内田樹さんの「街場シリーズ」だが、本書は神戸女学院大学での最終講義「クリエイティブ・ライティング」で文学と言語について語ったことを基にしたもの。
「生成的な言葉とは何か?」というテーマが、あたかも宇宙のかなたに一気に行ったかと思うと、緻小の素粒子の世界に入り込むかのように自由自在。「僕らの身体の中心にあって、言葉や思想を紡いでいく基本にあるものは、かたちあるものではない。それは言葉にならない響きや波動や震えとか、そういうような非言語的な形態で、死者たちから生者へと手渡される。言葉というのは、『言葉にならないもの』をいわば母胎として、そこから生成してくる。それを『ソウル』と言ってもいいし、『生身』と言ってもいいと僕は思います。そこから発してくる言葉だけがほんとうに深いところで人を揺さぶる」といい、「響く言葉」「届く言葉」「身体に触れる言葉」とはどういうものか、を語ってくれる。とくに「届く言葉」だ。
それにしても、「人間の言語能力は、われわれが想像しているよりはるかに深く、複雑な仕事を信じられないほどの高速度でこなしている」し、人間の底知れなさは、言語と世界の底知れなさに行き着く。ソシュールのアナグラム研究、ロラン・バルトの「エクリチュール」理論、村上春樹の世界性と司馬遼太郎の日本人のための美学、「大日本帝国の瓦解を怜悧に切り捌く丸山眞男」と「トラウマを抱えた人、大日本帝国に半身を残した少年、吉本隆明や江藤淳」、階層と言語、階層再生産に強い力を発揮する教養・文化資本、階層がない日本と言語、PISAと「広めの射程で自分をとらえる」能力......。
言語、人間、世界、宗教、宇宙、日本、世間、地域、階層、演説、そしてiPS細胞と生命など、さまざま考えさせてくれた。
うれしい起工式となりました。秋晴れの11月4日、足立区において、東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業の起工式が参加者の喜びのなかで行われました。足立区、地元地域の方々、国会、都議会、区議会の熱意が実ったものです。いよいよ悲願であった工事に着手することになります。
この竹ノ塚の踏切は、竹ノ塚の東西を分断するだけでなく、ピーク時で1時間のうち58分が遮断される"開かずの踏切"。2005年3月15日、4人の歩行者が死傷する痛ましい事故が発生しました。私は翌16日には国会の衆院内閣委員会で対応を要請、夕方の事故発生同時刻に現場を視察、動きをただちに開始しました。足立区では同年4月に足立区議会鉄道高架化促進議員連盟、9月には竹ノ塚付近鉄道高架化促進連絡協議会が次々と結成され、約22万もの鉄道高架化早期実現を求める署名を集めるなど、課題克服に向けた運動が加速されました。
当時の北側国交大臣、続く冬柴国交大臣、金子国交大臣はじめとする国への要請には私自身常に働きかけを行なってきました。2006年4月の「連続立体交差事業の採択要件の緩和」、2007年4月の「連続立体交差事業の着工準備の採択」は大きな起点となるものでした。何度も何度も国交省と打ち合わせをしてきましたが、7年という異例のスピード、都内初の区施工という形で工事着工の日が迎えられたことはうれしいことです。足立区、地元住民、関係者の方々の並々ならぬ熱意とご協力の賜物です。心から感謝です。事業は、最多箇所で8本ある線路を順番に高架化するという難工事。しかも昼間の列車を止めることなく行う行事であることなど、約10年を要することになりますが、安全第一で、また「線路工事が一本完了するたび、踏切の閉まっている時間が短くなる」(担当者)という喜びも加えて行われます。
さらにこの鉄道高架化にとどまらず、足立区の北の玄関口「竹ノ塚」周辺の街づくりをも視野にいれて行われます。足立区は大学が次々誘致されたり、鉄道網が拡充されたり、学校給食日本一のモデルとなったり、若者雇用へのキメ細かな対策が行われたりと、発展していますが、私はさらに頑張っていく決意です。
アメリカのワシントンDCに国際スパイ博物館があり、オバマ大統領の演説が引用されている。「テロ行為は、自殺ベストを着たほんの少しの過激派からだけではなく、コンピュータのボードをほんの数回叩くことからもやってくる。これは大量破壊兵器だ」――。
アメリカの「四年毎の国防計画の見直し(QDR)」は、陸、海、空、宇宙に続いて、サイバースペースは第五の戦闘空間になっているとし、宇宙とサイバースペースは「グローバル・コモンズ」であり、それを守らなくてはならないと提言されているという。
しかし、土屋さんは陸などの4つは「自然空間」だが、サイバースペースは「人工空間」であり、情報通信端末、情報通信ネットワーク、記憶装置が相互に接続されているに過ぎず、それぞれには所有者がおり、実はきわめて脆弱な基盤に立脚していると指摘している。
2007年のエストニアへのサイバー攻撃、同年、イスラエルがシリアの防空網を電子的に不能にした後に砂漠の中の秘密設備を爆撃したと思われる事件、2007年7月の米韓への攻撃、2011年にイランが米最新鋭ステルス無人機を撃墜(不時着)させたといわれる事件、そして日本の昨年の衆議院のサーバーに不正侵入が行われてパスワードが盗まれた事件。今年の7月、財務省のコンピュータ約120台が長期にウイルスに感染したことや、昨今の「犯行予告メール」事件・・・・・・。不安を煽ることは良いことではないが、さまざまな規模で"サイバー戦争"が行われる潜在的な脅威を看過することができない。
サイバーセキュリティ(情報セキュリティ)は国際的重要課題となっているし、重要インフラの情報セキュリティ対策の加速、司令塔NISCとインテリジェンス機関の役割拡大は急務だ。
スポーツの秋たけなわ。28日(日)も、「柔道」「野球」など各種大会だけでなく、「荒川の水辺ウォーク」「乗馬」など、多くの人がスポーツを楽しむ一日となりました。環境展や清掃工場の内部を多くの人に見ていただくクリーンフェスティバルなども行われ、自然や循環型社会の大切さを学ぶイベントも行われました。
自然の中での環境の秋、文化の秋、そして読書の秋です。27日から読書週間が始まっています。私にとって読書は生命を充実させる読書"習慣"でもあります。学校での朝の「10分間読書運動」「読み聞かせ運動」「ブックスタート運動」「早寝 早起き 朝ごはん運動」「魅力ある図書館づくり」――などに私も党も取り組んできました。
今年は積極的に文化ホールが使えるよう「劇場法」が成立。また11月1日を「古典の日」とする法律が成立しました。源氏物語を著した紫式部の「紫式部日記」で源氏物語に関する記述が初めて登場するのが、1008年11月1日。約1000年前です。しかも今年は古事記編纂から1300年、方丈記完成から800年に当たる年。そんな「古典の日」です。いい季節の秋です。
頑張ります。