16日夜、新型コロナウイルスの感染者急増を受け、緊急事態宣言が全都道府県に発令されました。これからのゴールデンウィークに向けて、不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで人が移動することを避け、何としてもコロナ拡大を抑え込む取り組みです。このなかで、全国で外出規制や諸行動が規制されることになり、「全国すべての人を対象に、一律一人当たり10万円の給付を行う」ことを政府与党として決めました。一日も早く皆様の手元に届くよう全力をあげます。


51KJublpBoL__SX338_BO1,204,203,200_.jpg無題.png「どうして青山玄蕃は不実の訴えに抗おうとせず、冤罪に甘んじたのか」「玄蕃が対馬守の非道を暴かなかったことには合点がゆかぬ」――。時は幕末、黒船来航から安政の大獄、桜田門外の変、世情騒然たる万延元年(1860年)。姦通という破廉恥罪を犯したという旗本・青山玄蕃は、切腹を拒んで蝦夷松前藩への流刑に処せられる。その押送人に選ばれたのが19歳の石川乙次郎。鉄炮足軽の次男坊だったが町方与力に一躍出世、結婚したばかりであった。流人と押送人の旅。奥州街道を北へと進むが、貧しさが民を襲い、政を担う武士の儀礼と慣習と道徳は硬直していた。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で遭遇する様々な出来事を情によって包み込み、奇想天外な解決をもたらしていく。乙次郎は、このろくでなしの男の徳と罪の断絶に驚く。抜群に面白い。

道中でめぐり逢う人々。「杉戸宿のおかみ」「中田関所の御番頭」「佐久山宿の按摩」「芦野宿での稲妻小僧と賞金稼ぎ」「7年も父の敵を探し旅する侍」「故郷の水が飲みたいと願う"宿村送り"の女」・・・・・・。

「昔は法がなかった。礼はひとりひとりが自らを律した徳目だ。人間が堕落して礼が廃れたから御法ができたんだぜ・・・・・・。青山玄蕃は無法者にはちがいないが、もしや無礼者ではないのではないか」「俺は町人に生まれついて、なりたくもねえ武士にさせられた。・・・・・・武士道というわけのわからぬ道徳を掲げ、家門を重んじ、体面を貴び、万民の生殺与奪を恣にする武士そのものに懐疑したのだ」「俺は俺のなすべきことを悟った。二百数十年の間にでっち上げられた武士道をぶち壊し、偽りの権威で塗り固めた『家』を潰してやる。それは青山玄蕃にしかできぬ戦だった。大勇は怯なるが如く、大智は愚なるが如しという。ならば俺は、破廉恥漢でよい」「俺はのう、乙次郎。われら武士はその存在自体が理不尽であり、罪ですらあろうと思うのだ。よってその理不尽と罪とを背負って生きようと決めた。非道を暴くのは簡単、ただ義に拠ればよい。・・・・・・そのうえ腹を切って死ぬれば、あっぱれ武士の誉よとほめそやされるであろう。だが、それでは俺も糞になる」「武士が命を懸くるは、戦場ばかりぞ」・・・・・・。

「武士の本分とは何か」「家とは何か」――。"奇怪な武士"の世の終末期、青山玄蕃の心に抱えたマグマ、問いかけたものを鮮やかに描く。


新型コロナウイルス感染拡大による影響で、中小企業・小規模事業者などから「売り上げが激減して資金繰りが大変だ」「融資も助かるが、将来返せるか不安。給付が一番ありがたい」「税金の支払いを待ってもらえないか」という相談が多くなっています。

今回の「緊急経済対策」(補正予算案)で決まった緊急支援は、「収入減の中小企業・小規模事業者に最大200万円、フリーランス含む個人事業主に最大100万円を給付」「実質無利子・無担保の融資を民間金融機関でも実施」「雇用調整助成金の補助率を引き上げ。中小企業は5分の4。非正規、新入社員も支援対象に」「法人税などほぼ全ての税目で納税を1年猶予。固定資産税も減免」です。補正予算案成立後に実施になります。

補正予算案を1日も早く成立させ、事業継続のための支援策を円滑に実施できるよう頑張ります。


江戸暮らしの内側.jpg江戸の文化は庶民の文化だ。大坂夏の陣(1615)から70年、元禄年間(1688~1704)に、庶民文化の成熟を迎える。平和であったればこそ、そして大災害や飢饉、火事等の危険にどう立ち向かうかが、切実な問題としてあった。江戸暮らしの内側を見ると、副題にある「快適で平和に生きる知恵」があふれている。「生活文化」「暮らしの文化」の基層には思想がある。「物的資源の有効利用」「近隣住民との長屋等での適度な付き合い」「倹約」「地域共同体の重視」・・・・・・。その深層にある道徳思想、「石門心学」と呼ばれる庶民哲学を生み出した石田梅岩の思想。日常を大事にし、平安や治安の良さを感受し、それを維持するための「道徳」「修身斉家治国平天下」の浸透だ。抜群に面白い書。

「秩父流平氏の一族・江戸氏に由来する江戸」「家康の利根川の東遷、荒川の西遷」「井の頭池を主たる水源とする神田上水(飲料水の確保は最重要課題)」「明暦の大火(1657)で3分の2が灰燼と帰し、木造密集の弱点克服の為に道幅を広げる大江戸の誕生」「大江戸をつくる為に男性が流入、18世紀になると100万都市(北は千寿、南は品川)」「流入者に長屋を借家として提供、間口2.7m、奥行3.6m(2間)と狭く、上水道の上水井戸を共有。汚水は下水道へ。管理するのは大家」「余所者が集う小さな共同体に生きる庶民が魅力あふれる文化をつくり上げた」――。

「朝夕2食だった日本人が朝昼夕の3食に変わったのは、明暦の大火で流入した肉体労働者の体力維持の為だった」「江戸の茶漬け文化と上方の粥文化の意味」「関東の蕎麦と関西の饂飩(醤油も先進地域は関西だった"下り物""下り醤油"が、野田・銚子で安い地廻り醤油が出回るようになった)」「"江戸の前の海"の江戸前の鰻、屋台で揚げた天麩羅、大ヒット握り鮨と稲荷鮨の工夫」「"さっぱり"したい江戸っ子の服飾文化と銭湯・共同浴場」――。

「庶民の教育、寺子屋で学ぶ子ども(江戸後期で男性50%、女子20%)」「道徳教育を施した寺子屋という装置」「人足寄場という再教育施設(天明の飢饉と長谷川平蔵)」「石門心学と心学講舎」「活発だった出版と本の流通」「与えられた場で懸命に生きるということ、江戸庶民の生老病死」「天災地変と笑い――庶民の人生哲学」「過ぎ去ったことは悲しんでも始まらぬ。悲嘆の代りに陽気を選びとる放れ技、できるだけ楽しんでやろうという心性」――。

「与えられた場で懸命に生きる」――江戸庶民の日常生活が活写される。


緊急経済対策.jpg

7日、新型コロナウィルス感染症について、「緊急事態宣言の発令」「緊急経済対策の決定」が行われました。10日には、「収入の大幅な減少世帯に対して30万円給付」の全国一律の基準を発表、また東京都は政府との協議を経て「休業要請」の対象を決定しました。こうした広範な課題に取り組むとともに、なんとしても新型コロナの拡大阻止に全力をあげます。

現金給付.jpg休業一覧2.jpg

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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