山本兼一さんの「とびきり屋見立て怗」のシリーズ第4弾。「ええもんひとつ」など幕末の京都の町の空気を見事に表現していたが、遺作ともなったこの「利休の茶杓」もとても良い。
真之介とゆずが三条木屋町に開いた道具屋の「とびきり屋」。薩摩・会津両藩が、宮中クーデターを起こし、尊攘派を排撃した1863年(文久3年)の8月18日の政変、三条実美らの7卿落(それが一年後の禁門の変、蛤御門の変へと連なる)。そんな騒がしい京都の町で、桂小五郎や芹沢鴨、近藤勇らとも日常的に接する庶民のたくましさ、暖かさ、人情、夫婦の愛、日常の幸せ感・・・・・・。
「利休にたずねよ」をはじめとして、いい作品を書かれた山本兼一さん。今年2月、逝去された。
11月12日、土砂災害防止法の改正が参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。
この法律は、今年8月20日に広島市で発生した集中豪雨災害を受けて、急きょこの臨時国会に提出したものです。私は災害直後の8月21日、被災した広島市安佐南区八木と安佐北区可部東の現場に入り(写真)、それ以降対策に取り組んできました。
今回の改正内容は、ソフト対策を中心にしたものです。その柱は3点。住民に土砂災害の危険性を早期に伝えるために基礎調査の結果公表を義務づけること、避難勧告の発令が遅れないよう土砂災害警戒情報を法律上位置付けること、土砂災害に対する安全な避難場所の確保など避難体制を強化することです。これで調査が進み、土砂災害警戒区域や特別警戒区域の指定が促進され、きめ細かな避難計画が作られることになります(写真は11月5日の参議院本会議)。

12日には、広島県の湯崎英彦知事が国交大臣室に来られ、法律の早期制定のお礼と、調査の促進や砂防堰堤整備への支援要請がありました。
雨の降り方が集中化、局地化、激甚化している中、命を守るための防災・減災に危機感を持って取り組まなければなりません。砂防堰堤などのハード対策だけでなく、避難のためのソフト対策も組み合わせて、安全・安心のために全力で取り組みます。
11月11日、近藤やよい足立区長をはじめ、竹ノ塚駅付近鉄道高架化促進連絡協議会の方々が国土交通大臣室に来られ、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近で進む連続立体交差事業の早期実現を求める要望書をいただきました。
この事業は、2005年3月15日に4人の歩行者が踏切で死傷する痛ましい事故が起きたことを受け、その直後から実現に向けて取り組んできたものです。当時の北側大臣、冬柴大臣、金子大臣をはじめとする国土交通省との協議・打ち合わせは、私自身が何度も何度も国交省に出向いて行なってきました。その結果2012年11月4日に、7年という異例のスピードで都内初の区施行の形で工事着工に至ることができました。
それから工事は進み、現在現場では鉄道を高架化するための橋脚が立ち上がり、事業の姿が見えてきたところです。これから事業がさらに本格化する段階に入るため、着実に事業が進むよう予算確保をお願いしたいというのが、地元の皆さんの切実な思いです。
この事業は、地元の安全と活性化のために是非とも進めなければならない事業。鉄道の高架化とともに、駅周辺のまちづくりも大きく変わります。事業完成は2021年3月の予定ですが、地元では完成後のまちの姿に大きな期待を持っています。
地元の思いを受け止めて、安全と安心、予算の確保と事業促進に向けてしっかり着実に進めていきます。
「防災、安全、景観のために無電柱化を進めよう」――11月10日、都内で開催された"無電柱化の日"の制定記念発表会に出席しました。11月10日が選ばれたのは、「3本の1で表した電柱をゼロにする」という意味を込めたものです。
欧米のまち並みを見ると電線が地中化され、美しい景観が形成されていますが、我が国での取り組みは遅れています。東京23区の無電柱化率はわずか7%。電柱は全国に約3500万本あり、毎年7万本も増加している有様です。
無電柱化は「地域の防災」「通行の安全」「景観・観光」という観点から重要。私は式典で「東京の密集市街地では、首都直下地震や南海トラフ地震に備える防災対策として電線地中化が重要。沖縄、奄美等では台風の暴風で電柱が途中でポキッと折れてドミノ倒しのようになる。観光面でも効果が大きい。9日に訪れた沖縄県那覇市の国際通りでも電線が地中化され、美しい景観によみがえっている」と電線地中化の意義に触れながら挨拶しました。
この国際通りは、いまや全国から、また海外から多くの人が訪れる観光スポットです。私の行った9日(日)も多くの人であふれ、これほどの賑わいを見せている商店街は全国でも少ないと思うほどでした。地元の人も「電柱が地中化されて景観が一変した(写真)」と誇らしげでした。
無電柱化にはコストが課題となっていましたが、低コストで行う工法も開発されています。官民一体となって取り組みを進めます。