天正3年(1575年)4月、武田勝頼が長篠城を急襲する。勝頼の狙いの本丸は、三河・吉田城の奪取であり、野田城や牛久保が焼討ち等で脅かされる。たった500の軍勢で踏んばる奥平九八郎信昌。城を支配下におく家康は信長に援軍を頼み、勝頼を三河から蹴りだそうと織田・徳川連合軍が立ち上がる。そこに戦歴充分で鉄砲術の名手である明智光秀と、圧倒的な情報収集力と土木作事の名手・羽柴秀吉が信長の懐刀として派遣される。この時代を画した決戦は「鉄砲対騎馬武者の戦い」として知られるが、その真実は如何。
信長の無茶振りに、いつも翻弄される家康・秀吉・光秀の3人。今回は「織田軍の一兵も損せずに武田に勝て」「84日間で守り抜け」という難題だ。調子のいい秀吉、流浪が長かった還暦間際のちゃらんぽらんな老人・光秀、苦労と努力を重ね慎重な家康、それぞれが描かれ面白い。私の故郷の新城、野田城、牛久保、吉田(豊橋)、そして遠足で行った長篠城・・・・・・。なつかしい。
訪日客2020年4000万人、2030年6000万人へーー。4月1日、党観光立国推進本部を開催。3月30日に政府が取りまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン」について、観光庁からヒアリング・意見交換を行いました。
今回のビジョンは、高い目標を掲げる一方、赤坂・京都の迎賓館など公的施設の開放、国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてのブランド化、滞在型農山漁村の体験などの観光資源の活用。さらに宿泊施設不足の早急な解消、キャッシュレス環境の改善、クルーズ船受入れで更なる拡充など、「観光先進国」へと新たなスタートが切られました。
会合で私は「観光戦略は大事なステップアップの時を迎えている。数だけを追うのではなく、質、滞在日数から考えていかなければいけない。稼ぐ観光だ。遅れている東北の観光をインバウンド戦略、国内戦略に分けて取り組みたい。わが党としても日本の成長戦略の柱、観光をしっかりと推進していく」と述べました。
自己啓発の源流「アドラー」の教え――と副題にある。フロイト・ユングと並ぶ心理学のもう一人の巨頭・アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、青年と哲人の対話という形でまとめたのが本書。
「アドラー心理学は、過去の"原因"ではなく、いまの"目的"を考える」「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」「われわれを苦しめる劣等感は"客観的な事実ではなく"主観的な解釈"なのだ」「承認欲求を否定せよ、他者の期待を満たすな、もっと自分本位に生きよ」「課題を分離せよ」「"あのとき殴られたから父との関係が悪くなった"というのはフロイト的な原因論発想。父との関係をよくしたくないために、殴られた記憶を持ち出していたというのがアドラー的な目的論の立場」「対人関係のゴールは"共同体感覚"」「人は"わたしは共同体にとって有益なのだ"と思えたときこそ、自らの価値を実感できる」「自己肯定ではなく、交換不能な"このわたし"をありのままに受け入れる自己受容を」「人生とは連続する刹那。"いま、ここ"を真剣に生きるべき」――。
古賀さんは、アドラー心理学を語る岸見さんにふれ、「岸見アドラー学」だという。現当二世、今ここに、自己自身に生きよ、ということだと思う。
月刊「文藝春秋」に毎月、連載している「新世界地政学」の2011年7月号から2016年2月号までのうち51本を選んだもの。
今年も世界の政治・経済の変動は激しく、大きく波立つなかでの日本丸の舵取りはきわめて重要。「地理や歴史、民族や宗教、人口や気候(温暖化)が世界政治を動かす要素としてこれまで以上に重要」となっている。金融・株式市場も、観光も、ロボットやドローン等の科学技術も、ICTやIoTも、世界を舞台として激変する毎日だ。
日本が戦略的な「駒」として利用され、翻弄されないように「地政学的直視力を身につけよ」という。「米国の衰退と今年の大統領選(本書の2012年大統領選の分析は的確)」「2050年のアジアでは日本は人口列強G7に入っていない」「中国の台頭と中国の夢」「日本の危機と組織文化(危機対応の際の最大の敵は、悲観主義、敗北主義)(メード・インサイド・ジャパン)」「『新たな中道保守』を構築せよ」「未来地政学2030」「静かな抑止力」・・・・・・。日本のとるべき選択を浮き彫りにする。
「眠りの人類進化論」と副題にある。座馬さんは野生チンパンジーの睡眠を調査している研究者。人間の眠りを明らかにする。そのためには霊長類の睡眠にまで広げて研究し、人類の睡眠の普遍性を考えるということだ。
チンパンジーは毎日、木の上にベッドをつくって眠る。そして次の日には移動してまたベッドをつくって眠る。ベッドは、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒトの「共通祖先」が作り出したようだが、進化の過程で、オランウータンはベッドの上に屋根を作り、ゴリラは地上にベッドを作る。チンパンジーの作った木の上のベッドが「寝てみたら快適だった!」ということから、作る場所、構造、寝姿、群れとの関係、外敵との戦い、睡眠の深さと長さ、産業革命前は1晩で2回眠っていた人間(夜に排泄で起きるのはチンパンジーも同じ)、枕や畳の意味など研究が続けられる。
チンパンジーに「何故」と聞いてみたくなる。