活動ニュースNEWS

新型コロナワクチン

2021年7月27日

接種拡大が状況変える

国立感染症研究所・鈴木基感染症疫学センター長

 国内における新型コロナウイルスのワクチン接種は今月20日で2回接種を受けた人が2938万人に上り、全人口の2割を超えた。65歳以上の高齢者に限れば6割超となる。厚生労働省の調査では、ワクチンを2回接種した高齢者の感染者数(人口10万人当たり)は未接種の高齢者に比べ、10分の1以下に抑えられている。ワクチンの接種効果について、厚労省の助言組織「アドバイザリーボード」に参加する国立感染症研究所感染症疫学センター長の鈴木基氏に聞いた。

ワクチン接種回数.jpg

■高齢者の感染割合激減、東京都では20%→4.9%

 ――現在の感染状況について。

 感染者数の増加に伴い、今月12日から4回目となる東京都への緊急事態宣言が発令され、沖縄県では宣言が延長された。埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、まん延防止等重点措置の適用が延長されている。

 傾向としては、20~30代の若い世代、また40~50代の活動量の多い世代の感染者が大幅に増えている。

 40~50代では、重症者数の増加も深刻だ。インド型の変異株(デルタ株)が重症化の要因だとの議論もあるが、海外などのデータを見ても明確には言い切れない。基本的には、感染者の増加に伴い、一定数が重症化しているということだ。

 ――ワクチン接種の効果は。

 今、全体の感染者数に占める65歳以上の割合は去年の夏以降で最も低い。感染者が多い東京都を見ると、新規感染者のうち高齢者の割合が今年3月頃には20%以上だったが、直近のデータ(7月7日)では4・9%まで下がっている。高齢者へのワクチン接種が要因であることは間違いない。

 日本で最も接種されているファイザー社製のワクチンは、臨床試験やワクチン接種が進むイスラエルの研究などで発症や重症化を防ぐ効果が90~95%あるとの結果が出ている。国内でも検証を進めているが、ワクチンの先行接種を受けた医療従事者110万人を対象にした大規模調査では、おおむね臨床試験やイスラエルのデータと同等の予防効果があることが分かっている。

■変異株でも効果劣らず

 ――変異株でワクチンの効果が弱まるとの懸念があるが。

 7月中旬時点で、陽性例に占めるデルタ株の割合は関東で6割、関西では2割と推定される。そうした中で、接種が進む高齢者や医療従事者への感染が抑えられているということは、変異株への効果も大きく劣るものではないことを示す。

 ワクチンの効果は100%ではないので、感染する人は一定程度いるが、重症化のリスクは明らかに下がっている。

■引き続き感染対策徹底を

 ――接種が進めば、以前の生活に戻ることができるか。

 接種が進む国の状況などを見ていると、ワクチンを全員に打てば元の生活に戻るという単純な話ではないと感じる。社会経済活動が活発になることで、感染率は低くても一定数が感染し、重症化している。また、ワクチンを接種した人が感染すると、ワクチンが効きにくい新たな変異株が出てくる可能性などもある。

 一方で、ワクチンが登場したことで、現在のような社会経済活動が著しく制約される状況からは、出口が見えてきた。国内での接種開始から、現場の人々の努力もあり、前例のないスピードで接種が進んでいる。今後もしっかりと広げていくことが、現在の状況を変えることになる。

 ――接種後に気を付けることは。

 ワクチンの効果として、自分の感染だけでなく他人にうつす「二次感染」のリスクも低くなることは確かだ。ただ、個人としてワクチンを打っていても、日本国内の接種率はまだ高くない。現在の感染状況も踏まえると当面はワクチンを打っても、マスクや消毒、密を避けるなどの基本的な感染対策は必要だ。

 大規模な調査ではないが、飲酒を伴う会食を2週間以内に2回以上した場合、会食を0~1回する場合よりも、5倍近く新型コロナウイルスに感染しやすくなるという調査結果もある。感染の危険因子を改めて認識し、対策を徹底してほしい。


 すずき・もとい 東北大学医学部卒。医学博士。長崎大学大学院客員教授。国立感染症研究所感染症疫学センター長として厚労省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに参加。 

