神の山・御嶽山。二つ玉低気圧が近づき猛吹雪となる御嶽山に、冬装備もなく登る17歳の少年・芹沢潤。それを助けようと追う強力の松本孝。登場人物はこの二人だけ。しかもわずか1日の出来事を、すさまじい迫力で描く。
めざすは御獄の頂上。ただ神に会うため。「神様、どうしてぼくは生まれてきたんですか? だれにも、母にさえ愛されずに生きなければならないのはなぜですか?」と思いつめた絶望の青年・潤。意識が朦朧となるなか、煩悶、回想、夢想が続く。
ただ一つの楽しみである自転車を愛する潤は、トゥール・ド・フランスのジャジャの最後の花道、「勝とうとする意思」を思ったり、やさしい祖父母を思い出したり、鬼のような母の呪縛に身震いしたりする。
神を信ずる潤、信じない孝だが、ともに大自然の懐に抱かれ帰る。極限状態のなかで人間と自然、生とは、神とは、業とは、死から生への三変土田の瞬間は何によってもたらされるのか――。死と隣りあわせの緊迫のなかで問いかける小説だ。
「御嶽の噴火によるすべての犠牲者、被災者、ご遺族、ご家族、そして、御嶽に関わって暮らすすべての方々に本書を捧げる」と扉にある。ご冥福を心よりお祈りする。
15日、東京都知事選に立候補している増田ひろや候補と共に、北区・赤羽駅頭で街頭演説。その後、障がい者の就労継続支援B型事業所を増田さんと共に視察しました。これには自民党の高木けい都議、公明党の大松あきら都議、自公の区議団が参加しました。
東京の抱えている課題は今、山積。「相次いでの知事辞任による都政の立て直し」「子育て、医療・介護の強化策」「首都直下地震等への防災・減災の備え」「遅れている2020年東京オリンピック・パラリンピック成功への推進」など、「仕事のできる」知事が望まれています。
街頭演説で増田さんは「都政の混乱に終止符を打つ」「課題解決に全力をあげる」と訴えました。私は「東京の抱える課題は多いが、明確でもある。それを解決し、進めていく"確かな力""実務"行政能力が大切だ。ハデな人は今の東京には必要ない。仕事のできる人こそ必要だ」と増田さんへの支援を訴えました。
その後、障がい者就労継続支援B型事業所を訪問。私が以前からお付き合いしているしっかりとした施設で、このたび新たに開設した所です。障がい者支援の実情をつぶさに視察しました。
「日本に本当に必要なもの」「この生きづらい分断社会を終わらせる」「社会主義がきらわれ、資本主義もかなりくたびれている今、人間の顔をした社会をめざして智恵を出そう」――。図入りできわめてわかりやすく書かれているが、中身はきわめてしっかりしている。
「税への抵抗が強い社会は、誰かのための負担をきらう"つめたい社会"になっている」「貧困にあえぐ人びとを"見て見ぬふりする社会"を僕たちは生きている」「社会に数々の"分断線"が引かれ、人間を信頼しない社会になっている」という。そして「3つの分断の罠」を提示する。第1は「再分配の罠」(困っている人を助けようとすると中間層が反発する。格差是正の必要性を訴えるほど、負担者となる中間層の痛みが増し、貧しい人への非難が始まる)、第2は「自己責任の罠」(成長の行きづまりが、生活の行きづまりになる。国に借金が残り、社会保障の抑制や公共事業の削減が始まり、政府への怒りがわきあがる不幸の連鎖)、第3は「必要ギャップの罠」(お年寄りの利益が優先され、深刻な世代間対立が生まれている)だ。日本は「働くことが前提の自己責任社会、勤労国家」だったが、その前提の経済成長が崩れはじめ、社会経済の変動に対応できなくなった、という。
そして、「規制緩和、グローバル化、人件費削減が加速」「賃金が下がりつづけ、デフレ経済に突入、家計貯蓄率もほぼゼロ」になっている。
そこで、「更なる成長の道」か「成長には頼らない道か」の決断が迫られる。井手さんは、「発想を大転換し、思い切って中高所得層も受益者にする」「"必要の政治"によって格差是正を結果に変える。国と地方が、それぞれの役割を果たし、できるだけ多くの人に負担をしてもらい、可能な限り多くの人にサービスを提供する」「弱者を助けるのではなく、人間の必要を満たし、弱者を生まないようにする」「所得制限をふくめて、貧しい人たちにも、所得の多い人たちにも分け隔てなくサービスを提供する」という。さらに「分断線を消す、そして、自分の生き方を自分で決められる社会へ」という。巷間の格差是正論に「サービスを分厚くするために負担から逃げない」と、全く違う切り口で挑む。
多くの皆様に押し上げていただき、参院選を大勝利することができました。東京は一気に東京都知事選になりました。12日は、公明党として、元総務相の増田寛也氏を推薦することを決定。13日には、公明党東京都本部議員総会で増田氏が挨拶、決意を表明。夕刻には事務所開きを行い、公明党の東京選出の国会議員・都議会議員と共に私も出席、挨拶を行いました。
東京の抱える課題は多く、「日本経済のけん引力の更なる強化」「子育てや介護・医療など高齢社会への対応」「雇用環境の整備」「首都直下地震への備えと防災・減災」「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会成功への準備」「観光やビジネス環境の整備」など、まさに急を要します。
しかし都政は近年、政治不信を招く失態で二度にわたって都知事が辞職し都政が混乱したことなどを踏まえ、新知事には「清廉で、山積する都政の課題に的確に対応できる行政手腕」が期待されています。
増田氏を推薦する理由として、①岩手県知事3期、総務相時代の実績が高く評価され、混乱した都政を立て直す上で安定した政治行政運営の手腕が期待できる。県知事時代には多選を避けて4期目の出馬を辞退するなど、政治姿勢は高く評価できる②東京都生まれの東京育ちであり、都政に今後の人生を捧げる旨の決意を披歴している③区長会、市長会、町村長会の有志からも出馬を要請されており、都民に最も身近な都内の自治体から期待の声が大きい――3点を挙げています。
まさに、パフォーマンスではない。人気でもない。落ち着いて、東京の課題に全力で取り組む「仕事ができる人」「実務経験が豊富で行政能力がある人」「庶民、女性、現場を大事にする人」「東京と日本の未来を構想できる人」が大切です。私も対談等も発表してきていますが、増田寛也氏はそういう人です。
早くも14日は告示。頑張ります。
