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22年度予算案 閣議決定
「成長・分配」に重点
コロナ対策機動的に 総額107兆5964億円
政府は24日午前の閣議で、2022年度予算案を決定した。一般会計総額は過去最大の107兆5964億円。長期化する新型コロナウイルス禍の対策のほか、「成長と分配の好循環」をめざし、デジタルやグリーンなど新たな成長を加速させるとともに、賃上げなど分配政策に重点的に配分し、日本再生を後押しする。政府は来年1月に召集される予定の通常国会に予算案を提出し、年度内成立をめざす。
同予算案について、政府は21年度補正予算と一体の「16カ月予算」として編成、公明党の主張が反映された経済対策を裏付ける。歳出面は、全体の3割超を占める社会保障費が36兆2735億円と過去最高を更新。高齢化などに伴う社会保障費の自然増加額は、本来見込まれる6600億円から4400億円に抑制した。
過去最高の税収65兆円
歳入面では、税収が65兆2350億円と過去最高を見込む。企業業績の回復を背景に法人税や所得税などが伸び、新規国債発行額は2年ぶりに減少した。
同予算案の主な内容としては、新型コロナ感染"第6波"に備え、対策を機動的に実行するため5兆円の予備費を計上。ワクチン・治療薬の研究開発や医療提供体制拡充のための費用も盛り込んだ。
デジタル、グリーン加速へ自治体向けに交付金
デジタル社会の推進に向けては、光ファイバーや高速大容量通信規格「5G」の基地局整備など、地方のデジタル基盤整備を加速させる。高齢者らデジタルに不慣れな人を支援するため、「デジタル推進委員」を全国展開する。このほか、デジタルなど成長分野を支える人材育成や非正規労働者のキャリアアップ支援に1019億円を充てた。脱炭素化をめざし、水素・アンモニア技術の開発や導入支援に994億円を計上。脱炭素化に取り組む自治体を支援する新たな交付金として200億円を盛り込んだ。
分配政策の一環として、看護や介護、保育・幼児教育の現場で働く人の賃上げに588億円を充てた。政府は診療報酬などによる対応を通じ給与を3%を引き上げる方針だ。
一方、児童虐待防止対策などに1639億円を計上。子ども食堂などを展開する民間団体と連携し、地域の見守り体制を強化する。家族の介護や世話を担う18歳未満の子ども「ヤングケアラー」への支援策も拡充。小学校高学年で専門性の高い教科を教える「教科担任制」の推進などで、教職員定数を約1000人増員する。千葉県八街市で児童が死傷した事故を受けた合同点検を踏まえ、歩道やガードレールの整備など自治体の安全対策を補助する制度の創設に500億円を計上した。
政府、78.9兆円の経済対策を決定/コロナ克服し成長軌道へ
厳しい事業、暮らし支援
ワクチン3回目接種無料も
■18歳以下に10万円相当を給付
政府は19日夕、臨時閣議を開き、新型コロナウイルスの影響長期化などに対応する新たな経済対策を決定した。公明党が先の衆院選で強力に訴え、11月8日に政府へ提言した内容が随所に反映された。18歳以下や生活困窮者への給付、事業者に対する支援策のほか、ワクチンの3回目接種の無料化、マイナンバーカードの新規取得者や保有者に最大2万円分のポイント付与などが盛り込まれた。
経済対策は▽コロナ感染症の拡大防止▽社会経済活動の再開▽「新しい資本主義」の起動▽防災・減災、国土強靱化など安全・安心の確保――の4本柱で構成。国・地方の歳出と財政投融資を合わせた財政支出は過去最大の55・7兆円で、民間支出などを含む事業規模は78・9兆円に上る。財源の裏付けとなる2021年度補正予算案と22年度予算案を合わせた「16カ月予算」として一体的に編成する。閣議決定に先立ち、政府は19日午前、首相官邸で政府・与党政策懇談会を開催。岸田文雄首相は今回の対策について「国民に安心と希望を届ける十分な内容と規模だ」と説明した。
懇談会終了後、公明党の山口那津男代表は、新型コロナの感染"第6波"への備えとともに「分配と成長の好循環に重きを置いた施策が盛り込まれている」と述べ、予算の早期成立、執行に全力を尽くす考えを示した。
対策の主な内容は、新型コロナの拡大防止対策として、医療提供体制の拡充のほか、ワクチンの3回目接種の無料化を盛り込んだ。
暮らしを支える生活支援では、コロナ禍の長期化で影響が広がる中、18歳以下(高校3年生まで)を対象に、1人当たり10万円相当の給付を行う。現金5万円を年内に、子育て関連に使途を限定したクーポン5万円分を来春までに支給。夫婦のどちらかの年収が960万円以上の世帯(夫婦と子ども2人の場合)は給付対象から除く。住民税非課税世帯や生活に困窮する学生にも10万円を支給する。
