原敬の大正.JPG「日本の近代史で最も重要な人物五人を挙げるとすれば、福沢諭吉、西郷隆盛、原敬、北一輝、昭和天皇だろう」と松本健一さんはいう。

「原敬(たかし)が直面したのは近代民主政治、つまり主権在民の政治と主権が天皇に在る明治憲法との矛盾である」「北一輝という革命的ロマン主義者と原敬という稀有な保守的現実主義者との対立は、大正という時代の矛盾そのものであったかもしれない」「原敬はまさしく、現実をあるがままに見るリアリズムの政治家であった。そして、その現実主義のうえに立って国家統治をプラグマチック(実務的)に処理していこうとした」「国家は伝統(道徳や宗教や慣習)を引き受けつつ、漸進的な改革を行い、そのことによって社会秩序を維持しなければならないというのが、彼の保守主義であった」「大正時代に最初の政党内閣を組織した原敬は、西洋近代文明を議会、民主主義、政党政治で具体化、定着させた。藩閥政治を抑え軍閥政治の危険性を見抜き、軍部が天皇の名を利用し独走するのを防ごうとした」――。

明治維新から明治、そして立憲政体、国会開設運動。大隈重信、伊藤博文、陸奥宗光、山縣有明、西園寺公望、後藤新平、桂太郎・・・・・・。原敬の「政治は力である」は政党に結集する力を源泉とするが、藩閥と戦い、寺内内閣のシベリア出兵と戦いつつも、時には現実主義の欠陥もさらけ出す。激流の時代のなかで、堅固な意思と柔軟性をもって厳と立つ丈夫あってこそ社会の安定は築かれる。そして大正から昭和へ。大衆共存党(永井柳太郎)に現われる無産大衆の生活不安からの解放を志向するファシズム革命思想の流れのなかから大正10年の安田善次郎刺殺、原敬暗殺が生まれたという。凄みを感ずる大作、力作だ。


つれづれ1202①.JPG
12月1日、青空が広がり暖かな快晴。師走――。早朝より少年野球歓送迎試合や地域ではいっせいに「もちつき大会」などが行われました。

もちつき大会は盛り上がり、地域を一つにします。12月から2月上旬まで、各町会で行われますが、昨日も多くの方々と懇談をしました。

つれづれ1202②.JPG




日沿道 開通式典1130.jpg11月30日、秋田県へ行き、日本海沿岸東北自動車道(通称、日沿道)の大館北・小坂間(16.1㎞)の開通式に出席。さらに、開通に合わせて工場立地が急ピッチで進む工業団地を視察しました。

日沿道は、秋田県から山形県、新潟県に至る日本海沿岸の国土軸を形成する重要な道路。今回その北側の起点となる大館北・小坂間が開通し、これまで高速道路がなかった大館市が、東北の大動脈である東北自動車道に一気につながりました。大館市、小坂町は、秋田市、青森市、盛岡市のちょうど中間にあり、これからは北東北の中心として重要になります。

開通式で私は、「本格的に雪が降る前に開通の日を迎えることができて、地域の皆さんに大いに喜んでいただけると思います」と挨拶。地元の佐竹敬久知事、小畑元大館市長、細越満小坂町長から、喜びと感謝の挨拶が続きました。

この道路の開通による大館市の経済効果は絶大です。開通に合わせるように工場進出が進み、昨年は12社15工場が新たに立地。新規雇用も増え、高卒求人倍率は全国平均の2倍の多さです。これからもレアメタルのリサイクル産業や広域観光などで、地域にますます活気が出ることが期待されています。進出工場の一つ、医療機器メーカーのニプロ(株)の小林工場長からは、「高速道路を利用して、太平日沿道 開通式 1130.jpgのサムネイル画像洋側の港からも日本海側の港からも、全国、さらには世界に向けて輸送できるので利便性が高まる。命に関わる製品を安定的に供給できる」と説明がありました。

道路がつながりネットワークができることによる地域の皆さんの喜びを強く実感しました。


わたしが死について語るなら.JPG「日本人の心の底に流れる"無常観"」「日本には"無常"の風が吹いていた」――。生老病死、四苦八苦、諸行無常、日本人の自然観・無常観・人生観のなかから、"平等と個性の時代""ひとり恐怖の時代"を克服せよ。「ひとり」ですっと立って人生を歩きはじめよう、という。

北原白秋の詩「金魚」、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」「永訣の朝」、金子みすゞの「大漁」「海へ」「光る髪」、そして「源氏物語」「平家物語」など、改めてその境地を示してくれる。


高知 起工式1124.jpgのサムネイル画像  高知視察1124.jpgのサムネイル画像

「南海トラフ巨大地震の津波から命を守ろう」――。11月24日、高知県に行き、国が直轄で工事を行う海岸堤防の起工式(土佐市)に参加。続いて、日本で最も高い最大34mの津波が押し寄せると想定されている黒潮町に行き、対策を協議しました。

まず、海岸堤防の起工式。この事業は、土佐市の仁淀川河口から南国市に至る高知海岸で進めているもので、今回は新居工区約1.7㎞を着工しました。大きな特徴は、堤防の耐震化とともに液状化対策を施していることです。堤防が震度7の揺れで倒れたり、液状化で沈下してしまっては役に立ちません。このため、粘り強い堤防に強化することが不可欠です。起工式では、地元の尾崎正直知事や板原啓文土佐市長から、地域の安全性が高まることに期待と感謝の挨拶がありました。

そして黒潮町。昨年34mの津波想定が発表されたときは、「もう何をやってもムダ」と諦めの声が強かったそうです。しかし、大西勝也町長をはじめとする町の全職員約200人が、各地区を回って少人数で話し合いを実施。世帯ごとにどのように避難すればよいかというカルテを作成しています。その結果今では、「よし、防災・減災に取り組もう」と意識が前向きに変わったそうです。町長からは、「ソフト対策は続けていくが、高台の避難場所や海岸堤防などハード対策が緊急に必要」と要望を受け、高台を「命の山」として整備することなど今後の対策を協議しました。

その後、中山間地の集落活動センターに行き、地域の皆さんの活動を視察しました。

広範囲で甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震。ハード、ソフト両面での対策が各地で進むよう、しっかり取り組みます。

高知視察②1124.jpg  高知 視察 打ち合わせ1124.jpg 

<<前の5件

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