「全国初の本格的な荒川下流タイムラインが完成」──。6月8日、その検討に関わった花川與惣太北区長、近藤やよい足立区長をはじめ、板橋区、東京都、東京メトロ、関東地方整備局、気象庁等の担当者と意見交換を行いました。
タイムラインは、台風上陸の3日前、1日前、12時間前といった時系列で、地方自治体や交通機関などがとるべき防災行動をまとめておくもの。既にアメリカでは、一昨年10月にハリケーン・サンディがニューヨークを襲った際に事前に地下鉄を止めるなど、被害軽減に大きな効果を発揮しました。
日本でも各地で検討が進められていますが、「荒川下流タイムライン」は地元自治体のほか、鉄道、電力、通信、福祉施設など20機関、37部局もの多数の関係者が参加した全国初の本格的タイムラインです。昨年8月に検討をスタートして、約9か月で250項目以上にも及ぶ対策を練り上げました。
参加者からは「多くの機関が連携して検討したことは意義深い」「いざというときに住民がしっかり避難できることが大事」「このタイムラインで訓練を行い、対策を充実したい」など発言が続きました。私は「区をまたがる広域避難や交通機関の運行停止、高齢者の避難など先駆的な内容が盛り込まれている。これをモデルとして全国に広げていきたい」と述べました。
8日には関東地方も梅雨入りし、今年も出水期を迎えました。局地化、集中化、激甚化する災害に万全の備えをするよう、緊張感を持って取り組んでいきます。
6月6日、晴海埠頭に寄港したトルコ軍艦ゲディズでのエルトゥールル号125周年レセプションに出席しました。
ゲディズは、明治23年(1890年)のエルトゥールル号遭難から125年の節目にあたり、当時と同じ海路をはるばるトルコから航海。艦上には高円宮妃久子殿下をはじめ大勢の関係者が集まり、懇談が続きました。
エルトゥールル号は和歌山県串本沖で台風により遭難。581人が死亡しましたが、住民による懸命の救助で69人が救助され、日本軍艦が生存者をトルコに無事送り届けました。この事件が契機となり、日本とトルコは深い友情で結ばれています。1985年のイラン・イラク戦争時のトルコ航空機による日本人救出や、東日本大震災でのトルコ救助隊の活躍など、お互いが助け合ってきました。第2次安倍内閣以降も、安倍総理とエルドアン首相(現大統領)との首脳会談が既に3回開催されるなど緊密な関係が築かれています。
私も先月トルコを訪問。ボスポラス海峡横断鉄道やイズミット橋に続き、世界最長の吊橋となるダーダネルス海峡大橋の建設でもインフラ経済協力を深めようとトルコ首脳に働きかけを行いました。お互い地震国としての防災連携もますます重要です。
日本とトルコの友好に関わってきた多くの方々と懇談し、両国の友情をさらに深める大事な機会となりました。
月村了衛さんの短篇集。火宅、焼相、輪廻、済度、雪娘、沙弥、勤行、化生が収録されている。警視庁に新設された特捜部SIPDは、「龍機兵」と呼ばれる最新鋭の装備を持つ突入要員の他に、刑事部、公安部などの既存の部署に属さない専従捜査員を擁している。トップダウンで創設されたがゆえに他からの反発もある。
「悪の顕われたる者は禍い浅くして、隠れたる者は禍い深し」(洪自誠「菜根譚」)、そして短篇の表題が仏教用語にあるように、対象とする犯罪は深山幽谷を思わす深い闇の中にある。
「よく聞き、よく見ろ。捜査はそれに尽きるんだ。どんなときでも耳と目をよく使え。頭は放っておいても耳と目についてくる」――由起谷志郎主任が元上司に教えられた捜査の基本。「機龍警察」の登場人物の過去や至る過程にもふれている。ハードボイルド警察小説。
驚嘆すべき本だ。きわめて易しく、目の前がパッと開ける面白い本だが、その思考は、虫の世界から世界各地へ及び、日本の文明から世界の文明へ、日本文化から欧米文化へ及び、微小の生命空間は宇宙生命空間へと広がる。
私も思えば子供の頃、春はつくしんぼを採り、野イチゴを摘み、夏休みは昆虫採集、川で魚をとった。近所の仲間といつも広場で遊んだ。生活は季節のなかに、自然とともにあった。奥本さんは、それが大事なのだ。日本人はそうして小さなものを細かく見る眼、いわば接写レンズの眼を磨いてきたのだという。
「第一部 虫の世界」「第二部 人の世界」を通じ、次から次へと風土と人間と文化(あるいは宗教)が開示され、展開する。ヴェルレーヌ作の詩「落葉」(上田敏訳)について、穏やかで晴天が多く、そぞろに寂しくもある日本の秋と、フランスの厳しい冬を前にしたつかの間の重苦しい凄絶ともいえる秋の違いを示す。虫や自然、詩や絵画を例示しつつ、「日本に風景画はあったのか」「ルイ・ヴィトンはなぜ日本でよく売れるか」などで結ぶ。面白くて心が躍った。