通学路の安全確保へ

2021年7月20日

危険箇所の点検・周知が必要
岡本氏ら自公で東京・北区に緊急要望

千葉県八街市.jpg千葉県八街市で下校中の児童が死傷したトラック事故を受け、公明党の岡本みつなり衆院議員は19日、東京都の北区役所で自民党の高木啓衆院議員らと共に花川与惣太区長に会い、通学路の安全確保に関する緊急要望を行った。自民、公明両党の都議、区議が同席した。

席上、岡本氏らは各学校の危険箇所を区が把握した上で、区教育委員会や警察など関係者による点検を実施し、道路管理者らに安全対策を要請すべきだと強調。対策実施に向けて住民の理解を得るとともに、危険箇所に関する住民らの認識が高まるよう、区の広報やホームページでの周知を求めた。

花川区長は「必要な対策を早急に進める」と答えた。

政治学習のために

2021年7月17日

コロナと公明党の闘い

■海外製ワクチン確保で道を開く

 新型コロナウイルスのワクチン確保に向けて世界がシノギを削りはじめた昨年夏、日本では政府内で海外製ワクチン確保に関する意思決定がなされておらず、必要な予算も明確に決められていませんでした。そのため、海外製薬メーカーとの交渉で出遅れていました。

 そこで公明党は昨年7月、国会質問で海外製ワクチンを確保するための予算措置を強く要求。政府が初めて「予備費の活用」も含めて対応すると表明しました。これを契機に、財源確保の見通しが立ったことで交渉が一気に進展し、米ファイザー、モデルナなど3社と計3億6400万回(1億8200万人)分の供給契約に至りました。

 また、来年分として2億回分の供給契約に向けた協議も進んでいます。

■健康被害の救済制度、無料接種

 接種後に健康被害が出た際に国の責任で補償を行う救済制度や、無料接種を実現したのも公明党です。昨年7月の国会質問で公明党は、接種後の健康被害に国が責任を持つ救済制度の創設を訴え、政府は検討する方針を表明。同9月には接種費用を国が全額賄うよう政府へ提案しました。

 公明党の強い主張により同12月に、救済制度の創設が盛り込まれ、無料接種を法的に位置付ける改正予防接種法が成立。今年1月には、無料接種の必要経費が盛り込まれた2020年度第3次補正予算が成立しました。

 日本で使われているワクチンのほとんどは有料ですが、コロナワクチンは無料で接種できるようになりました。公明党は、来年以降の無料接種もめざします。

■途上国の支援で先導的役割果たす

 世界的な感染拡大を収束させるには、途上国へのワクチン供給が欠かせません。そこで公明党は、途上国にもワクチンを供給する国際的な枠組み「COVAXファシリティー」への参加を政府に提案。この訴えを受け日本が昨年9月、先進国でいち早く参加を表明したことで、約190カ国・地域に参加が広がりました。COVAXへの拠出額で、日本は米国に次ぐ10億ドルとなるなど、途上国への供給支援で国際社会をリードしています。

 途上国へのワクチン接種支援を推進してきたビル・ゲイツ氏(米マイクロソフト社の創業者)は今年6月9日付で、山口代表に「貴党が極めて重要な役割を担っていただきましたこと、心より御礼申し上げます」との感謝状を寄せています。

■1日100万回接種の経済効果は6兆円

 1日当たりのワクチン接種回数は、6月中旬に100万回を超えるなど着実に進んでいます。「みずほリサーチ&テクノロジーズ」の試算によると、この接種ペースを維持できれば、日本経済が正常化する時期が前倒しされ、今年度の国内総生産(GDP)を1%程度押し上げ、約6兆円の経済効果を生むとしています。

■議員の連携で円滑接種後押し

 ワクチンの円滑な接種へ公明党は、国会・地方議員のネットワークを生かして、1287市区町村から課題を把握。党内で自治体の好事例を共有し、接種会場の確保など各地の体制整備を推進してきました。65歳以上の高齢者で1回目が接種済みの人は約8割、2回接種済みの人も5割を超え、接種の加速化に貢献しています。

