの人が育ってきた歴史に接しました。

29日は、天皇皇后両陛下のご臨席をいただき、議会開設130周年記念式典が国会で行われ参加しました。

明治23年11月29日に第1回帝国議会が開設され、明治、大正、昭和、平成、令和と数多くの困難を乗り越えて、本年(令和2年)で130年の節目を迎えました。国権の最高機関として、今日に至る歴史と重要性をあらためて感じました。

どの行事も新型コロナ感染拡大防止を徹底しての行事となりました。

この日は、地元北区の赤羽駅西口で岡本みつなり衆院議員とともに街頭演説を行いました。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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