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暖かな春のような日差しとなった23日、赤羽台団地の「観梅会」が開催されました。馥郁とした梅の香りのなか、多くの方々が集い、甘酒をいただきました。今年は例年よりも約2週間、開花が早かったようです。さわやかな懇談ができました。


又蔵の火.jpg藤沢周平の初期の作品集。昭和48年直木賞受賞作「暗殺の年輪」の前後に書かれた短編。「又蔵の火」「帰郷」「賽子無宿」「割れた月」「恐喝」の5編でとてもいい。「話の主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」「読む人に勇気や生きる知恵を与えたり、快活で明るい世界をひらいてみせる小説が正のロマンだとすれば、ここに集めた小説は負のロマンというしかない」と藤沢氏自身が語っている。

「又蔵の火」は、素行が荒れて放蕩者、一家の面汚しとして殺されるに至った兄、死ぬことでかえって皆に安堵された兄に対して、「兄に代わって一矢報いたいと仇討ちをする又蔵」。その心に宿る"火"を描く。「帰郷」の宇之吉、「賽子無宿」の喜之助、「割れた月」の鶴吉、「恐喝」の竹二郎。まさに負を背負い、かすかな善意を人一倍感じて命を差し出す"名もない""世の片隅に追いやられた"男の宿命、悲哀が描かれる。もの悲しいが心に浸り入る。

「帰郷」は今年1月、映画化され全国で上映されている。主演は仲代達也、監督は杉田成道。舞台となる信州・木曽福島は御岳、木曽駒ケ岳などの美しいアルプスの山々と空、キリっと引き締まった空気が、家族を捨てた老境の男の懺悔と贖罪を際立たせる。映画も原作もともに秀逸。小説がいいと映像が見劣りすることが多いが、この映画は作品に奥行きと美しさと苦悶や切なさが明らかに付加されている。

「一矢報いる」「自らの人生に決着をつける」――。最終の命の火を誰かの為に使いたいと人は思う。その負のロマンに心を揺さぶられる。


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2月22日、甲府で行われた公明党山梨県本部(代表=佐野弘仁県会議員)の「新春の集い」に出席、挨拶をしました。

これには公明党の高木美智代衆院議員、平木大作参院議員、角田秀穂前衆院議員ほか、自民党の森屋宏参院議員、堀内詔子衆院議員、長崎幸太郎・山梨県知事、各市町村長、各種団体の代表ら多数の来賓が出席しました。

「新春の集い」で私は、新型コロナウイルスへの対応、山梨県の防災・減災、景気・経済に力を入れることの重要性を訴えました。

また、この日の午前中には地元北区で赤羽消防署新庁舎落成式が行われ参加、挨拶しました。


宇宙開発の未来年表.jpg宇宙空間は大変なことになっている。凄まじい激しい競争になっている。この1、2年でも次々と歴史を画する打ち上げ、それも多数の民間企業の参入によって、イノベーションが次々と起こり、「人類宇宙進出へ怒濤の2020年代」が始まった。宇宙観光旅行がスタートし、宇宙ホテルも2022年開業となる。2024年には人類が再び月面着陸をめざすアルテミス計画、月の周回軌道上のステーション「ゲートウェイ」の建設や火星への有人着陸計画も動き出している。

宇宙にはいまや1万9000個もの物体があるという。衛星が約5000個、衛星を打ち上げたロケットの上段が約2000個、ミッション機器が約2000個、ゴミ破片のスペースデブリがなんと約1万個もある。宇宙交通管理が不可欠だし、安全保障の問題もある。安全保障では2007年に中国が行ったASAT(衛星破壊)実験によって状況が一転し、自国の衛星をどう守るかは、気象観測・通信・安全保障・経済全般にかかわる重大な問題となっている。米、ロ、日、ヨーロッパの宇宙開発先行組に中国、インド、そして新興国が、あらゆる可能性を探って宇宙開発新時代の幕が開いたのが今だ。

「2020年は宇宙観光元年――サブオータビル宇宙旅行から宇宙ホテル、そして商業宇宙ステーションへ(ブルー・オリジン社の商業宇宙旅行、アクシオン・スペース社の宇宙ホテル、スペースX社は月旅行、低軌道は民間に任せるというアメリカの政策)」「2024年、アメリカが再び月着陸を目指す『アルテミス計画』――月着陸のカギは国際協力で建設するゲートウェイ、オバマ時代の空白の8年間を取り戻す」「人工衛星はコンステレーションの時代(低軌道小型衛星群)へ――地球観測衛星もコンステレーションの時代」「大型ロケットも小型ロケットも群雄割拠の時代に――ロケット・ラボ社の成功とヴェクター社の失敗、空中発射式の衛星打ち上げも実現間近」「独自の路線で開発を進める宇宙新興国――急進する中国、インド」「宇宙と安全保障――衝撃与えた中国の衛星破壊実験、衛星破壊の手段、SSAからSDAへ、商業衛星のデータを偵察任務にも活用」「進む太陽系探査計画――太陽、水星、金星、月、火星、木星、土星、小惑星」――。

日本は技術も高く、ベンチャーも生まれている。激しい協力と競争の世界に目を向けなければならない。


「頭がいい」の正体は読解力.jpgAI時代が加速する。AIは「意味」がわかる訳ではなく、ただデータの蓄積、計算機にすぎない。だが一方では、どうも人間がいつの間にか「意味」がわからず「読解力」のないものになり果てる危険に直面している。とくに「生徒たち、若者たちの読解力が壊滅的だ」という。

「読解力、すなわち物事を読み取り、理解する力。これこそが人間社会で生き抜くために不可欠な力だと断言する」「人間は、日々、読み取って生きている。・・・・・・読解のできない人間は文章を読み取れないだけでなく、状況も読み取れない。人の心、人間関係、社会状況、自然現象等も理解できない。読み取れない」「クレーマーが増えている。読み取りができないために、自分が正しいと信じ、周囲の常識的な読み取りが理解できずに、孤独な攻撃をしているのではないか。しかも読解力のない人も発信する手段を得たのが今だ。クレーマーと読解力不足は通底する」という。

そして、「語彙力を鍛える(言い換え力を鍛える、言葉を自分のものにする)」「文章力を鍛える(書けない人は読むこともできない、書くことは思考を明確にすること)」「読解力を鍛える」「読解力を使いこなす(読後感を発信する、日常のコミュニケーションにいかす)」などを示し、読解力を鍛える練習問題を具体的に提示している。「読書量の決定的な不足」「ネット記事、短文SNSの普及」の時代に反転攻勢をかけないと、人間社会はうるおいを失ってギシギシと崩れていく。幸せになれない。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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