事業者支援では、売り上げが減少した中小事業者に最大250万円を支給。原油高に伴うガソリンなどの燃料価格高騰対策として、卸売価格抑制の手当てなど小売価格の急騰を抑える時限的措置などを講じる。
マイナンバーカードの普及と消費喚起に向け、1人当たり最大2万円分のマイナポイントを付与。分配戦略の一環として、看護、介護、保育、幼児教育分野での賃上げも盛り込んだ。
社会経済活動の再開では、「Go Toキャンペーン」など新たな需要喚起策について、ワクチン接種証明などを活用し、より安全・安心を確保した制度に見直した上で実施。感染症など今後の危機に備え、国産ワクチン研究開発や生産体制の整備も進める。
安全・安心の確保では、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、予防保全を前提とした老朽化対策に着実に取り組む。また、8月の海底火山噴火に伴う軽石漂着による被害への対応など、災害からの復旧に向けた支援も行う。このほか、コロナ対策予備費として22年度に5兆円確保する。
日本のコロナワクチン接種/2回完了率、G7トップ
感染状況は全国で低水準に
公明、加速・円滑化を推進
国内で新型コロナウイルスワクチンの2回接種を完了した人の割合が全人口の75%を超え、2回接種完了率が先進7カ国(G7)で1位になったことが分かった。高齢者の優先接種が始まった今年4月の時点では最下位だったが、政府・自治体、医療関係者らの懸命な取り組みで接種が加速。公明党も全国で接種事業の円滑化を推進してきた。接種率の向上に伴い、新規感染者数は低い水準で推移し、重症者数や死亡者数も減少が続いている。
■全人口の75%突破
英オックスフォード大研究者らのデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、国連人口推計を用いた各国比較で、日本は14日時点の2回接種率が75・5%となり、それまでG7で1位だったカナダ(75・3%)を抜いた。
一方、首相官邸のホームページによると、17日公表分の2回接種完了者は9575万6069人で、住民基本台帳を基に算出した接種率は75・6%。少なくとも1回接種した人は9935万5843人(78・5%)となり、全人口の8割に迫りつつある。65歳以上の高齢者では、2回接種率は91・2%に上っている。
ワクチンは新型コロナ感染症の発症や重症化を防ぎ、感染拡大の抑制に貢献してきた。厚生労働省の資料によると、接種歴別に10万人当たりの新規陽性者数(10月11~17日)を見た場合、未接種では7・0人だったが、2回接種では0・9人にとどまった。
今月9日には、新型コロナ対策を助言する厚労省の専門家組織が、感染状況について「多くの市民や事業者の感染対策への協力や、ワクチン接種率の向上などにより、11月以降も全国的に新規感染者数の減少が続き、非常に低い水準となっている」との見解を示している。
ワクチン接種が先行した海外では、接種率が6割を超えると伸び悩む「7割の壁」に直面する国もある。日本は欧米に比べて接種状況が遅れていたが、公明党の国会・地方議員が一体となり、現場の声を聴きながら、各地で接種事業の円滑化を推進。大規模接種会場の開設や打ち手の確保、接種会場までの移動が困難な高齢者の送迎などを後押ししてきた。
政府は、今月中に希望する人への2回接種をおおむね完了する見込みだ。12月からは、ワクチンの効果を持続させるための3回目の接種を開始する。公明党の提案を受け、接種費用はこれまでと同様、無料となる。
年収960万円未満に給付で合意/18歳以下へ10万円相当
児童手当の仕組み活用し迅速に
自公党首が会談
■新マイナポイント、段階的に最大2万円
自公党首は、10万円相当の給付対象について、年収960万円の所得制限を設けている児童手当の仕組みを活用し、年内に現金5万円を迅速に支給することを確認。残りの5万円については、来春の卒業・入学シーズンに向けて原則クーポンとして配布することも申し合わせた。
両親と子ども2人の4人世帯で年収が960万円以上の場合、給付対象から外れる。共働きの場合は、夫婦の「収入の高い方」で判断されることになる。
新たなマイナポイントについて自公党首は、①マイナンバーカードを新たに取得した人に最大5000円相当②カードを健康保険証として利用登録を行った人に7500円相当③預貯金などの口座の登録を行った人に7500円相当――のポイント付与で一致した。
会談後、山口代表は記者団に対し、「給付の宛先となる口座が届けられている児童手当の仕組みを活用すれば、スピーディーな給付ができる」と力説。
新マイナポイントについては、自公協議で自民党が各段階のポイント付与額を5000円相当と提案していたものの、「ポイントを付与し、消費喚起につなげるという公明党の基本的な考え方を訴えて合意を図った」と説明した。