なぜ、日本人は横綱になれないのか.jpg

表題とは違って、舞の海さんの相撲とともに歩んだ人生と、大相撲に寄せる相撲哲学、相撲道が語られている。だから朝青龍はもとより、白鵬に対してさえ、張り差しなどはやめよ、堂々たる横綱であれと厳しい。佐田の山親方、貴乃花の姿にふれつつ、境川部屋の親方や豪栄道に「豪栄道は相撲の型をつくれ」と期待を寄せる。


淡々と語っているのが印象的だが、あの身体で、あんな相撲がとれるまでの激しい稽古と研究は書いてない。ちなみに日本人の横綱は、1998年の三代目若乃花誕生以来、生まれていないし、2003年貴乃花引退以来、横綱はいない。優勝も2006年初場所の栃東以来、日本人力士の優勝はない。


道路の日本史.jpg

「古代駅路から高速道路へ」と副題にあるが、古代律令国家の駅路整備から、鎌倉幕府による「鎌倉街道」のネットワーク、織田信長の幅三間半の公道規格、江戸幕府の五街道整備など、道路は人間の歴史とともに歩み、造られてきた。


「道路を見れば日本の歴史がよく分かる」「国がしっかりしている時代は、道路網もまた強固である」「日本では昔から道はほとんどすべて公道であった。日本の道路総延長121万キロのうち、84パーセントの102万キロが市町村道である。市町村道100万キロは日本の誇りである」「日本は土地が少なく極限まで有効利用するから、そのために道路が必要なのである。日本は"道路王国"ではなく、"道路がなくては生きてゆけない国"であり、"道路を公のものとして大事にしてきた国"なのである」という。まさに今日に至るまでの「道路の日本史」を技術も含めてあますところなく詳述した著作だ。


新田小 かけっこ0621.JPG   新田小 綱引き0621.JPG

20、21日の土日、地元では運動会、赤羽消防団の消防操法大会など諸行事が行われました。


先日、荒川下流における「タイムライン」を全国の先駆を切ってスタートしましたが、その要になるのが赤羽消防団です。生業のかたわら貴い働きをしているのが、「わが町をわが手で守る消防団」です。


また最近、赤羽の街は、下町の、情緒・人情あふれる街としてテレビ等でよく紹介されます。商店街を歩き、さまざま懇談しました。

赤羽すずらん0621.JPG


公器の幻影.jpg鹿島謙吾は販売部数1000万部を誇る東西新聞社の社会部記者。途上国での臓器売買問題に狙いをつけ、西安に出張し、少数民族の死刑囚からの臓器摘出の実態を報道した。それは、臓器移植のための海外渡航を困難にし、一方では、12年ぶりに国会において臓器移植法改正議論が始まることとなった。そして取材を進めると、移植を生死をかけて待っている人とその家族、提供するドナーと家族の重い決断、生命倫理の深淵と、社会の公器としてのマスコミの影響の重大性。それに加えて臓器提供に関する情報隠蔽や政治献金の問題に突き当たる。謙吾の思考の堂々巡りは果てしなく続く。そして決断・・・・・・。その後もその影響と責任は重くのしかかる。政治と行政とマスコミを知る芦崎さんの心情と絶妙のバランスが、難題でありながらリズムを奏でる。


利休の闇.jpg

秀吉と利休――何が亀裂をもたらし、何が切腹という結末をもたらしたのか。興味の尽きないテーマで、多くの人が、分析し、論述している。


「信長の棺」の加藤廣さんは「出会い」「蜜月」「亀裂」「対立」「終幕」を本書で著わしている。ドラマティックとか、ミステリアスではなく、淡々と描いているがゆえに逆に、大変面白かった。私は利休という名自体に興味を持ち続けているが、宗易から「利休」への改名の理由、背景、タイミングが描かれ、黄金の茶室のもつ意味も、秀吉の単なる低俗な悪趣味でないことが、解き明かされる。当時の「茶」会、茶道がいかなる時代背景の中で生まれ、使われ、確立されてきたか――単なる伝統文化だけでないのは確かだ。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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