3年で辞めた若者はどこへ行ったのか.jpg昭和的価値観が20項目列記されている。その昭和的価値観に、皆とらわているが、時代は変わっており、若者に平成的価値観をもって生きよと呼びかけている。そのキーワードは多様化。
人の生き方は違う。競争してバリバリ働くことを望む人もおり、かたやボチボチ働いて、そこそこの暮らしを楽しむ人もよし。しかし、少なくとも、現在の日本社会が、若者にとって苦しいものとなっている(それは前著の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」で明らか)ことは事実だ。

その雇用の最大の問題は、非正規雇用などが、既得権益をもつ先行世代によって、企業の生き残りということから若者などにシワ寄せされるということにある。しかもそれは野党などのうらみ節、単純な切り文ではなく、新たな成長を生むシステムへどう切り替えていくかという視点に立てと城さんはいう。

学歴偏重、大企業、終身雇用の一本線の昭和的価値から多様な生き方の平成的価値観へと社会が変わっていることをしっかり見すえ、21世紀の新しい日本の成長と成熟と改革を成しとげることをスタートせよと城さんは指摘している。

現状維持では日本の、そして若者の、未来はない。


貧困大国アメリカ.jpg新自由主義政策、経済重視型の民主主義、市場原理主義。
こうした米国の政策が、中流を急速度に貧困層へ転落させ、貧困層を最貧困層へ突き落としていく。
それらを、「貧困が肥満国民を生む」「民営化の極端な進展が、FEMAまでもつぶし(格下げ)、ハリケーン・カトリーナのニューオリンズの悲劇を生む」

「学校の民営化(チャータースクール)は立派な先進モデルではない」「病気になれば、たちまち貧困層に転落する世界一高い医療費、そして日帰り出産妊婦や医療過誤の多発」「戦争が派遣ビジネスとなっており、日本人も米州兵となっていること」「その徴兵自体が貧困層や貧困高校生、カード地獄に陥った学生たちをターゲットにしていること」などのルポを通じて明らかにしている。

読む時にずっと、日本のことを考えながら読んだ。


5月5日、赤羽駅頭で街頭演説を行いました。

5月1日には、新宿駅頭で街頭演説。
前日の道路関係諸税など歳入法案の2/3の議決をしたばかりで、「道路」の話とともに「家計を元気に、国に勢いを。それには若者と60代以上の人と女性が活躍できる雇用を」「憲法に対する公明党の姿勢は加憲。それにしても憲法審査会が法律で決まっているのに、民主党の抵抗で行われていない」「環境は最も大事。日本が地球環境問題のリーダーシップを取る時だ。公明党青年局が7月7日をクールアース・デーにしようと頑張っている」「子育て支援の具体策が大事で、公明党は頑張る」などの話をしました。

この日、5日は「こどもの日」。現在、子どもの人数(15才以下)は1725万人で、21年連続で過去最低を記録しています。子どもの数の減少は27年連続で低下し、世界からみてもきわめて低水準の比率となっています。この少子化が日本の未来にどれだけ決定的な衝撃を与えるか。団塊ジュニアが30代前後の今、対策を講じないと間に合いません。坂道をころがり始めたら止まりません。公明党が児童手当、出産育児一時金などの「子育て支援策」、そしてもう一つ、ワーク・ライフ・バランスをめざしての「働き方の改革」に力をいれているのは、そこが最も大事なことであるからです。
 
「政治が構造改革というより、世の中の方が先に構造変化をしている。この構造変化に対応するのが政治だ」と私は言い続けています。まさに(1)グローバリゼーション(2)少子高齢化(3)環境の制約(地球環境問題)――という3つの大きな構造変化が起きています。原油や穀物の高騰も、長寿医療制度の問題もサミットの中心課題が地球温暖化対策であるという問題も、全てこの構造変化です。

日本人の意識はどうも旧態依然として変わっていないのが問題ですが、未来を凝視して今を考えないと、日本は沈みゆく国になってしまいます。私が「家計を元気に、国に勢いを」というのは、そうしたことからです。

日本を内向きの、沈みゆく国にしてはなりません。


政治と秋刀魚.jpg日本と暮らして45年、この本には日本を愛し、日本を心配してくれているカーティス先生の温かい心があふれている。ごく自然に、そして良識をもって、現場から、そして、日本を米や世界から客観視しているカーティス先生は、95年から2015年までが日本を変える最重要の「20年のデケード」であり、今の日本は自信を失いすぎている。日本文化には粘り強さと日本人の順応性と対応能力があり、ダイナミズムがあるんだから、良い方向にもっていけるとエールを送ってくれている。

そのためには「有権者を説得する『説得する政治』が大事」「非タテ社会の様相が強まり、自慢したり、カネを重視したりする人が多くなり、謙虚な美徳がこわれ始めている」「平等社会から競争社会、実力主義社会となる大きな変化があり、公平の価値が重要となる」「しかし、日本はまだ勤勉であり、前向きという強さがある」「日本社会は今も美しい」「今、日本政治のなかにあった政治家と官僚、官邸と自民党、自民党と野党の間の"非公式な調整メカニズム"がこわれてきた。

働かなくなっている」「マナーからルールへ」「政策通より政治通に」――公明党についても、そうしたことをチェックし、バランスをとり、政策をうながす役割を期待していると感じた。


医療崩壊 医師の主張.jpg日本医師会の唐澤会長が、今、せっぱつまった気持ちを、きわめて冷静に書いている。医師不足と地域格差。過酷な週77.3時間労働の20代勤務医。新医師臨床研修制度の問題。医療費の抑制と刑事訴追への不安と医師の萎縮。総医療費を10%上げよ。看護師の不足。
唐澤さんは心技体のなかでもとくに心が大切であり、心でものを見て考える医師を育てたいと語る。
この一年、医療問題に取り組んできた私は、全く同感。そして本当に打開しなければならない。 

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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