今まで予想してきた本とは全く違う。
巨大災害有事における復興の道筋を、災害対策基本法、武力攻撃事態法、災害救助法、被災者生活再建支援法、原子力災害対策特別措置法、さらには復興基金の仕組みなどをその定義と成り立ちから説明、どうすれば復旧・復興ができるかを示している。
私自身が携わり成立・改正してきた法律だ。
米国の9・11同時多発テロ、ハリケーン・カトリーナへの政府の対応とともに、林さん自身がかかわってきた阪神・淡路大震災の対応などを検証する。
民間の力の大切さ(民間主導)、常時からのインフラ整備、人口回復政策、復旧でなく産業構造の転換をめざす創造的復興、地域への愛着や未来への希望も含めた総合力のある経済復興の必要性など、阪神・淡路大震災の教訓を導き出す。
そして東日本大震災――。
グリーン・リカバリー、人的資本の回復、アジアの成長を取り込む戦略とそのための港湾をはじめとする公共事業・・・・・・。「大災害は、新しい歴史のスタートだ」として希望のもてる提言をしている。きわめて具体的、教訓的。
太田あきひろです。
来年度から中学校で武道が必修となります。このほど先行実施している中学校の柔道の授業を視察。挨拶から正座、受け身などの基本を見させていただきました。気合いが入っており、心強く思いました。
日本の武道は柔道・剣道・相撲をはじめ万般にわたりますが、いずれも心技体の鍛錬。サッカーや野球のみならず、地域での武道も盛んであるという背景のうえに、教育基本法の「伝統と文化を尊重し・・・・・・」や、今年成立した「スポーツ振興基本法」などの理念に立つものです。
両法律の制定に主体的にかかわった私として、また学生相撲をやった私としては、良い成果をあげることを大いに期待します。気を抜かないで、ケガには十分気を付けて・・・・・・。
小惑星サンプルリターン計画を成功させ、イトカワの貴重な資料を与えてくれるとともに、夢や希望をも与えてくれた「はやぶさ」。
川口さんは、「減点法を止めて、加点法にしよう」「"失敗する"チャンスを与えよう」「迷うくらいなら、どっちでもよい」「背伸びするクセをつけよう」など、24の提言を示す。かなりギリギリの所での腹の決め方、つまらない方法論・枝葉をそぎ落とせ、スタッフが上目遣いでトップの顔色を見るような「ヒラメになるな」、挑戦しない限り未来はこない(悔いを残すな)・・・・・・。
JAXAiが事業仕分けで閉館したが、裾野を削りとったら偉大な業績は達成できない。50年後、100年後の日本を繁栄させるタネを播けと言う。
「その不易なるゆえんを尋ねて」と副題にある。昭和の時代はまさに激動・激変。そのなかで一貫して師父・指南役と仰がれ続けた安岡正篤先生とその教学。精神的主柱ともなっていたその思索と思想を荒井桂氏が全的に述べる。「よくぞ」というような大変な作業だったと思える。感謝。
「古人の跡をもとめず、古人のもとめたる所を求めよ」(南山大師の言、芭蕉が弟子に伝えたという)「どうも読めば読むほど、探れば探る程、自分の考えて居ること、欲すること、何もかも皆万事に古人が道破して居る。可笑しくもあり、癪でもあり、有難くもある。先生畏るべく、後世愛すべし」――安岡先生の息づかいが伝わる思いだ。
帝王学・宰相学(帝範・臣軌の古典を重視)、東洋アフォリズム(筒明が蔵する無限の味わいを尊ぶ)、和魂漢才(外来文化の受容と変容の伝統に立脚)――それぞれの系譜を荒井氏は語る。そして、道元、山鹿素行、熊澤蕃山、佐藤一齋を淵源として示す。勿論、「史記」から「貞観政要」「宋名臣言行録」「菜根譚」・・・・・・。東洋思想の集大成、人間学の結実ではあるが、本書を読むと日本とは、日本人とはと問いかけた時、誇りが浮かびあがってくる。
太田あきひろです。
今、現場を回ると、中小企業も大企業も、今とにかく苦しんでいるのは超円高。TPPもそれ自体の論議以前の問題として野田政権の説明不足と二枚舌が批判されていますが、企業の死活問題、産業の空洞化をもたらす超円高、しかも日本経済停滞のなかでの円高は大問題です。ギリシャ、イタリアなどで顕在化する欧州危機や、米国の経済不安によるものですが、それらは構造的・制度的な問題であるだけに、続くとみなければなりません。
大事なのは政権がもっと危機意識をもつこと、「遅い」「ツーリトル・ツーレイト」だけでなく、「デフレが続いている」「これでは、とてもやっていけない」「為替介入だけでなく、日本の実体経済を落とさないような政策が急務」「産業の枠を超えて革新的な事業に取り組む"産業更新"への支援を」などの経済・産業界の悲鳴をもっと受け止め、支援への断固たる意思を示すことが大切です。
多くの現場の人に会うなかで感ずることは、民主党政権の経済・産業支援の無策に対する絶望感が広がっていること。円高を直視・分析した総合的対策が急務です。
頑張ります。