41mM078ClYL__SX312_BO1,204,203,200_.jpg「感染爆発で世界はどうなる?」が副題。新型コロナウイルスとの闘いが世界で続いており、各国の国民意識が当然、変化している。ただでさえ、「一国主義的傾向が強まっている世界」「米中の衝突」が懸念されている時での「コロナ後の世界」はどうなるのか。外務省、上海総領事も務めた小原東大教授が、問題と課題を抽出する。中国にも詳しいだけに知見は生々しい。

「健康危機から経済危機へ」「経済と感染症のジレンマ」が語られる。中国の「武漢戦疫」――。初動の遅れ、地方政府の失態と大衆の批判、李文亮医師の叫びと当局の隠蔽、政権による空前の検疫と封鎖、"中国の権威主義体制"の強みと弱み、中国が世界に展開した"支援"の狙いと成否......。そしてトランプの米国――。欧米民主主義の失態、米国の軍事力・経済力の状況、普遍的価値に基づくガバナンスが生み出す国際的正当性や公共財を提示する意志と能力などのグローバルな指導力の陰り・・・・・・。それらが米中の相互不信と非難合戦をもたらしている。「米国は、自国第一や単独行動主義ではなく、世界の価値を共有する諸国との結束、民主主義や自由資本主義の再生に努めよ」といい、「米中、そして世界にとって存在感のある日本でありたい」という。

コロナ後の世界――。中国の友人100人以上に聞くと、①生活様式の変化(オンライン化の加速や健康と衛生への認識)②価値観の変化(安全や自由といった基本的価値の大切さと再考)③世界の構図の変化(米中関係悪化による衝突への危惧)――が語られ、小原さんの友人であるだけに「日本との良好な関係」への言及がされたという。

末尾に「感染症一口メモ」「感染症の歴史小話」が簡潔に示されている。


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23日、全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)の川鍋一朗会長、神谷俊広理事長と懇談。新型コロナウィルス感染症の影響による営業収入の状況や、現在の課題などについて報告を受けました。全タク連の調査では、全国の営業収入は、昨年の同月と比較し、3月、4月、5月はそれぞれ67.3%、37.9%、37.2%まで減少し、厳しい状況が続いています。「持続化給付金と雇用調整助成金は大変に助かりました。二次補正予算で決まった長期にわたる劣後ローン等の資金繰り対策は、大きな支援になります」などの話がありました。

また、こうした厳しい状況のなか、これまで「人」以外の輸送サービスを禁じられていたタクシー事業者に対して、特例的に「モノ」の輸送なども認められるようになり、現在は料理の宅配など、店舗から自宅への宅配サービスにもタクシーが活用されるようになりました。

このほか、タクシーの感染防止や事業継続に対して、今回から地方創生臨時交付金を地域のニーズに応じて柔軟に活用できることになります。地域交通を担うタクシーを守るために、さらに頑張ります。


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23日、公明党の文化芸術振興会議(顧問=太田昭宏衆院議員、議長=浮島智子衆院議員)が行われ参加しました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、現在、多くの文化芸術公演が中止、延期に追い込まれ、芸術家や関係者は収入を得る手だてを失った状態が続いています。文化芸術振興会議は連日にわたって文化芸術関係者と意見交換を行ってきました。今回、第二次補正予算の支援策を文化芸術関係者へ説明しました。また、さまざまな現場からの要望を受けました。

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第二次補正予算では、文化芸術活動の支援策に約560億円が計上されました。公明党の主張で、①持続化給付金の柔軟な適用で文化芸術関係者も対象に②フリーランスの芸術家や技術スタッフらの活動費として1人最大20万円まで支援③新たな公演・制作の企画などを行う小規模団体を対象に最大150万円まで支援④中・大規模団体を対象に、収束後を見据えた動画配信の活動などに150~2500万円程度を支援⑤中止されたイベントのチケット代を払い戻ししない場合、購入額を寄付とみなして寄付金控除を受けられる制度を新設――など、たくさんの支援策が結実しました。これまでの文化芸術支援は団体が対象でしたが、今回は念願だった個人も対象になりました。