■65回の政府提言で雇用、暮らし守る

 公明党は昨年2月以降、政府に対し計65回(16日現在、与党の提言含む)に上る提言・申し入れを行い、コロナ禍で影響を受けた人の雇用や暮らしを守る支援策をリードしてきました。一律10万円給付をはじめ、休業手当を支払う企業を支援する「雇用調整助成金の特例措置」の9月末までの延長や、所得が低いひとり親世帯への臨時特別給付金などを進めてきました。

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■グリーン、デジタル化で成長

■感染症に強い日本

 公明党は国民の生命と健康を守るため、感染収束の切り札となる国産ワクチン・治療薬の迅速な開発・実用化を国家戦略とし早期実現を図ります。病床や医療従事者の確保などをいち早く行える体制を築きます。

■経済のV字回復へ景気刺激策を実行

 コロナ禍で打撃を受けた中小・小規模事業者の事業再興を補助金給付や税制支援で後押しします。感染収束を前提に、観光・飲食産業を応援する支援を行うとともに、賃上げなど所得拡大に取り組み、経済のV字回復へ力強い景気刺激策を実行します。また、世界的に進む脱炭素社会をめざすグリーン化、デジタル化への社会変革の取り組みを経済成長や雇用拡大につなげていきます。脱炭素化の経済・雇用効果は2030年に約140兆円、約870万人に拡大すると言われています。

 政府は、50年までに二酸化炭素など温室効果ガスの排出を実質ゼロにする方針です。これは公明党が昨年の国会質問や菅政権発足時の連立政権合意を巡る議論で強く訴え、グリーン化の流れをリードしたものです。官民のデジタル化も、迅速なオンライン手続きの実現など、強固な基盤づくりを進めていきます。

■つながり支えあう社会

■社会的孤立を防ぐ対策強化

 社会的に孤立している人は1000万人を超えると推計されており、コロナ禍で一層深刻化しています。 公明党はそうした人に光を当てるため、党内に対策本部を設け、有識者や民間支援団体からヒアリングを行い、孤立の実態など1000件以上の聞き取り調査を実施。自殺防止など24時間相談窓口の充実を図るとともに、生活困窮者への居住支援や、ひきこもりの人への社会参加支援、非正規雇用労働者などへの求職者支援制度を拡充します。

 また、女性の悩みに向き合い、人権を守る施策に力を注ぎます。具体的には、女性特有の悩みやリスクに対応するオンライン相談や生理休暇制度の促進。また、人権を守る観点から選択的夫婦別姓制度の導入、LGBTなど性的少数者への理解を進める法整備にも取り組みます。

■高齢者らの移動支援拡充

 高齢者らに対しては、乗り合いのデマンドタクシーなど移動支援を拡充。デジタル技術を活用し、申請なしで情報が届くプッシュ型サービスの実現を図るほか、機器の使い方を教える「デジタル活用支援員」を小学校区単位で配置し、「スマホ教室」を開催します。

■子育て・教育を国家戦略に

■「子どもの幸せ」最優先で政策実現

 公明党は結党以来、義務教育の教科書無償配布や、児童手当の創設・拡充などを実現してきました。

 2006年には「少子社会トータルプラン」を策定し、不妊治療の支援拡充や給付型奨学金の創設、幼児教育・保育の無償化など、多くの施策を着実に具体化してきました。

■子育てを応援する「新プラン」を策定

 少子化がさらに進む中、児童虐待やいじめ、不登校など、子どもと家庭を巡る課題が深刻化しています。人材を育成することが国家戦略として、政治の中心に据えることが大切です。公明党は、結婚、出産・育児、幼児から高等教育までの支援を充実させる、「子育て応援トータルプラン」を新たに策定します。

 具体的には、出産育児一時金の増額や産後うつを防ぐために「産後ケア」を全国展開するとともに、家事・育児サービスを利用できる環境を整備します。さらに、「子ども家庭庁」の創設や子どもコミッショナーの設置も掲げています。

 誰もが安心して、子どもを産み育て、十分な教育が受けられる社会を構築していきます。

■地方で活躍する若者へ奨学金返還支援

 若者の生活に奨学金の返済が重くのしかかっている現状を踏まえ、地方で活躍する若者に対して自治体や企業が奨学金の返済を最大で全額肩代わりする「奨学金返還支援」の仕組みを全国に拡充することをめざします。

