「心を耕す名言100」が副題。小説、随筆、詩集、映画、漫画から墓碑まで、長年拾い集めた100の名言。じつに味わい深く、面白く(目の前がパッと明るくなって新しい世界が開けるとの意)、感動の100編のエッセーが綴られる。古今東西の「名言」を集めて解説したものではない。岡崎さんが自ら読んで、接して、同苦して得た「キメの一言」「心に沁みる鮮やかな"イッポン"」が次から次へと続く。知識ではなく、知慧の「人間学」の開示だ。
「順風が吹き凧はうまく揚がるとは限らない ――『まず小さな凧から揚げることである』(水原秋櫻子)」「谷川俊太郎が作った詩の校歌――『わたしがたねをまかなければ はなは ひらかない』」「任された仕事に関しては、すべて自分の責任――『人生ってそもそも自営業だからね』(みうらじゅん)」「『小さいことについては悩め、大きなことについては即断しろ』――内田樹・平川克美・名越康文の鼎談でニーチェの言葉らしい」「男の子から"きたない"と誹られた少女が言いかえした――『北がなければ日本は三角』(谷川雁)」「反対意見、消極意見を聞く方が公演はうまくいく――『もめるというのは大事なことなんですね』(山田洋次)」「リツイートの数も振り返らない――『"物言わぬ支持者"を俺は支持する』(つぶやきシロー)」「"禅"のサーファーとも呼ばれるジェリー・ロペスの言葉――『挑むのではない、待つのでもない。波そのものになる』」「三木卓の矜持に生きるサムライ――『他者は認めてもらう相手ではなく、納得させるものである』」・・・・・・。
「『誤解されない人間など、毒にも薬にもならない』――小林秀雄」「灘校で半世紀も国語(中勘助の「銀の匙」)を教えた橋本武――『すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなります』」「社会は建前でできている――『私はホンネで生きている。なんて、かなり甘い台詞だよな』(詩人の田村隆一)」「勝海舟の妻――ジジババ合戦、最後の逆転(富士正晴)」「漱石の妻――『夫婦は親しきを以て原則とし、親しからざるを以て常態とす』(夏目漱石)」「今東光と川端康成――『たとえドロボウをしても手伝わねばなりません』(川端康成)」「種茂と岩本勉、そして藤浪晋太郎――『この1イニングを彼にあげてくれ』(種茂雅之)」「『正直に生きるということは、それだけでもいいものだぞ』――山本周五郎の『主計は忙しい』」「『使ってりゃ錆びねえよ』――彫刻家・船越保武」「山崎方代の歌――『今日は今日の悔を残して眠るべし 眠れば明日があり闘いがある』」「寒い日など1日ずっと庭の見える部屋で座っていた画家の熊谷守一――『"退屈"っていう気持ちがわからない』」「『ふたりでみると すべてのものは 美しくみえる』――サトウハチローの墓碑銘」・・・・・・。
たしかに、この百編百言は、また歩き始める「言葉のたいまつ」になる。
警察からの電話で兄の死を知る。たった1人の兄だったが、周りに迷惑ばかりをかけ、乱暴で人の気持ちが理解できない勝手な男だった。離婚して7年、体を壊し、職を失い、困窮し、這い上がることなく死んだ。10歳の息子が発見し、通報した。
弔い、引き取り、諸々の整理をするために、妹の私と、伯母、元妻と娘が多賀城市に駆けつける。大変だった5日間の実話。不本意で恵まれない人生であっただろうが、そのなかでも頑張って子育てをし、懸命に生きようとしていた兄の痕跡を知る。元妻も息子も頑張り屋で、多賀城の周りの人々も温かい。救われる。
「そんな兄の生き方に怒りは感じるものの、この世でたった一人であっても、兄を、その人生を、全面的に許し、肯定する人がいたのなら、兄の生涯は幸せなものだったと考えていいのではないか。だから、そのたった一人の誰かに私がなろうと思う」と結ぶ。
うまくいかない出来事ばかりが続くなかで、54歳の若さで病死したお兄さんの人生に思いをはせる。