苦境に直面している大切な文化芸術をしっかりと支えていきます。


明日咲く言葉の種をまこう  岡崎武志著.jpg「心を耕す名言100」が副題。小説、随筆、詩集、映画、漫画から墓碑まで、長年拾い集めた100の名言。じつに味わい深く、面白く(目の前がパッと明るくなって新しい世界が開けるとの意)、感動の100編のエッセーが綴られる。古今東西の「名言」を集めて解説したものではない。岡崎さんが自ら読んで、接して、同苦して得た「キメの一言」「心に沁みる鮮やかな"イッポン"」が次から次へと続く。知識ではなく、知慧の「人間学」の開示だ。

「順風が吹き凧はうまく揚がるとは限らない ――『まず小さな凧から揚げることである』(水原秋櫻子)」「谷川俊太郎が作った詩の校歌――『わたしがたねをまかなければ はなは ひらかない』」「任された仕事に関しては、すべて自分の責任――『人生ってそもそも自営業だからね』(みうらじゅん)」「『小さいことについては悩め、大きなことについては即断しろ』――内田樹・平川克美・名越康文の鼎談でニーチェの言葉らしい」「男の子から"きたない"と誹られた少女が言いかえした――『北がなければ日本は三角』(谷川雁)」「反対意見、消極意見を聞く方が公演はうまくいく――『もめるというのは大事なことなんですね』(山田洋次)」「リツイートの数も振り返らない――『"物言わぬ支持者"を俺は支持する』(つぶやきシロー)」「"禅"のサーファーとも呼ばれるジェリー・ロペスの言葉――『挑むのではない、待つのでもない。波そのものになる』」「三木卓の矜持に生きるサムライ――『他者は認めてもらう相手ではなく、納得させるものである』」・・・・・・。

「『誤解されない人間など、毒にも薬にもならない』――小林秀雄」「灘校で半世紀も国語(中勘助の「銀の匙」)を教えた橋本武――『すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなります』」「社会は建前でできている――『私はホンネで生きている。なんて、かなり甘い台詞だよな』(詩人の田村隆一)」「勝海舟の妻――ジジババ合戦、最後の逆転(富士正晴)」「漱石の妻――『夫婦は親しきを以て原則とし、親しからざるを以て常態とす』(夏目漱石)」「今東光と川端康成――『たとえドロボウをしても手伝わねばなりません』(川端康成)」「種茂と岩本勉、そして藤浪晋太郎――『この1イニングを彼にあげてくれ』(種茂雅之)」「『正直に生きるということは、それだけでもいいものだぞ』――山本周五郎の『主計は忙しい』」「『使ってりゃ錆びねえよ』――彫刻家・船越保武」「山崎方代の歌――『今日は今日の悔を残して眠るべし 眠れば明日があり闘いがある』」「寒い日など1日ずっと庭の見える部屋で座っていた画家の熊谷守一――『"退屈"っていう気持ちがわからない』」「『ふたりでみると すべてのものは 美しくみえる』――サトウハチローの墓碑銘」・・・・・・。

たしかに、この百編百言は、また歩き始める「言葉のたいまつ」になる。


兄の終い  村井理子著.jpg警察からの電話で兄の死を知る。たった1人の兄だったが、周りに迷惑ばかりをかけ、乱暴で人の気持ちが理解できない勝手な男だった。離婚して7年、体を壊し、職を失い、困窮し、這い上がることなく死んだ。10歳の息子が発見し、通報した。

弔い、引き取り、諸々の整理をするために、妹の私と、伯母、元妻と娘が多賀城市に駆けつける。大変だった5日間の実話。不本意で恵まれない人生であっただろうが、そのなかでも頑張って子育てをし、懸命に生きようとしていた兄の痕跡を知る。元妻も息子も頑張り屋で、多賀城の周りの人々も温かい。救われる。

「そんな兄の生き方に怒りは感じるものの、この世でたった一人であっても、兄を、その人生を、全面的に許し、肯定する人がいたのなら、兄の生涯は幸せなものだったと考えていいのではないか。だから、そのたった一人の誰かに私がなろうと思う」と結ぶ。

うまくいかない出来事ばかりが続くなかで、54歳の若さで病死したお兄さんの人生に思いをはせる。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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