電車やバス、デパートなどで、ベビーカーが利用しやすくなるように、バラバラであったマークを統一し、新しい「ベビーカーマーク」を決定、公表しました。
「もっとベビーカーを安全で使いやすくしてほしい」「邪魔だといわれたりしたが、理解してほしい」――こうした声を受けて、昨年6月から有識者協議会でまとめてきたものです。国会の委員会でも昨年5月、山本香苗参議院議員(公明党)から強い要望を受けました。
3月26日、「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」から新しいベビーカーマーク、理解を求めるポスターとともに、提言を受けました。これから公共交通機関をはじめとして、掲示されたり、ビラが配布されます。
子育ての応援はものすごく大切なことです。またバリアフリーなどのユニバーサル社会の推進にさらに頑張りたいと思います。
「ミネルバの梟(ふくろう)は黄昏(たそがれ)に飛び立つ」――ヘーゲルの「法の哲学」の言葉だが、私も哲学の、時代総括と次代への備えについて時おり語ってきたものだ。それが富士フイルム先進研究所のシンボルということに心が躍った。その哲学的深さと、勇気ある挑戦があるゆえに、写真感光材料の全盛時代の黄昏から新たな創造を生み出す。デジタルカメラの登場、デジタル化時代の襲来、本業消失の危機を乗り越えたのだと思ったからだ。
「技術志向の富士フイルム」「現実を見る勇気、将来に投資する覚悟」「富士フイルムは写真文化を守る」「富士フイルムが手がける医療、化粧品の理由」「勝ち続ける企業は、変化にすばやく、うまく対応できる企業であり、そこからさらに進んで、変化を先読みし、先取りできる企業でなければいけない」「巨人コダックと富士フイルムを分けたもの」「有事のリーダーシップとそれに伴う責任」「ナンバーツーまでの勝負は竹刀、経営トップの勝負は真剣」「日本の製造業は技術力、人材力、成長ポテンシャルがあり、負けていない。日本人には頑張リズムがある」「PDCAよりSee‐Think‐Plan‐Doだ」――。
日本の課題として、日本企業のSGA費(販売費及び一般管理費)の高さをあげている。それは「ホワイトカラーが多すぎる。管理職も多く、現場で働いている人の数よりも、間接部門の人員が多い企業もある」としている。これはモノづくりをはじめ、日本の遭遇する最も深刻な問題だと私は思っている。日本の労働生産性の低さにもかかわることだ。現場力、業務遂行力の劣化も課題として指摘している。
間違いなく、「勇気」を届けてもらった。勇猛精進(敢(い)さんで為すを勇と曰い、智を竭(つ)くすを猛と曰い、無雑の故に精と曰い、間(たえま)無き故に進と曰う)が本書には貫かれている。

3月23日、京都・舞鶴に行き、海上保安学校の卒業式に出席しました。すばらしい晴天の下、感動的な式典でした。
海上保安学校は、倍率10倍を超える難関の採用試験を突破した学生に対し、海上保安官として必要な技能、知識を取得させる海上保安官の養成機関。この日は1年に及ぶ厳しい訓練を終了した170名が晴れて卒業しました。式典とともに学生による行進、記念撮影、記念植樹も行いました。
来賓など参加者からは「こんな感動的な卒業式に出会ったことはなかった」「校旗入場も学校長式辞も、とくに卒業生の答辞には涙が出た」との声しきりでした。それはこの一年の訓練が、厳しく、また師弟・友情の仁愛(海上保安庁のモットーは「正義仁愛」)にあふれるものだからだと思います。1年間の全寮制生活、朝6時半の起床、国旗掲揚、行進・運動、学業、実技訓練、食事の配膳、乗船訓練......。20歳前後の若者は鍛え抜かれて、卒業式を終えた昨日、ただちに配属された全国の海上保安庁の管区に赴きました。