いよいよ出水期――。コロナ禍では、分散型避難が大切です。19日、政府が避難施設の1つと指定した北区西ヶ原の財務省研修合同庁舎を視察しました。これには、岡本三成衆院議員、竹谷としこ参院議員、長橋けいいち(豊島)、大松あきら(北)、うすい浩一(足立)、中山信行(足立)、上野和彦(江戸川)の各都議会議員らが参加しました。
コロナ禍での避難は「三密を避ける」ということが大切。分散型避難として、従来の体育館等への避難のほか、「在宅避難(動かない避難)」「施設やホテルへの避難」「青空避難(熊本地震で行ったテント避難や車中避難)」「縁故避難」の組み合わせが重要です。政府はこのほど、全国で929か所の国の施設を避難所に指定。東京では86か所です。今後、避難所となる場所を国・都・市町村とが連携して確保することが不可欠です。
この視察で、貴重な避難所となることを確認するとともに、避難所として活用していく上での課題や状況の報告を受けました。分散型避難をさらに進めていきます。
「櫂」「一絃の琴」「序の舞」「陽暉楼」「寒椿」「鬼龍院花子の生涯」「天璋院篤姫」――。養母、女衒という家業と父、言葉にもしたくない満州、結婚、借金を抱えての上京・・・・・・。出世作といえる「櫂」で太宰賞を受けたのは47歳、しかし一気にベストセラーを次々に発表、直木賞も受賞する。しかも多くが映画化され大ブレークした宮尾登美子。謎も多かった人間宮尾を、親交の深かった林真理子さんが、関係者を訪ねて得た証言を加えて、くっきりと描き上げる。
「あなたはあんなに宮尾さんに可愛がってもらったのに、悪口を書いているって古い編集者たちが怒っていると聞いたわよ」「女の作家で、あの人と仲のいい人はいなかったと思うわ」と瀬戸内寂聴に言われたという。「あの人は少し被害妄想の気がありまして、なんでも『女流作家はみんな自分をいじめている』というようなことばかり言います(笑)」と杉本苑子は言う。「宮尾は大層気を遣っていたのだが、それがどうしても裏目に出てしまったようなのである」「宮尾は孤独であったろう。・・・・・・宮尾を囲む『おとみの会』など、親しい男性編集者や仕事相手に共通していることがある。それは高学歴で端整な紳士」と林さんはいう。宮尾の愚直なまでの作家の道への真っすぐさ、宮尾の侠気(おとこぎ)、少女のような天真爛漫さと父・猛吾(小説では岩伍)の生まれ変わりのような激しさ・強さの共存、食べるためのふてぶてしさと不思議なほどの透明感と明るさ・・・・・・。懸命に生き、綴り続けた宮尾登美子の波瀾の生涯が、不器用な人間関係や時には場違いな発言などからきわめて自然に浮き彫りにされる。林真理子さんの温かな眼差しが伝わってくるいい評伝。

17日、150日の第201回通常国会が閉会しました。新型コロナウィルス感染症対策に全力をあげた国会であり、予算も法案も数々成立しました。
予算については、2019年度補正予算、2020年度本予算、第1次補正予算、第2次補正予算と4つの予算を成立させることができました。これは阪神・淡路大震災のあった平成7年第132回国会以来、25年振りに4つの予算成立をみたものです。
2020年度本予算は一般会計総額102兆6580億円。第1次補正予算は、国の歳出25.6兆円、事業総額117兆円。第2次補正予算は、国の歳出31.9兆円、事業規模117兆円。全方位にわたりますが、「企業・事業主への支援」「家計支援」「医療・介護支援」等を中心としており、長期的な資金繰り対策なども入れています。これから現場での執行スピードが重要です。コロナ対策は収束に向けて絶対に手を緩めることなく、全力で戦うことが大切。さらに力を入れて頑張ります。
昼に行われた党の両院の議員総会で、今国会の成果と今後のコロナウィルス対応をスピーディーに対応していくことを確認しあいました。