「盲導犬を待っている人のため、被災された視覚に障がいのある人のために――決して歩みを止めない」――各団体の総会が行われている今、日本盲導犬協会の会合が20日、都内で行われ、顧問として私も参加しました。
視覚障がい者の歩行などを助ける盲導犬、肢体不自由者を手助けする介助犬、聴覚障がい者を助ける聴導犬は、補助犬といわれます。この補助犬を法的に位置づけ、障がい者の自立や社会参加を促し、交通機関や多くの人が出入りする飲食店などで補助犬を受け入れるよう義務付けた「身体障害者補助犬法」が成立して10年。私が公明党代表であった2007年11月には、補助犬を民間職場に同伴できるようにした法改正も行われてきました。
ずっとこのことをリードしてきたのは公明党です。障がい者には大きな力になるものですが、補助犬の飼育及び訓練の現場の努力は大変なものがあります。補助犬に対する全国一律の助成制度の確立や、一段と理解を広げる啓発活動が不可欠です。
頑張らなければと、強く思っています。
東日本大震災のような大きな地殻変動の発生を、なぜとらえられなかったのか。前兆がなぜとらえられなかったのか。震災の予知に対して、国をあげての取り組みを強化すべきではないか。
木村さんはずっと、この地震予知に独自の方法で迫り、主張してきた。木村メソッドの地震予知だ。
「地震空白域」「地震の目」「地震の発生メカニズム」だ。そして「地震と火山の噴火は密接に関係している」と言っている。本書でも「最も警戒すべきは首都圏北東部、つまり千葉県北東部とその沖合いで、2012±3年(M6.7)」と指摘する。そして「地震の目がないから東海地震はこない」「東海地震がこなければこないほど、プレートのプレッシャーがマグマ溜まりにかかるから、富士山が噴火する可能性は高い」という。
地震の観測にとどまる地震調査研究ではなく、予知・予測に挑戦せよ。地震学も火山学も地質学も、全てを総動員して地震の予知に挑戦せよという木村さんの叫びは大事だ。
生活保護の受給者が昨年11月、205万人に及び、この3年間で40万人増えて、過去最高となった。しかもその支給額3兆3000億円。2009年2月までは、65歳以上の高齢者、病気や精神疾患のある人、母子家庭に限られており、厳しい運用だったが、2009年3月18日の厚労省通達で、「働く世代」を生活保護に受け入れることを実質的に認めた。この通知が転機となったという。働ける世代が、大量に生活保護になだれ込んだ。
転職しようとしても何度も何度もハネられる。就職しても過酷で、自信も喪失する。無気力になる。生活保護を受ける。しかもそこに貧困ビジネスが突け込む。受給者は就労意欲をますますなくす。生活そのものが乱れていく。生活保護から抜け出せない。抜け出そうとしない。
大阪市と貧困ビジネス業の戦いが生々しく語られる。第二のセーフティーネットの柱、「訓練・生活支援給付」が就労に結びつかない。もう一つの柱、「総合支援賃金貸付」は返済できなくなる。回収は進まない。加えてこうしたこと自体が、貧困ビジネス業者の新たな標的になる。
現実には貧困層の3分の1しか受給していない生活保護。自立するインセンティブをより制度の中に抜本的に組み入れなければならない(鈴木旦氏は「保護を打ち切る期限を設ける」「ある種の蓄財を認め凍結預金口座をつくる」「最低賃金の引き下げで職を確保する」などと述べる)。矛盾は誰しも指摘するが、現場の実態を知らなければ、対応はできないことは確かだ。
法学者と経済学者が、それぞれの立場からの論理を交え、その協働を通じて雇用の世界のメカニズムを探究する。しかもさまざまな形態の非正社員がふえ、雇用の流動性が顕著な時代での、雇用に対する論理を模索している。きわめて有意義な本。
提起される問題は「解雇規制と内定取消し」「最低賃金と貧困対策」「労働者とは」「情報の非対称性と労働者保護規制」「解雇と試用期間」「労働条件変更」「労働時間」「男女間の賃金・待遇格差」「職業訓練」「障害者雇用」「高齢者雇用」「服務規律」「労働組合」・・・。
身近な物語が各章の冒頭にあり、きわめて現実的・具体的な問題が提起され、法学と経済学から考え方の論理が詰められる。
動く教科書のようで、これほどわかりやすくまとめるには相当の努力があったと感じられる。