国土の12倍、447万㎢を誇る日本の領海警備、海難救助、海上犯罪の取り締まり――海上保安庁の役割はますます重要になります。なんといっても大事なのは人材です。私は「在学中に学んだ知識、技能を十分に発揮し、活躍することを強く期待する」等と祝辞を述べました。

3月22日は「世界水の日」。それを記念して21日、都内青山の国連大学で開催された式典に出席し、基調講演を行いました。
「世界水の日」は国連総会で決定され、毎年世界で水に関する活動が展開されていますが、国連の式典が日本で開催されるのは今回が初めてです。式典には皇太子殿下のご臨席を賜り、海外からの参加者を含む約300名が出席。「水とエネルギーのつながり」をテーマにスピーチや議論が行われました。
皇太子殿下のお言葉をいただいた後、私が講演。洪水や津波、渇水など水に関わる自然災害が頻発する我が国で、古くから「無常」や「常住」の思想が生まれたことに触れながら、独自の水文化や技術が育まれたことを紹介しました。特に、「川をなだめ」「自然と折り合い」ながら発展してきた共生の治水技術や、水道から直接おいしい水を飲むことができることなど、我が国の水技術の展開を説明。「我が国の技術を活用して、世界の水問題解決に取り組む」と決意を表明しました。
その後の議論では、ジャロー・UN-WATER(国連水関連機関調整委員会)議長から、「環境、エネルギー、食糧、そして水関連の災害など包括的な水のガバナンスが必要。それができるのが日本だ」と強い期待が表明。ルワンダ、タジキスタン、ドイツの参加者からは各国の水事情や行政の取り組みが披露されました。
世界の水問題を共に考えるとともに、我が国の優れた技術を世界に示すいい機会ともなりました。
【2014年世界水の日の太田国土交通大臣基調講演 要旨】
世界水の日開催への祝辞
○マローン国連大学学長、ジャローUN-WATER議長、そして世界各国から、本日の国連世界水の日の式典にご参加いただいた皆様に、心から歓迎を申し上げます。
○また、本式典が、皇太子殿下のご臨席のもと開催されますことを、お慶び申し上げますとともに、この地東京での開催にご尽力されました国連並びに関係者の皆様に、厚くお礼申し上げます。
○そして、我が国に未曾有の被害をもたらしました東日本大震災から、3年経ちました。この間、復旧・復興のために、世界各国の皆様から温かいご支援を頂いていることに深く感謝申し上げます。
○国連がこれまで「世界水の日」に、水と人との関わりの様々な側面に焦点をあててきたことは、大変意義あることと認識しております。今年の「水とエネルギーのつながり」も、水に関する施策を進める上で重要なテーマとして注目されるべきものと考えます。
○本日ご列席の皆様は、世界で水に係わる様々な問題に取り組まれている方々や、水問題に関心の深い方々であり、我が国の水行政を担当する立場として、お話しをする機会を得たことは大変光栄に存じます。
大相撲の朝稽古――私が想起したのは、未知の厳しい世界に飛び込んだ若者たちの不安と絶望と、かすかな光を求める背水の陣からくる緊張感、闘争心だ。警察学校は新入社員の研修よりもはるかに厳しい「警察官としての資質に欠ける学生を、早い段階ではじき出すための篩」だという。
不安と緊張の半年に及ぶ合宿生活――。そこには未熟(経験不足)、嫉妬、誤解、競争、挫折、裏切りもあるが、それが修羅場と化す社会の現実であることを突き付ける。その荒砂で揉むがごとき教場で、じっと見つめる白髪の教官・風間は教師というより師匠だ。
人間を鍛え、育てるとはどういうことか。あえて突き放したり、情愛で包んだり・・・・・・。学園ものの小説を装っているが、厳父の愛、とくに師匠がいかに人間を育て、鍛えることにおいて大切かという「師弟」に魅力を感じた。ところで表紙の指紋は長岡さんのものだろうか。