「御薬園同心・水上草介」シリーズ第3作。"水草"と綽名される水上草介は、薬草栽培や生薬精製に携わる小石川御薬園(おやくえん)の同心。吹けば飛ぶような外見をもつのんびり屋だが、人並みはずれた草花の知識をもち、親しまれ、周りの人たちの心身を癒していく。御薬園を預かる芥川家のお転婆娘で剣術道場に通う千歳との恋のやりとりをはじめ、心に秘めたものがゆっくり、つつましやかに漂ってくる。
幕末の大変動が始まろうとした時代。御薬園や町並み、庶民の暮らしには四季折々の風情がある。鳥がさえずり、蝶が舞い、赤黄茶の葉色に彩りの秋を終えて白く冷たい冬がくる。四季がはっきりし、人々の行事や振舞いが季節とともにあった静かな、貧しくとも心通う時代――。そんななかで起きる騒動、揉め事、病と薬草を、さわやかに優しく、江戸の生活が浮かび上がるように描く。
「高齢社会の成長戦略」が副題。人口減少・高齢社会が急速に進む日本。けっして暗くはない。高齢化に対応するイノベーションを進め、従来の規制を打ち破って展開すれば、需要もGDPも伸びる。高齢者向けイノベーションの経済学・エイジノミックスで日本は蘇ることができると提唱する。
高齢化が進む社会は、イノベーションの宝庫である。「病弱な人のための財・サービスのイノベーション(遠隔医療サービス、介護施設でのロボット活用、創薬・再生医療、高齢者向け住宅)」「健康な人のための財・サービスのイノベーション(自動運転、IoT・AI、旅行やデパートやフィットネスや学習などシニア向けサービス、シェアリングエコノミー)」そして「病弱な人のための制度のイノベーション(遠隔医療サービス、混合介護、見守りと市民後見)」「健康な人のための制度のイノベーション(シェアリングエコノミー、ハローワークやシルバー人材センター、就労モザイク)」の4つに分類、整理し、具体的に現場で今起きていること、挑戦していること、すでに実り更に進んでいることを示す。
「老いの期間を明るく過ごす――創薬とロボティクス」「高齢者の能力を拡張する――人工知能とモノのインターネット」は高橋琢磨氏、「介護は減らせる――脱『要介護』で稼ぐケア市場」「労働力を移動させる――誰もが働き続けられる社会」は高橋氏と岡本憲之氏が現状と方向性、戦略を詳述する。まさに今、踏み出す時だ。
7日、海上保安庁の海上保安政策過程で学んだ、東アジア諸国の1期修了生と2期学生の表敬を受けました。これはアジア諸国の海洋の安全確保に向けた各国の連携、認識共有を図るため、私が国交大臣時代に新設した教育課程。海上保安政策に関する世 界初の修士レベルの教育を行うためにスタートしたものです。これには、日本を含む、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどから訓練生が参加しています。
私は、各国のメンバーがこの日、集ったことをうれしく思い歓迎。緊迫の度を増しているアジア諸国の海洋、台風などの自然災害、また貴重な海洋資源の確保など、多くの点で、各国が危機感を分かち合い、お互いが連携することが重要であること。また、修了生がそれぞれ学んだことを教訓にして、各国のリーダーになって、安全保障に貢献することを期待している、とあいさつをしました。1年の充実した教育課程を誇りに思うとともに、「日本の食事は?」と聞くと「おいしい」「ラーメン、スシも大好き」と笑顔が返ってきました。いい表敬でした。
多くの人が100年ライフを生きる時代が来る。2050年までには、日本の100歳以上の人口は100万人を超え、2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される。世界全体が長寿時代に進んでいく。過去のモデルは役に立たない。長寿化時代には人生の設計と時間の使い方を根本から見直す必要がある。長寿を厄災でなく恩恵にする人生戦略だ。
今までは「教育→仕事→引退」の3ステージの人生だ。年金・老後の蓄え・住宅ローンなどの有形の資産に議論が集中するが、余暇時間の使い方、パートナー同士の深い関わり合い、友人関係のネットワーク、学習とスキルアップなどの無形の資産が重要となる。変身できるマルチステージの人生だ。レクリエーション(娯楽)を労費するのではなく、自己のリ・クリエーション(再創造)に振り向けることだ。快適なぬるま湯の外に出て行き、未来につながる道を思考する「成長思考」の持ち主になることだ。教育機関も企業もその大きな動きを課題として受け止め、前に進める必要がある。企業は「仕事と家庭」との関係に留意し、「年齢を基準にする」ことをやめ、まさに「働き方改革」に力を注ぐことになる。政府が取り組む課題は複雑・多岐、既存の分類は成り立たなくなる。
人生に単線型ではない新しいステージが現われる。選択肢を狭めず幅広い針路を検討する「エクスプローラー(探検者)」、自由と柔軟性を重んじて小ビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)」、仕事や活動に同時並行で携わる「ポートフォリオ・ワーカー」など選択肢は増える。そのためのエネルギー再充填と自己再創造の移行期間の確保と環境整備が重要となる。働き方改革を越えて、生き方改革という命題が横たわる。
ロンドン・ビジネススクール教授の著名な2人が訴えかける。