 地方創生の観点から、地方の企業に就職し、その地域に定住した若者らの奨学金返還を支援する事業は昨年度、32府県、423市町村で実施されています。

■災害に強い防災大国めざす

■激甚化・頻発化する風水害に備え

 近年、各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が相次いでいます。近い将来起こり得る首都直下地震への備えも急務です。公明党は「防災・減災を政治、社会の主流に」を掲げ、2018年度から3年間にわたって、河川堤防のかさ上げやハザードマップ(災害予測地図)の周知徹底など、ハード・ソフト両面にわたる緊急対策を進めてきました。

■5年間で15兆円の加速化対策を実施

 昨年は、緊急対策の拡充・継続を訴える公明党の強い主張が実り、政府の「骨太の方針」に、中長期的な視野に立って計画的に防災・減災対策に取り組むことが明記されました。その結果、21年度から5年間で、総事業費15兆円の加速化対策が決まり、自治体や企業、住民らが連携して水害対策に取り組む「流域治水」をはじめとする風水害への備えや、インフラの老朽化対策などが重点的に進められています。

 コロナ下でも災害は待ってくれません。災害に強い防災大国・日本の構築をめざし、公明党は、国と地方の議員が連携して、対策をさらに加速させていきます。

■「清潔な政治」リード

 政策を実行するには、政治に対する国民からの信頼が大前提です。それだけに「政治とカネ」を巡る問題は国民を欺く行為であり、断じて許されません。

 公明党は一貫して政治腐敗と闘い、政治家個人に対する企業・団体献金を禁止する法改正や、政治家や秘書らが、あっせん行為による報酬を得ることを禁じる「あっせん利得処罰法」を成立させるなど、「清潔な政治」の実現をリードしてきました。

 一昨年の選挙違反事件では、当選無効の国会議員が辞職するまでの間、歳費が支払われ続けていた問題が浮上。公明党は、公職選挙法違反の罪で当選無効となった議員の歳費返納を義務付ける法改正の早期実現に取り組みます。また、コロナ禍で苦しむ国民に寄り添い続けるため、「身を切る改革」として公明党が主導して実現した議員歳費の2割削減を継続していきます。

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携帯電話料金

2021年7月16日

各社の新料金プラン提供で 
6割超の値下げも(データ容量月20ギガバイト) 
年間総額 4300億円の負担減20210716_2.jpg

公明党が一貫して取り組んできた携帯電話料金の引き下げが一層前進!――。携帯電話サービス各社が2月以降に始めた割安な新料金プランの導入によって、利用者の負担軽減額が総額で年間約4300億円に上ることが総務省の調べで明らかになった。1台当たり「単純平均で月2200円超の負担減」(日経新聞)になるという。

同省によると、携帯電話契約数約1億4700万件の約1割に当たる約1570万件(5月末現在)が新料金プランに移行。加えて、同省が行った利用者アンケートでは、「今後乗り換えたい」「乗り換えたいが乗り換え先は検討中」と答えた人が合わせて27.5%に達していることから、武田良太総務相は「今後、負担軽減額は年間約1兆円になる」との見通しを示している。

世界6都市 東京、2番目に安く

国際的に見ても、割高だった日本の携帯料金の水準は大きく低下。世界主要6都市(東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウル)で最も高い水準だった東京の携帯料金は今年3月、2番目に安い水準になった。シェア1位の事業者が提供するプラン(データ通信容量が月20ギガバイト)で東京は、ロンドンの3倍以上の月8175円(昨年3月時点)だったが、2973円へ6割超も安くなった。

緊急提言が弾み

公明党は、生活に欠かせない携帯電話の料金の引き下げについて、20年以上にわたって一貫して推進してきた。昨年10月には、国民が納得する携帯料金やサービスを実現するため、携帯各社の公正な競争を促す環境整備を求める緊急提言を政府に提出。これを反映した「アクション・プラン(行動計画)」を総務省が発表したことで、携帯各社による割安な新料金プランの提供開始に弾みがついた。

気象庁が先月17日から運用スタート

2021年7月14日

線状降水帯の情報を発信
豪雨見据え、早めの避難促す

kisyoutyou.jpg気象庁は先月17日から、線状降水帯の発生を伝える「顕著な大雨に関する情報」の運用を開始した。土砂崩れや洪水の要因となる線状降水帯を"見える化"することで、事前の備えや避難行動につなげるのが狙いだ。気象庁の「防災気象情報の伝え方に関する検討会」で委員を務めた東京大学大学院の片田敏孝特任教授のインタビューも交え、豪雨災害への備えを考える。

