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6月3日、都内で開催された「第10回水害サミット」に参加しました。


この会議は、大きな水害を経験した市町村長が毎年集まり、自らの経験を通じて得た教訓を議論して、今後の防災・減災に役立てることを目的としたもので、今年で10回目。貴重な経験に基づく実践的な議論が10年にわたって継続していることは大変有意義です。私は昨年に続き2度目の参加ですが、國定勇人・新潟県三条市長、中貝宗治・兵庫県豊岡市長、西田健・和歌山県紀宝町長、佐藤義興・熊本県阿蘇市長など16名の首長さんたちが集まり、熱心な議論が展開されました。


今年の3月には、これまでの成果が「防災・減災・復旧 被災地からおくるノウハウ集」として本にまとめられました。その冒頭には災害時にトップがなすべきこととして11項目が集約されており、私は「全ての市町村長が必読すべき内容だ」と述べました。


・「命を守る」ということを最優先し、避難勧告を躊躇してはならない


・判断の遅れは命取りになる。トップの決断を早くすること


・人は逃げないものであるということを知っておくこと


・大量のゴミ対策を


など、ギリギリの場面でどう住民に危機を伝え的確な指示を出すか、現場で悩み苦しんで得た珠玉のノウハウ集です。

 
九州、四国など西日本は既に梅雨に入り、出水期を迎えています。昨年は気象庁の特別警報が始まり、今年はタイムライン(台風上陸前の時間軸に沿った防災行動計画)を策定するなど新たな取り組みが進んでいますが、水害サミットの教訓を今後の防災対策にしっかり活かしていきます。


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「平成政治史1」、岩波書店とくれば、学術書と思うが、「崩壊する55年体制」と副題にあり、ドキュメントだ。しかも、政治の現場に常にいた後藤さんが、すぐれた動体視力と皮膚感覚でとらえ、政治家の肉声が散りばめられている。「政治は一寸先が闇」というが、まさに激動の90年代。「俺は今、どこの党かと秘書に聞き」の川柳のごとき、離合集散、生々しい権力闘争の時代だ。昭和63年(1988年)12月24日、竹下内閣から本書は始まる。宇野内閣、海部内閣、宮澤内閣、細川内閣、羽田内閣、村山内閣、橋本内閣までが描かれる。私が政治への道に進んだのが1988年秋。ちょうど本書とダブる。読むうちに、1つ1つが、くっきりと映像となって蘇ってくる。当然、現場にいた私なりの解釈もあるが、肉声と全体像、政治記者としての距離感がバランスよく絶妙だ。激流というより濁流の中で、とにかく前へと泳ぐような日々だった。またそれだけに、多くの方々との人間関係にも恵まれたと思う。


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真夏を思わせるカッと照りつける太陽の下、5月31日、地域ではいっせいに小学校等の運動会が行われました。80m走、対抗リレー、よさこいソーランやエイサーなどの踊り、騎馬戦をはじめ、熱中症に気を付けながらも、子ども達の元気さ、エネルギーがあふれていました。秋は行事が多いということで、この季節の運動会が増えているようです。地域の方々といろいろ懇談をしました。


6月1日には、運動会のほか、消防団の操法大会等も行われました。いよいよ出水期を迎えます。仕事が忙しいなか、地域の為に努めていただき、本当に感謝です。


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「いつの時代も、どこの土地でも、叔父さん的な人がいたのだと思います。世の中の常識に対して『ほんとかな?』と疑問を投げかけ、若者たちの悩みに役に立つんだか立たないんだかよくわからないアドバイスをしてむしろ混乱に陥れるような叔父さんが」――。父でもない、兄貴でもない、"おじさん"の哲学だ。


叔父さんは常識にとらわれない。時代に抗する。叔父さんはひねくれている。自分で考えている。やたらと博覧強記だ。カッとしない。ちょっと不良で、ちょっと"ええかげん"で、やさしい。叔父さんは「聴いてくれる」。叔父さんは別の次元があるのを教えてくれる。焦らず、強がらず、寛容だ。中心よりも周縁に立っている。叔父さんは好きなように生きる。既成の価値観を破壊する。


永江さんは「まじめな人はこわい」「多数派はいつも間違える」「現代の日本は他人に対して不寛容な社会になっている」などと語るが、もうそれが哲学になっている。また取り上げている人物がすごい。内田樹、高橋源一郎、橋本治、吉本隆明、花田清輝、山口昌男、生田耕作、鷲田清一、松岡正剛・・・・・・小田実、鶴見俊輔、それにソクラテス、親鸞など、錚々たる人たちだ。私よりちょっと後の昭和50年代からの時代と思想が浮かび上がってくるが、こんなに柔らかく20余人の思想・哲学を語ってくれる永江さんはすごい。面白い本。


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「九次元世界にあった究極の理論」と副題にある。「超弦理論のような物理学の最先端でも、日本語の力で深く解説できるということを象徴したい」という要請を受けての大栗先生の著作。難解であるのは当然だが、これ以上の解説はできないと感謝したいくらいだ。


空間とは何か、時間とは何か――その自然界の最も基本的な法則を理解すべく野心的な目標を掲げる超弦理論。それは重力現象についてのデータと、素粒子現象についてのデータのどちらとも適合する唯一の仮説でもあり、素粒子物理学における究極の統一理論の候補だという。先駆者シュワルツをはじめ、数多くの学者、哲学者、数学者がいかにかかわって現在の地点に進んで来たかを示している。「原子→原子核と電子→陽子と中性子→クォーク」「素粒子の標準模型では17種類の素粒子を、物質のもとになるフェルミオン(原子・ニュートリノ・クォーク)を、物質の間の力を伝えるボゾン(電磁気力・強い力・弱い力を伝える光子・グルーオン・W粒子・Z粒子)に大別する」「超弦理論では弦が普通の座標の方向に振動するとボゾンになり、グラスマン数の座標の方向に振動するとフェルミオンになる」「超弦理論は、私たちの空間が普通の空間ではなく、超空間であり、普通の数字で決まる座標のほかに、グラスマン数という不思議な数を座標に使う"余剰次元"が存在すると予言する」・・・・・・。そして「空間は幻想」と。


最先端で格闘する大栗先生をはじめとする世界の学者は、本当にすごい。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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