新しい年を迎えました。

昨年は真心からのご支援を賜り、誠に有難うございました。心より感謝申し上げます。

日本再建をかけた激動の一年でしたが、景気・経済の再生、東北の復興、防災・減災など前進を果たしたと思います。本年は、更に頑張っていく決意です。

経済では、円高・デフレの脱却への歩みが確実に始まっていますが、庶民の生活や中小企業に実感が得られるまでには至っておりません。今年はその実感が得られるよう全力を尽くします。

災害も頻発し、首都直下地震・南海トラフ巨大地震も切迫し、耐震化や老朽化対策も進めなければなりません。安全・安心の街づくり、スポーツや生活の充実に力を注ぎます。現場第一主義で働いてまいります。

本年が皆様に良き一年でありますようお祈り申し上げます。


人生8勝7敗.png

元大関・琴風、尾車親方。現役時代は大関への期待がかかった時に左ヒザじん帯断裂の大ケガで幕下まで陥落、再起を果たしてまた関脇で左ヒザ半月板損傷。再び立ち上がり初優勝して大関へ。また右ヒザじん帯損傷で引退――。尾車親方となって苦節13年、ついに関取を誕生させるが、昨年4月4日、巡業先で転倒して頸髄捻挫の重傷。首から下が全く動かせない全身麻痺の状況から奇跡の復活をついに果たす。

逆境、試練、苦難の連続、一寸先は闇、波乱万丈――。「勝つまでやることを、頑張ったというんだ」「何度転んでも起き上がるんだ」「ピンチを乗り越える力を持っている者にしか、試練は与えられない。自分は認められた男だと思って頑張れ」と自身に言い聞かせながらの人生が、琴風の人生だが、「琴の音が、風に乗って響く」琴風らしく、ものすごく謙虚に静かに語っている印象的な本だ。


12月26日からインドネシアの首都・ジャカルタを訪問して関係大臣との会談、現地視察を行い、29日早朝に帰国しました。

会談は、ブディオノ副大統領、ハッタ経済担当調整大臣、マンギンダアン運輸大臣、ジョコ公共事業大臣、マリ観光・創造経済大臣、シャムスル国家防災庁長官の6人と連続して行いました。

インドネシア①.jpg  インドネシア②.jpg  インドネシア③.jpg

会談では、①MPA(ジャカルタ首都圏投資促進特別地域)プロジェクトなどインフラ整備の推進②防災協働対話の実施など防災面での協力強化③双方向の観光交流の促進――などについて協議を行い、インドネシアとの重層的な協力関係の強化を図りました。今回のインドネシア訪問によって、インフラ整備、防災、観光などの分野における、我が国とインドネシアとの相互理解が深まったと思います。

今回の訪問で改めて感じたのはインドネシアの高いポテンシャル。人口は約2億4千万人でASEANの約4割を占め、資源も石炭、天然ガス、銅、ニッケル、パームオイルなどきわめて豊富です。ASEANで唯一のG20のメンバーでもあり、国際社会でも急速に存在感を高めています。しかしその一方で、社会インフラは大幅に不足しています。遅延が頻発する空港、港へ向かうトレーラーや船が列をなす港湾。とくに、ジャカルタ市内の渋滞はきわめて深刻。また、上・下水道の整備や洪水対策の基盤となる排水機場の整備なども大幅に遅れています。

これらの協力関係がさらに強化されるために、今回のインドネシア訪問が意義をもつものになりました。

その後、インドネシア最大の港であるタンジュンプリオク港、同港へのアクセス道路の工事現場、更にはジャカルタ市内の8割の排水を担うプルイット排水機場の工事現場を視察。いずれも日本企業が大きな役割を担っています。かつてオランダが当地進出の拠点とした東インド会社の政庁舎も視察しました。また来年開設予定の日本政府観光局(JNTO)ジャカルタ事務所の準備状況を視察し、職員を激励するとともに、地元テレビに出演し、日本の良さやイスラム圏旅行者の受け入れ環境の整備やサービスの充実についてPRしました。

インドネシアとのいっそうの連携強化に向け、戦略的な対応が必要です。インフラ、防災、観光――国土交通省が大きな役割を担います。頑張ります。







おとなの背中.png

「如実知見」「諸法実相」――本書の哲学者の思考にふれて私の感じたことだ。「哲学は人間学だ」とつくづく思う。大人の人間学、熟練・練達の人間学だ。「教育」「育てる」ということは、教えるのではなく、「伝える」こと。背中で・・・・・・。「期待のされすぎはなぜしんどいのか」「期待のされなさすぎはなぜしんどいのか」――期待の過剰と期待の過小の社会。資格が問われ、選別されてばかりの社会。存在をかき消されてしまう社会。そのなかで人は自分の存在を「できる・できない」の条件を一切つけないで認めてくれる人を求め、溺れているかのようだ。複雑・多様・正解のない現実をどう受け容れるか。独立ではなく自立を、不如意への「耐性」が必要だという。

「文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増す(寺田寅彦)」「この国のほとんどの人は飢餓や戦争をはじめとして、生存が根底から脅かされるような可能性を考えないで生きている」「現代の都市生活はじつはたいへんに脆い基盤のうえに成り立っている。ライフラインが止まれば、人は原始生活どころかそれ以下に突き落とされる」「人は、その生活を"いのちの世話"を確実に代行するプロフェッショナルに委ね、自分たちでやる能力をしだいに失い、とんでもない無能力になっている」――。2007年以降、新聞や雑誌に寄せたエッセー集。いずれもどっしりして、根源的に考えさせられる。


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「小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題」と副題にある。「近代の政治理論は主権を立法権として定義している」「そして現代の民主主義において民衆は、ごくたまに、部分的に、立法権に関わっているだけだ」「しかし、より大きな盲点は、実際の政治・政策の決定が、議会という立法機関(国民主権の行使の場)ではなくて、執行機関に過ぎないはずの行政機関においてなされている。議会ではなくて役所でなされているということだ」「行政が全部決めるのに民主主義社会と呼ばれ続けている、ということだ」――。さらにそのうえで、ボダンやホッブスやルソーにおいて、主権が立法権として定義されている事実を示しつつ、「現代の危機は、単に民主主義や人民主権の危機なのではなく、主権の危機である。・・・・・・統治は本質的に、法や主権から分離していく可能性を孕んでいる(大竹弘二氏)」。「主権による立法によって統治を完全に制御することなど不可能であり、行政は行政自身で統治のために判断し、決定を下す」ことを明らかにする。現代議会制民主主義の盲点、欠陥だ。

そして、いくつかの提案がされている。「制度が多いほど、人は自由になる(ドゥルーズ)」「住民投票制度についての4つの提案」「審議会などの諮問機関の改革」「諮問機関の発展形態としての行政・住民参加型のワークショップ」「パブリック・コメントの有効活用」・・・・・・。議会制民主主義に強化パーツを足して補強する。それがジャック・デリダの「来たるべき民主主義――民主主義は実現されてしまってはならない、民主主義は目指されなければならない」が志向の線上にあるとする。

「政治家―官僚―民衆」を議院内閣制のなかで常に考える日々だが、本書は近代政治哲学の重大な欠陥を住民運動の実践と思索のなかで剔抉してくれている。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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