「終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか」「資本主義の終焉と歴史の危機」等々の著作に続いて、「株式会社の終焉」を示す。こうした歴史を俯瞰し今日を見た時、バブルの多発、英国のEU離脱、米国でのトランプ誕生、そして日本のマイナス金利も企業の内部留保金の積み上がりも、その潮流のあがきなのか。「現在の21世紀は、成長の積み重ねの上にあるわけではない。成長を目指せば目指すほど、21世紀の潮流とずれてしまう」「成長がすべての怪我を治すのではない」という。
「近代資本主義の"より速く、より遠く、より合理的に"を見直し、株式会社の終焉をしっかり見つめながら"よりゆっくり、より近く、より寛容に"という中世の原理に今一度立ち返ってみることが必要だ」という。GDPの三要素「技術進歩、資本量、労働量は、すでに成長に貢献していない。技術進歩が成長に寄与しなくなったのは、売上増以上に研究開発費などのコストがかかるようになってきたからだ。労働量、すなわち人口が減少するのは、家計の収入増以上に教育費がかかるようになったからだ」と指摘。労働分配率の是正と内部留保金の是正などのステップを示す。国も企業も「消費者があれもほしい、しかも早くほしい」という時代ではなくなっていることを見て、近代システムのベースとなっている思考自体を変えよ、近代はみずから反近代を生むようになったという。
「トランプ大統領を誕生させたアメリカ社会の構造と亀裂」「民主党が政策も選挙戦術もいかに失敗したか」――。今、アメリカ社会で何が起きているかを剔り出し、日本は何を覚悟して未来に向かうかを提起している。
「トランプ時代の幕開け」「保守的なレトリックと中道の経済政策」「法人税率15%のインパクト」「意気揚々と撤退するアメリカ」「分断されるアメリカの深層」「共和党2010年当選組の苛立ち」「オバマ民主党で噴出した不満のマグマ」「ムスリム社会とラティーノ社会の摩擦」「誹謗中傷合戦と化した大統領選挙」「FBIによる落選の決定打」「トランプ現象の本質」「アメリカ社会における50年間の変化、20年間の変化、8年間の変化」「"普通の大国"としての孤立主義」・・・・・・。そしてトランプ現象はアメリカの閉塞感と国民の深層心理を踏まえて立ち上げられたものであり、これまでのアメリカ政治の構造を組み替える可能性を秘めている、という。
「変わりゆく世界の地政学」「"帝国の撤退"と世界秩序の行方」「日米関係の新たなる地平」「新・勢力均衡の時代」「TPPの挫折と東アジア経済圏」・・・・・・。日本は対話と協調を踏まえつつ、振り回されないで、自らの戦略で行動する時を迎えている。
晴天で富士山もきれいに見えた2月4日立春――。甲府市で行われた公明党山梨県本部(代表=安本美紀県会議員)の「新春の集い」に出席、挨拶をしました。これには高木美智代衆院議員、平木大作参院議員のほか、後藤斎・山梨県知事、樋口雄一・甲府市長、保坂武・甲斐市長、堀内光一郎・富士吉田市商工会議所会頭ら多数の来賓が出席しました。
新春の集いで私は「激震の世界政治のなか、日本は政治の安定と景気・経済の前進に全力をあげる。振り回されないで、自らの戦略をもって進むことだ」「公明党は無年金者対策や返済不要の給付型奨学金の創設など、格差是正や貧困の連鎖解消に取り組んでいく」「山梨県は元気がある。ぶどう・ワインなど日本一が30もある。観光のポテンシャルも高い。外国人観光客もたくさん来ているし、これからますます増える。中部横断自動車道など交通網の整備も推進していく」と述べました。
「誰も語れない将棋天才列伝」と副題にある。たしかに、14歳で史上最年少のプロ棋士となって60年以上現役で戦い続け、あらゆる世代の棋士と対戦している加藤さんでなければ語れない将棋界の歴史、天才列伝だ。
関根金次郎、終生のライバル阪田三吉。木村義雄、花田長太郎。そして升田幸三と大山康晴。それを倒そうとした加藤一二三、二上達也、米長邦雄、山田道美、有吉道夫、内藤國雄・・・・・・。そして中原誠。さらに谷川浩司、羽生善治、佐藤康光、森内俊之、渡辺明・・・・・・。
「銀が泣いている」「たどり来て、未だ山麓」「勝負というのは一勝一敗、それなら成功」「前進できない駒はない」「"自分がよい手"ではなく"相手が嫌な手"」「いいときは焦らない、悪いときはあきらめない」「第一感で浮かんだ手は好手」「直感精読」「人間とソフトの最大の差は"大局観"」・・・・・・。「将棋界をつくった天才たちの求道心」が、率直に語られる。まさに"誰も語れない"将棋天才列伝だ。
