福島第一③.jpg

22日、東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の構内を視察し、汚染水対策の進捗状況や作業員の労働環境を調査しました。

まず、防護服に着替え測量計を装着。高台から原子炉1~4号機を俯瞰した後、汚染水対策の切り札とされる「凍土遮水壁」の現場を視察しました。

同施設は、原子炉建屋周辺の地中を約1.5キロにわたって凍らせ、汚染地下水の発生量を大幅に減らそうというものです。この後、汚染地下水を汲み上げ、浄化後に海洋放出している「サブドレン計画」の運用状況を視察。さらに、今年10月に完成した全長約800メートルの「海側遮水壁」なども見て回りました。

来年3月11日で丸5年となります。廃炉に向けた各種作業が進められていますが、さらに取り組んでいかねばなりません。現在、現場の作業員は7000人に及んでおり、懸命な作業が続けられています。

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在宅介護.jpg団塊の世代が75歳以上となる2025年問題。私はそれが80歳以上となる2030年問題がより深刻だと思うが、介護の問題は切羽詰まった段階に来ている。

副題に「『自分で選ぶ』視点から」とあるように、介護の実態をわかりやすく説明している。「施設介護から在宅介護へ」は政府の大方針だが、施設も在宅介護も困難に直面している。「在宅介護の困難さ」「サ高住」「介護離職者10万人」「パラサイトシングル介護者の増加」「認知症高齢者の急増」「地域包括ケアシステム」「施設あっての在宅介護」「看護と介護(医療と介護の表裏一体)」「介護士不足」「介護保険制度の改正がもたらしているもの」「あるべき在宅介護と財源論」・・・・・・。

「介護」については、たしかにキメ細かく体制をとってきた。しかし、高齢者急増の大波に応える体制が財源的にも整えられない。医療も含めて"担い手"の不足がより深刻化している。さらにそもそも高齢者はどう生きていくか、生活していくか、という根源の問題が重くのしかかっていて厳しさを増している。裕福で人にも恵まれている高齢者は少ない。本書は現場の実態と「介護のあり方」の道筋を冷静に示している。


Yの木.jpg「たそがれ」「首飾り」「シンビン」「Yの木」の4つの短編集。いずれも精緻に人生を深層から描き、円熟を感じさせる。

第一話の「たそがれ」では、和歌山の貧しく素朴な姉弟が、楽しみにしていたユニバーサル・スタジオ・ジャパンで会う。つらい人ほど、純粋な愛情がかわされることや、互いのかすかな変化に、日常が脆くて危なっかしいものであるかが浮き彫りにされる。

その「人生の脆さや危なっかしさ」が、他の小説でも描かれる。「Yの木」では、大瀬東二の「ガラスの壁」、カミュ、カフカの作品が深く心層に根付き、老年の喪失感は死と直結することを描く。それは、老年における"生の意味"を問いかける。


軽減税率1.jpg

16日、与党の税制改正大綱が決定。17年4月から消費税率を10%に引き上げるのに合わせて「酒類、外食を除く食品全般と新聞の税率を8%に据え置く」という軽減税率の導入が決まりました。

「10%になっても、せめて食品は消費税を上げないでほしい」という庶民の願いが実現したものです。消費税は1%で約2.8兆円。従って2%で5.6兆円となり、約1兆円が軽減となります。この必要な財源については「『社会保障と税の一体改革』の原点に立ち、16年度末までに歳入および歳出における取り組みにより、与党の責任において、確実に安定的な恒久財源を確保する」としました。

高齢化が進むなか、社会保障費は急増しており、現在は消費税8%で約22.4兆円ですが、それではとても社会保障費はまかなえません。急増する社会保障の財源確保の為には、税制だけでなく経済全体の活性化(稼ぐこと)、行政改革などが重要です。団塊の世代が75歳以上となる2025年をはじめ、将来の日本のために更なる努力が必要です。


欧州統合、ギリシャに死す.jpgギリシャ問題の解決は難しい「終わらない危機」だ。まずギリシャという国が、歴史的にも地政学的にも重要であるとともに、1820年から今年2015年までの195年間のうち90年以上が「債務不履行期間」に当たる"常習犯"であるということだ。そして今もチプラス政権の迷走、支離滅裂な行動は続いている。そして「ユーロという仕組みは"矛盾"を内包した仕組みです。そこにはドイツとフランスという二つのリーダー国の根本的な思想の違いに起因する"矛盾"が存在する」「欧州統合は、フランスにとっては文化的な"夢"であり、ドイツにとっては経済的な"現実"であり、ユーロ加盟国に厳格なルールを導入しようとしている(欧州統合の夢か、ゲルマン・エリート・クラブか)」という根本矛盾が背景にあると指摘する。

ギリシャは今、極端な緊縮財政がとられ、GDPは2008年から1/4ほど消滅し、失業率は25%と大恐慌時のアメリカ並み、若年者の失業率は50%以上、今後さらに第三次支援策の下でも強引な緊縮策が予定される。

ギリシャの危機は、ギリシャを超えて「ユーロ自体の存続の問題」にまで拡大しているが、竹森さんは一つの解決法としてドイツ、フランスが交わりようのないそれぞれの考えのなかで、「ギリシャは特例だ」という認識をもち、「一番無理のない方法でいずれにしても必要な"債務の減免"を実行する」ことだと提起する。今年のギリシャ、独仏、IMF等の動きを丁寧に分析し、その構造を解説している。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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