「構図が変化し始めた国際情勢」が副題。とくに東アジア情勢は北朝鮮の核・ミサイル開発、トランプ政権の誕生などから米朝緊張のなかにある。米中露、そして日本、韓国はどう動くか。自国の位置と役割を冷静かつ立体的、戦略的に考え対応しなければならない。しかも英国のEU離脱、米国のトランプ現象、日本も含めてポピュリズムに巻き込まれ、政治指導層の劣化が顕在化している、と宮家さんは懸念する。
南シナ海、中東・・・・・・。危機感が本書から迫ってくる。だからこそだと思うが、きわめて丁寧に、人類の歴史と戦争を説き起こし「力の空白・真空」という概念を使って、危機とそのプレーヤーのあり方を分析する。
国際関係論の主流は「勢力均衡」理論だが、動体視力を駆使しなければならない今、「力の空白・真空」という概念を出す。そして「『大真空』とは、一般現象としての『空白・真空』ではなく、『権力が行使されない』状態が、『数か月から一年程度の比較的短い期間内に生じ、それが政治的、軍事的に大きな影響を周辺に及ぼすような状態』だ」と定義する。
「国際社会と日本がなすべきこと」「日米韓で朝鮮半島の『力の大真空』を埋める」「南シナ海で柔軟かつ積極的に果たす役割」・・・・・・。
構造的分析から重要な提起がされている。
8日、日本チャリティ協会(髙木金次会長)が主催する「2017アジア・パラアート-書-TOKYO国際交流展」に出席しました。会場は、話題を呼んでいる豊島区庁舎一階の「としまセンタースクエア」です。
この国際交流展は、8年前にオリンピック・パラリンピックの招致活動の一環として企画され、今回、アジア16か国の方々が参加され4回目の開催。障がい者アートのもつ可能性を追求し、2020年に日本を訪れる海外の方々に「書」の魅力を知っていただくことを目標としています。大変意義のある試みです。
オープニング式典では、日・中・韓の書家によるオープニングパフォーマンスが行われ、ダイナミックかつ繊細な実演に、多くの参加者から感動の拍手が送られました。
障がい者の文化芸術活動をさらに推進していきます。
大正デモクラシーから昭和の戦前・戦中に生き抜いた人々。とくに最も精神の抑圧された1930年~45年の「暗い時代」に「精神の自由」を掲げて戦った人々を描いたという。それは「良心的な文化運動なども圧迫されがちで、軍国主義的色彩は強くなるばかりの時代」「『人権の尊重』『言論の自由』などと説くと、危険思想と言われた暗い時代」「窮屈で、貧しく人が死んでいく時代」であった。
日本人9人の生涯が描かれる。「粛軍演説」「反軍演説」の斎藤隆夫、社会主義運動と女性運動に奔走した山川菊栄、生物学者をめざし、社会運動家として活躍した山本宣治(山宣)、アメリカで恐慌をベルリンでナチスの台頭を見た竹下夢二、日本で初めての婦人の社会主義団体・赤瀾会の創立メンバーで産児制限運動と労働運動に奔走した九津見房子、京都で反ファシズム雑誌を作り支えた斎藤雷太郎と立野正一、マルクス主義哲学者・古在由重、終生のわがまま者にしてリベルタン・西村伊作だ。
世界史の激流と思想の激突、社会の底で苦悶する民衆、女性と権力の弾圧・・・・・・。短編であるがゆえに血がにじみ鮮烈だ。