平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」シリーズは、昭和48年に始まり、全34巻。そして「新・御宿かわせみ」となっても続き、本書はその最新作。
大川端の旅宿「かわせみ」は江戸から始まるが、東京となった明治の初めのこと。春の嵐で屋根瓦を吹き飛ばされ、改築のために休業を余儀なくされるが、女主人のるいは千絵に誘われて、十数人の一行で「お伊勢まいり」に行く。その道中でさまざまな事件が起きる。嶋屋長右衛門は行方知れず、その女房のお仙は不慮の死、大坂屋平八は病のために脱落、小泉屋の火事・・・・・・。そんななか、この道中は「明らかに誰かが仕掛けたもの」で、千絵が非業の死をとげた夫・畝源三郎の敵討ちに狙いがあったことがわかる。そして、雷鳴が轟くなか・・・・・・。
時代と庶民の日常。喜び、悲しみ、怒り、生老病死が、そっと心情まで浮かび上がるように描かれる。「『変わりましたよね、このあたり・・・・・・御一新の前とは・・・・・・』お千絵が町並みを眺め、るいは大川端の方角の空を仰いだ。歳月が移り、世の中が変った。けれども、その中で生き抜いて来た人々の想い出は想い出す人がある限り消えはしない。人は一生をかけて想い出を紡いで行くものかと胸の内で小さな吐息を洩らした。空に雲があった・・・・・・」――。いい。
「働く」ということは人間の本質に迫る問題だ。「働くことは生きるということと同義である」「人はよく生きることを願っているのであり、働くのもただ生存するためではなく、よく生きるためであるというのが、『生きるために働く』ということの意味だ」「アドラーは人生には取り組まなければならない『仕事の課題』『交友の課題』『愛の課題』という三つの『人生の課題』があるという」――。
「人は何のために働くのか。働くことで人は自分の持っている能力を他者のために使い他者に貢献する。他者に貢献すれば貢献感を持つことができ、そのことで自分に価値があると思える。自分に価値があると思えれば、対人関係の中に入っていく勇気を持つことができる。対人関係の中においてこそ、生きる喜びを持ち、幸せになることができる」という。そしてアドラーは「勇気は伝染する。臆病も伝染する」という。こうして「仕事の課題」は、他者との協力、結びつきの「交友の課題」を解決することになり、「愛の課題」の解決になる。エーリッヒ・フロムは「愛の本質は、何かのために"働く"こと、"何かを育てる"ことにある。愛と労働とは分かちがたいものである」といっている。アドラーは「他者を喜ばせることを始めたら『自分が役に立ち、価値があると感じられるように』なる」ともいう。
「働くことの意味」を岸見さんは、自身の人生を率直に語りつつ、考察、提示している。
「列強の日本侵略を防いだ徳川テクノクラート」が副題だ。江戸幕府、一口に「鎖国」といわれるがそうではない。欧米列強が虎視眈々と侵略を狙う世界の動きをまず示される。宣教師たちの目的、江戸幕府成立以前からのポルトガルとスペイン。それを追うかのごときオランダの対日貿易独占戦略。旧教国対新教国という図式でのスペイン・ポルトガル対オランダ・イギリスの対立。切支丹禁令。そして西へ西へと進み、太平洋を渡って迫るアメリカ。インド、中国から日本を窺うイギリス。密貿易の国・薩摩を背後で支援したイギリス・死の商人グラバーの暗躍・・・・・・。薩長同盟なるものの矛盾を突き、坂本龍馬にいたっては、武器あっせん商人の手先とこきおろしている。
そのなかで幕府の対外協調路線を描く。欧米列強の侵略を防ぎえたのは、徳川の幕臣テクノクラートだという。「阿部正弘、堀田正睦、井伊直弼政権が敢然と対外協調路線に踏み切り、川路聖謨、水野忠徳、岩瀬忠震、井上清直、小栗忠順といった英傑といってもいい優秀な徳川幕臣テクノクラートが欧米列強と正面から渡り合い・・・・・・」「この足を引っ張ったのが"復古!復古!"と喚いて、"尊王攘夷"というスローガンだけで徳川政権から積年の悲願として政権奪取を図った、いわゆる勤皇勢力、尊王攘夷派、即ち薩摩・長州勢力である」という。テロリストといっている。薩長史観を迫力をもって打砕いている。司馬史観をも。「明治維新という過ち~日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト~」に続く第2弾の書。
8月1日、参院選をうけて、臨時国会が開会となりました。
暑いなかでの参院選に絶大なるご支援を賜り、参議院25名(史上最多)、衆議院35名、あわせて国会議員60名の布陣となりました。
両院議員総会、本会議を行い、この下半期の活動に全力をあげることを誓いました。
初当選をした伊藤孝江(兵庫選挙区)、高瀬弘美(福岡選挙区)、里見隆治(愛知選挙区)、三浦信祐(神奈川選挙区)、熊野正士(比例代表)、宮崎勝(比例代表)の6名とも懇談をしました。
また、7月31日に行われた東京都知事選では自民・公明で推薦をした増田ひろや氏、残念な結果となりましたが、心よりのご支持をいただいた都民の皆さま、党員、支持者の皆さまに感謝と御礼を申し上げます。
31日(日)に投開票を迎える東京都知事選――。猛暑となった29日、自公推薦の増田ひろや候補の逆転勝利に向け、江東区で行われた街頭演説に駆けつけ、絶大な支援を訴えました。これには木内良明都議ら自公議員も出席。増田候補は「待ったなしの課題を抱える都政の混乱に終止符を」と訴えました。そして「首都直下地震や子育て・高齢化の不安解消に一刻も早く取り組む」「東京五輪を"復興五輪"の原点に立って進める」と決意を述べました。
私は、都政は"待ったなし"の課題が山積している。子育て、雇用、高齢社会のなかでの医療・介護、防災・減災、東京五輪、観光への対応、バリアフリーの街づくり、公共交通の整備や渋滞解消......。この直面している課題に真正面から真っすぐに、誠実に取り組む仕事をする知事が大事だ」と増田候補への支援を訴えました。
また、この後、北区にある介護施設を共に視察しました。