人口減少、地方消滅、一極集中による東京崩壊(老化)――これは最重要の問題であり、因果関係が複雑に絡み合っている。あらゆる分野にわたって、少子高齢化や人口減少に対応し、見直していかない限り、日本には歪みが噴出し、衰退への道をたどることになる。ラストチャンスだが、今なら間に合う。「東京一極集中で成り立ってきた20世紀型成功モデルをひとまず否定し、東京一極集中ではない社会がどういうものかを考える」「人口減少を前提とした大胆な国家のつくり替えをする」「東京一極集中の危険性と限界を理解・再認識し、東京をどうするかを考える」ことだ。
そこで「地方と東京を元気にする8つの提言」がされる。「東京との"距離"が武器」「世界的ローカル・ブランドの創出」「世界オンリーワンの街づくり」「都会にはない暮らしやすさの発信」「県内二地域居住で"にぎわい"維持」「発想の大転換"スーパー広域合併"」「アクティブシニアが活躍"CCRC"構想」「第三子以降に多額の現金給付」――。
対談によって展開される発言の1つ1つを、考え考え読んだ。考えることを促す書だ。
7月17・18日、新潟県の佐渡島に行き、甲斐元也佐渡市長をはじめ島の関係者と島内の視察、要請・意見交換を行いました。
佐渡は本当にすばらしい島、美しい島です。ここでしか見られないトキ(現在196羽が野生で生息。私も見ることができました)、トキを育む水田や山の緑豊かな自然、佐渡金銀山(江戸時代は金の産出量が世界一)などの歴史・文化、おいしい農産物・水産物やお酒など、佐渡ならではの魅力にあふれています。島を訪れるクルーズ船や外国人旅行客も増えています。
市長からは、「世界農業遺産にもなった佐渡のお米は日本一おいしい」「北陸・上越の二つの新幹線を使った広域観光周遊ルート(直江津港と小木港、新潟港と両津港)も可能だ」「世界遺産や世界ジオパークの登録をめざしたい」――観光をさらに前進させる意欲的な発言が続きました。観光の大きなポテンシャルを実感しました。
さらに離島振興も重要です。市長からの要請では、①国境離島としての定住支援、②観光客増加のため空港の2000m化や運航支援・補助、③災害時の避難のため港湾の耐震バース化や、クルーズ船が着岸できるバースの延長、など島の課題が示されました。それに対し私から一つ一つ方針を示しました。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」において「蛤御門の変」で久坂玄瑞が死亡した(7月5日放映)。本書は久坂玄瑞を中心として、風倉平九郎、高杉晋作、そして桂小五郎、吉田栄太郎、伊藤俊輔らを「桜田門外の変」「航海遠略策(長井雅楽起草)」「寺田屋事件」「奇兵隊」「蛤御門の変」の5部で描く。
幕末を吉田松陰門下の若者がいかに、師の魂を抱きしめ、尊王攘夷を掲げて走ったか。幕府、朝廷、各藩がいかなる思惑で動いたか。頭に血がのぼったかのような激情と思想。そのなかで久坂玄瑞は確かに「風の如く」去り、「激情のなかにも風の如く冷静に」「風の如くもの悲しく」「風の如く同志にやさしく、さわやかに」散った若者だったのだろう。英傑とは対極にある俊英・久坂玄瑞を感じた。
「国土学」の第一人者の大石さんが、国家論を論述している。日本国家を考えれば日本人論、その日本人論は当然、国土に人間が働きかける「国土学」という広大な背景から把えなければならない。そうした国土学から日本人論、国家論へと迫っている。
その射程は日本の今と未来にある。「戦後は戦前の否定では終わらなかった。日本そのもの、歴史も精神を含むすべてのものを否定された。これを放置したままでは、われわれ日本人は根無し草として世界に漂う存在であり続けるしかない」「わが国土の自然条件、位置条件によって世界中の他の国民や民族と相当に異なる経験をし、考え方・感じ方を育んできたのが日本人」であり、「"仲間と共同して働く""集団力の発揮"を取り戻そう」と指摘する。たとえば新自由主義経済の「小さな政府」「緊縮財政」「規制緩和」「自由化」「民営化」などの主流化は、この日本人の強みである特性を破壊してきた。日本人が厳しい自然に翻弄されながら培ってきた互いに助け合う「共」の原理と、欧米人が築いてきた「公」の原理とは根本的に違う。思考停止を戒め、日本人の強みを生かして未来に挑め。智慧は蓄積されているではないか――そんな声が聞こえる。
