貧困世代.jpgブラック企業、ブラックバイト、子どもの貧困、貧困女子・・・・・・。「現代の若者たちは一過性の困難に直面しているばかりではなく、その後も続く生活の様々な困難さや貧困を抱え続けてしまっている世代である。彼らは自力ではもはや避けようがない。日本社会から強いられた貧困に直面している」「貧困世代とは、概ね10代から30代を想定し、貧困であることを一生涯宿命づけられた人々である」という。

大人はこうした現在の若者の"しんどい"状況を正視し、総合的かつ具体的に支援をさしのべよ、という。5つの若者論の誤り――「働けば収入が得られるという神話(労働万能説)」「家族が助けてくれているという神話(家族扶養説)」「元気で健康であるという神話(青年健康説)」「昔はもっと大変だったという時代錯誤的神話(時代比較説)」「若いうちは努力をするべきで、それは一時的な苦労だという神話(努力至上主義説)」と上げている。デフレと雇用環境が大きいと思うが、「ブラックバイト」「奨学金問題」「住宅問題」等々にもふれている。


避難解除0723①.jpg帰還後の生活再建支援が急務――。7月23、24日、東京電力福島第1原発事故で、避難指示が解除された福島県南相馬市に行き、同市の状況・課題等を調査しました。この視察には、今回の参院選で初当選した三浦のぶひろさん(三浦さんは福島県出身)、伊藤達也県議、志賀稔宗南相馬市議、高橋利宗相馬市議らが同行しました。

23日は南相馬市小高区の川房地区や災害公営住宅、道の駅などに行き、帰還した住民の方々と懇談しました。川房地区の佐藤定男・行政区長らからは「道路や農地、森林の除染を急ぎ、農地を有効に利用できるようにして欲しい」。また、災害公営住宅では「避難解除はされたものの、高齢者が生活する上で必要なインフラ(スーパー、病院、バスなど)が不十分。早く若い人が帰って来て、子どもを育てられる環境をつくって欲しい」との訴えがありました。加えて、引っ越し費用の問題、高速道路の無料化延長などの要望もあり、多くの課題があることを実感しました。

また、ロボットやドローンの先端技術を持つ菊池製作所を訪問。菊池功社長から、歩行型支援ロボットスーツや、装着型筋力補助器具、最新型ドローンの説明を受けました。さらに、今月12日に本格運用を始めた「県南相馬原子力災害センター」も視察し、実際に原子力災害が発生した場合の応急対策についての最新システムの説明を受けました。

24日には、福島県庁で内堀雅雄県知事と会談。インバウンドなど福島の観光振興、常磐道の4車線化、JR只見線の復旧などについて意見交換をしました。

先端技術0723①.jpg  住民懇談0723①.jpg


街頭0721③.jpg雨模様の21日、東京都知事選、増田ひろや候補とともに、足立区の綾瀬、北千住などで街頭演説を行いました。自民党・公明党の都議・区議が参加しました。また「子育て」が大きな課題となっていますが、「保育所」を視察しました。

東京の抱えている課題は「子育て」「介護・医療」「若者・女性の雇用環境」「首都直下地震への備え」「遅れがちな東京オリンピック・パラリンピックの推進」など、まさに待ったなし。パフォーマンスや派手さではなく、「実務能力」「行政能力」と、今度こそ「安定感」「真面目な姿勢」が大事です。

増田さんは「つくばエクスプレス(TX)」を茨城県庁の鉄道交通課長として4年半、その道筋をつけたことや、「子育て」「防災・減災」などの実績と政策を訴えました。私は増田さたんぽぽ保育所0721①.jpgんの「実務能力」「行政能力」を紹介し、「確かな力」への支援を訴えました。

「保育所」の視察には、高木美智代衆院議員も加わり、更なる具体的支援策を詰めました。


真実の10メートル手前.jpg米澤ミステリーの傑作「王とサーカス」は、フリーのジャーナリストの太刀洗万智が、記者に内在する「知る」「伝える」ということの宿命的苦悩を抱えつつ真正直に突き進む姿勢に心の共鳴盤が震えた。

本書はいずれも、その太刀洗万智が、苦悩を抱きつつ事件の真相に迫っていく6編。それぞれ全く異なった事件、異なる切り口、よくぞここまでと感心する。「真実の10メートル手前」「正義漢」「恋累心中」「名を刻む死」「ナイフを失われた思い出の中に」「綱渡りの成功例」――。太刀洗万智は浅薄なジャーナリズムに流されることを厳に戒めつつ、全く違った角度で事件に、被害者に、加害者のひきずる苦悩に、迫っていく。

太刀洗万智も作品も魅力的。


希望荘  宮部みゆき著  小学館.jpg「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」に続く、私立探偵・杉村三郎シリーズの第4弾。「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」の四編が収められている。

「砂男」は、妻の不倫で離婚し、義父の今多コンツェルンの仕事を失って故郷に帰った杉村三郎がある事件に遭遇。これが探偵事務所(なんと私の住んでいる東京北区所在)を開設するキッカケとなる。仲むつまじい巻田夫妻の夫・広樹が姿を消す――不可思議な事件。「希望荘」は、温厚な父が「昔、人を殺した」と信じられない告白をして亡くなったが、その真偽を調査してほしいという息子の依頼から始まる。四編とも面白い。後半に入って緊迫の急展開だが、人の善意、優しさ、温かさが伝わってくる。

どこにでもある庶民生活の日常のなかにも、人の心には狂気、猛獣がいる。どうしようもない、逃れられない宿命を背負わされて生きる。人間の抱え込む業、そして突如として噴出する不可解な行動。庶民の心に寄り添いつつ、粘り強く理詰めで事件を心の闇をはらすという解決に導いていく。

<<前の5件

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