いとの森の家.jpg小学校4年生の6月、福岡県糸島の田舎に都会の団地から引っ越してきた山田加奈子。それはたった1年間の新しい生活だったが、姉や家族、いつも一緒の咲子などとともに"普通の日々"の全てをどんどん吸収していく。そこで出会った「死刑囚の母」のおハルさん。「残酷なところもいっぱいあるの。残酷な時代でしたからね。踏みつけてきたのよ、たくさんの命や、心を」「あなたには、残酷なできごとが起こりませんように」・・・・・・。それは初登校の日、田んぼの畦道でどんどん踏みつけられていく蛙の轢死体に気分が悪くなって保健室で介抱される加奈子が重なる。

森や田んぼ、豊かな自然のなかで過ごした濃密な1年。命や生老病死の近い所で、子どもの感受性が、より磨かれていく貴重な日々が描かれる。いい。


愛知県 280612.jpg

いよいよ7月10日の参院選まで一か月を切りました。12日、大激戦の愛知県に行き、里見りゅうじ党労働局次長(参院選予定候補=愛知選挙区)とともに、名古屋市で街頭演説や里見りゅうじ後援会大会に出席しました。

今回、公明党は愛知では9年ぶりとなる選挙区での挑戦。新人の里見りゅうじさんは、厚生労働省に24年半勤務。「働く人を支援する」との原点の誓を忘れず、労働者の環境改善に全力で取り組んできた志の人です。国会担当も担っていたため、国会議員のなかで里見ファンも多いうえ、私の地元・北区ではPTA会長もやるなど庶民派、行動派です。少子高齢社会のなか、社会保障、子育て、医療・介護、雇用などが重要となっている日本。即戦力です。「ひとりのために、愛知から日本の未来をつくる」と力強く決意を述べました。

私は、「優秀で打つ手も早く、さらに"足で稼げる男"が里見りゅうじさん」「デフレを打ち破って安全・安心で勢いのある日本を築いていくのが公明党」「政治は結果。庶民に寄り添い、結果を出すのが公明党だ」と訴えました。


神奈川 280608.jpg

大激戦の神奈川選挙区へ――8日、相模原市内で行われたシンポジウムに、三浦のぶひろ公明党青年局次長(参院選予定候補=神奈川選挙区)と共に出席、絶大な支援を訴えました。

相模原市は、圏央道がつながり、リニア新幹線の駅ができる予定となっており、ロボット産業特区でもあり、水資源も豊富。地盤も硬く、首都直下地震ともなれば、防災拠点としても重要で、近年、大きく発展、注目されている市です。

金属工学の博士でもある三浦のぶひろさんは、「科学技術の力を前進させて地域経済を活性化させていく」と決意を表明。私は「日本の底力は現場の力。科学的頭脳をもち、現場のものづくり、職人さんの気持ちがわかる三浦さん。日本の未来を拓く人だ」と訴えました。


絞首台の黙示録.jpg死刑の執行から話が始まる。父の安否を確認するために、新潟の実家に戻ると・・・・・・。「まったく、おかしな話です。実家に帰ったら、自分にそっくりな知らない人間が現れて、自分は昨日死刑を執行された死刑囚だという。わけがわからない」――。

そして次々と出てくる主役が、「俺はいったい誰なのか」「あの人は自分が何者かわからないのでしょうね」「誰が誰だかわからない」という"世にも不思議な世界"に入り込んでいく。カミュの「異邦人」や、コリン・ウイルソンの「アウトサイダー」など、私たちの世代の青春時代の"あの世界"が伏線として提示される。

実在と意識。「意識というのは個人の神経電位や化学反応だけではなく、それらを含めた人体付近の環境全体によって形成されているんだ。そして人体というのは、周囲の環境と情報をやり取りしている発信機であり、受信機なんだ。意識はそれらの情報を総合して形作られている。・・・・・・自分を自分だと思っている<自分>の中には、人体としては別人の、たとえばあなたの意識活動から漏れている信号も含まれている」「死にたくはないが死ななくてはならない。この矛盾状態を破るために、おれは、自分の死を自分で確かめることができないなどというのは我慢ならない、死んでも自分の死体を見届けてやると、そう強く念じたんだ。すると、首にロープを巻かれ、目隠しをされた自分の姿が、見えた」

あまり接したことのない心奥を突き刺してくる長編小説だが、最後まで迫り、ほんろうされる。


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今年4月に若手の建設職人育成の訓練校が開設――6月7日、群馬県沼田市にある「職人育成塾 利根沼田テクノアカデミー」を視察し、講演を行いました。これは全国で初めての民間運営による短期育成型技能訓練校で、若手職人育成のために、私が国土交通大臣時代に予算化して推進したものです。この日は群馬県建設業協会の青柳剛会長など多数の方々、横山公一沼田市長、外山京太郎川場村長、千明金造片品村長、また地域の方々が集う大変盛り上がった会合となりました。

入校者は全員が宿舎に入り、3か月間のカリキュラムのなかで、現場でのマナー、ハサミやビス打ちなど、建設現場で行う基本的な作業や、足場の上を歩く訓練などを学びます。その後、本訓練として、屋根・外壁などの施工を実践的に学び、現場での即戦力化をめざします。4月からの1期生には、インドネシアやベトナムの若者も加わっており、真剣な姿は感動的でした。視察のなかで、訓練生が点呼、ハサミ訓練、ビス打ち、歩行、屋根伏せ訓練などをするのを見ました。

私は講演で、建設業をはじめ、日本の産業・モノづくりの現場で、若者の人手不足と高齢化が深刻になっている。建設業は災害があった時、真っ先に現場に駆け付けてくれる"町のお医者さん"の役割を担っており、建設業こそが日本の安全のためのインフラである。そのなかで、全国で初めて、「利根沼田テクノアカデミー」が発足したことは画期的であり、この流れが全国に広がって、人材不足・育成や地域の雇用に貢献していくことが期待されることを指摘。そのために、これまで言われてきた3Kから、新しい3K(給料がいい、休暇がある、希望がある)にしていかなくてはならない。大切なのは、若い人が技術を身につけて、建設業界に入って良かった、と思えるようにしていくことだと訴えました。そして、4月開校以来、頑張っている訓練生の皆さんに、「誇りを持って技術を磨いて頑張っていただきたい」と激励をしました。

視察・講演に先立ち、群馬県建設業協会と懇談を行い、建設業界の実情、女性の視点に立った職場環境づくりに努力していること、などについて伺いました。また、群馬県庁で大沢群馬県知事とも懇談をしました。

20160607講演.jpg   20160607群馬県知事.jpg

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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