灰の劇場.jpg27年前の1994年4月29日、東京・奥多摩町の北氷川橋で女性2人が身を投げ、死亡する。大田区のマンションで同居していた私大時代の同級生だと報ぜられた。恩田さんは「2人は何者だったのか。なぜ死んだのか。ずっととげのように心に刺さっていた」という。このことを題材にした小説だが、「女性2人の日常を描くパート『1』」と「真相を探る小説家の『0』」とが交互に述懐するという類例のない構成、手法となっている。胸中の赤裸々な独白が続く不思議な面白さと新鮮さをもつ小説だ。

「なぜ2人は飛び降り死んだのか」――。「同性愛の辛さ」とか「1人が病気となるなど生活の行き詰まりと世をはかなんで」というのは、あまりにも陳腐な決めつけではないか、という。2人の生活は、かっちり歯車が噛み合い互いに助け合いつつも過剰には踏み込まないとしてきたが、どこかで軋みが生じたのか。「日常→平凡→平穏」な日々だったと思われるが、何がいったい2人の「日常」を断ち切るに至ったのか。小さなさざなみ、ちょっとしたアクシデント、微妙に移り変わる力関係が、小さく小さく灰のように降り積もり、時間の底に沈黙するが、「ただちょっと疲れちゃった」というような絶望なのか。老いと疲れ、究極の大事業である死と心中理由の多様、善悪・是非の二元論ではない生と死のあわいの世界を、小説家「0」と同居していた2人の女性「1」と作者の恩田さん自身が入り込んで描く。


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外濠を水質浄化し再生――。公明党都本部の「水と緑の回廊PT」(顧問=太田昭宏、座長=竹谷とし子参院議員)は18日、夏場にはアオコが広がり悪臭ともなる江戸城外濠の水質浄化に向け、市ヶ谷・飯田橋等の現地視察を行いました。これには竹谷とし子参院議員、都議会から小磯善彦(町田市)、谷村孝彦(北多摩1区)、古城まさお(新宿区)各都議会議員らが参加。また「玉川上水・分水網を生かした水循環都市東京連絡会」(代表=山田正・中央大学研究開発機構教授)の中央大、法政大、東京理科大の教授、長年浄化の取り組みをしている地元の町会・商店街の代表が参加しました。

アオコは水が動いてない所に発生するため、導水が必要。管轄する東京都に働きかけ、今年から本格的調査が始まり、2023年度には導水施設の基本設計が行われる予定です。採取した水の水質調査を行いましたが、この日は前日の雨のため、いつもよりきれいな状況とのこと。

この外濠の水質浄化ができれば、歴史と伝統のあるこの街が、いっそう魅力ある街に蘇ります。

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おれたちの歌をうたえ.jpg今はデリヘルの運転手をしている元刑事・河辺久則に、幼馴染の五味佐登志が死んだという連絡が入る。電話をかけてきたのは、松本市で五味の世話をしてきたという金髪・坊主頭の若いチンピラ・茂田斗夢。駆けつけた河辺は、すぐこれは他殺だと見抜くが、そこには永井荷風の文庫本があり、詩のような暗号が書かれていた。歳も違う2人は、ぶつかりながらも犯人捜しをしようとする。じつは、河辺や五味は小学生の時代の昭和47年、連合赤軍事件等の過激派の指名手配犯逮捕に協力したということで、地元上田市では「栄光の五人組」と呼ばれた仲良し五人組であった。しかし51年、雪の降る日に大事件が勃発する。彼らのよく知る美しい女性・竹内千百合が殺され、その父親が犯人と思って岩村母子を殺害して、自らも命を絶ったのだ。その後、過激派の男と千百合は"心中した"として片づけられたが、疑念は残り続けた。その後、平成11年には"千百合殺し"の件で脅迫事件が起きたりし、令和元年になって佐登志が殺され、謎の暗号を残したのだ。

上田・松本・旧真田村と長野県を舞台にし、連合赤軍事件、過激派、バブルとその崩壊、冬季長野オリンピック、金融危機、そして令和。東日本豪雨での事件の結末・・・・・・。雪の光景、昭和40年代には確かに息づいていた永井荷風や中原中也、太宰治らの文学作品や音楽・歌。荒々しいエネルギーがあった時代、遭遇した恐るべき事件――。そのなかで"栄光の五人組"は翻弄され、人間関係は大きく変質していく。衝撃の過去を背負った者は、それを忘れることはできないが、どう未来に進んでいくのか。揺れ動く時代のなかで「おれたちの歌をうたえ」という仲間の一筋は確かに貫かれている。著者のエネルギーが伝わる長編傑作。


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16日、神奈川県海老名市で行われた「和座海綾 未来セミナー」に出席し、挨拶しました。これには、上田いさむ(=神奈川県本部代表)前衆院議員、三浦のぶひろ参院議員、谷口かずふみ県会議員らが参加しました。

「和座海綾」とは、大和市、座間市、海老名市、綾瀬市のこと。この日は、各市の企業や団体の代表者が出席し、懇談や「国土強靭化の取組みの推進」などについての講演を行いました。

講演のなかで私は、「この地域は、圏央道、東名、第二東名、鉄道等が集中した交通の要衝。いずれの市も人口が増加している。地盤が堅固で地震にも強く、インフラのストック効果が顕著に出ており、さらに未来に向けて発展すべき地域だ」「何と言ってもコロナ対策。変異株による感染拡大を抑えなければならない。ワクチン接種と、生活・企業支援を加速させなくてはならない」「日米首脳会談が行われており、日本の役割は重要となっている」などと話しました。


クララとお日さま.jpgなんと主人公が人工知能を搭載したAIロボット(AF)のクララ。カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」は、臓器提供を目的に生まれたクローンの子供たちをテーマとしたが、今度は近未来のAI・ロボット世界がどうなるかを想像するとともに、このAFのクララがなんともいえない純朴な温かさをもって、人間を助けてくれるのだ。それがグッと心に迫るという不思議な感覚をもたせる小説。

店頭で買い手を待っていたAFのクララは、病弱の少女ジョジーと出会い、二人はいっしょに暮らし友情を育んでゆく。クララは最新型のB3型ではなく旧型のB2型だ。しかし、「見るものを吸収し取り込んでいく能力」と「精緻な理解力」、「真っすぐな観察・学習意欲の努力姿勢」は卓越していた。ジョジーはどんどん身体を弱らせていき、クララは心配する。「お日さま」が救ってくれるという「希望」をもつのだ。AFにとって得意とは思えない「祈り」という宗教世界が素朴に立ち上がってくる。ジョジーの姉を失っていた母親・クリシーは、ジョジーが死んだらと「ジョジーの中に入ってほしい。ジョジーになってもらいたい」「コピーではない。ジョジーと完全に同等で、ジョジーを愛するのと同じに愛してよいジョジーになる」ことまで考えるのだ。そうなる前に、クララはジョジーの回復を「お日さま」に祈り行動する。AFが共に暮らすようになる時代は必ず来る。宮部みゆきの「さよならの儀式」もそうだ。しかしカズオ・イシグロはSFではなく、人間の本質的な「生老病死」「愛別離苦」「人間愛」「家族愛」の世界を、AFを主人公としてより新鮮に、感動的に描いている。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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