■降水量、3時間100ミリ以上などで発表

同情報は、「3時間の積算降水量が100ミリ以上で面積が500平方キロメートル以上」「土砂災害警戒情報、または洪水の警報基準(警戒レベル4相当)を超過」など、線状降水帯の発生によって幾つかの基準を満たした場合に都道府県単位で発表される。

線状降水帯は、2017年の九州北部豪雨や18年の西日本豪雨など、近年の豪雨災害の要因となってきた。発生情報をキャッチすることができれば、早めの避難行動や備えにつながる可能性がある。

同情報では、災害の危険度が急激に高まっていることを呼び掛けるとともに、実際の雨域については、気象庁ホームページの降水ナウキャスト(雨雲の動き)から確認できる。先月17日の運用開始後、活発な梅雨前線の影響により同29日に沖縄県で初めて発表され、すでに5都県で発表された。

これまで豪雨の際に発表されてきた「記録的短時間大雨情報」は"1時間で100ミリ"など短時間の数値だったが、線状降水帯情報は数時間の降水量などから判断する。気象庁によると、過去数年のデータでは、今回定められた線状降水帯情報の発表基準を満たすケースの約6割で記録的短時間大雨情報が発表されていなかった。

■熊本豪雨で氾濫の3時間半前に線状降水帯が発生

ちなみに死者67人、行方不明者2人を出した昨年7月の熊本豪雨では、線状降水帯が長時間停滞し、球磨川が氾濫する3時間半前には、同情報の発表基準を満たしていた。自治体の避難指示や記録的短時間大雨情報よりも早かったことになる【図参照】。

熊本県人吉市に住み、豪雨で自宅が浸水するなどの被害を受けた白石一夫さん(84)は、線状降水帯が発生していた深夜から「いつもとは違う、異様な雨だ」と感じていた。

球磨川の氾濫後、家屋が浸水し、2階へ避難しているところを救助された。白石さんは、「今振り返れば、あれが線状降水帯かと思う。今後は、発表される情報などを参考に、早めの避難を心掛けたい」と語る。

■公明、予測精度の向上を政府に訴え

「発生情報は第一歩。実況から予測への転換をめざしていく」(気象庁の担当者)と話すとおり、防災・減災の観点から今後は予測精度の向上が不可欠だ。

政府の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」には、25年度に向け、線状降水帯の発生情報を「半日前」から提供できるよう、技術開発に取り組むことなどが盛り込まれている。

土石流による行方不明者の捜索が続く静岡県熱海市を12日に視察した菅義偉首相は、「(線状降水帯については)解明されていない部分がたくさんある」と述べ、メカニズムの解明や研究開発を前倒しで進める意向を示した。

公明党は、新たな防災・減災・復興政策検討委員会(委員長=石井啓一幹事長)を中心に、予測精度の向上を訴えてきた。昨年10月の参院代表質問では、山口那津男代表が「早期避難に直結する線状降水帯の観測・予測技術の向上は喫緊の課題」だと指摘し、政府に対策を求めていた。

■危険な災害、「共助」も重要に/東京大学大学院 片田敏孝特任教授

線状降水帯が危険な災害につながるということが社会に浸透する中で、避難行動の促進要因として、発生情報を発信することは非常に意義がある。

近年の災害は激甚化し、兆候が見えないものも多い。自治体による避難情報だけでなく、線状降水帯などの気象情報を生かして、適切な避難行動をとることが大事だ。その際、ハザードマップ(災害予測地図)を確認し、土砂災害や河川氾濫の危険性を見極めておくことや、地方で導入されている「防災隣組」のように、近隣数軒で避難するルールを事前に決めておく共助の取り組みなども重要だ。

一方で、土石流に見舞われた静岡県熱海市の例では、1時間の雨量は最大27ミリにとどまったため、線状降水帯や記録的短時間大雨情報などは発表されていない。情報を過信しすぎることなく、早め早めの避難を心掛けてほしい。

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