8日、公明党岡山県本部の夏季議員研修会に出席し、挨拶をしました。これには、全県から48名の議員が集合、次の戦いへの新たな出発を誓い合う会合になりました。
私は「公明党は太陽の党だ。議員はその地域の太陽として、地域で困っている人のために尽くすこと。誰よりも人と会い、地域を歩き、機敏に動くことだ」「議員は自分がその地域の代表だ、という自覚を持ち、地域行事にマメに食い込んで、地域の問題の解決に知恵を出していくことだ」「議員は誰よりも勉強し力をつけ、人脈をつくり、仕事をして結果を出すことが大切だ」などと挨拶をしました。
研修会に先立ち、岡山経済界の有識者の方々と懇談し、新型コロナウィルス禍において、直面する課題についてうかがい、意見交換をしました。
「戦国時代の日本は世界の大航海時代の中でとらえなければ理解することができない」「江戸時代に作られ、明治維新後も是正されなかった鎖国史観に人々はとらわれてきた」、そして「戦国時代におけるイエズス会の活動――。それはキリスト教の布教の観点からいわれるが、ポルトガルの支援を受け、その国益(主たるものは他国の植民地化)のために奔走したのだ」、さらに「関ヶ原の戦いは、重商主義か農本主義か、中央集権か地方分権かという国家路線の選択の乱だ」――。この3つの骨太の視点が提供され、それと信長、秀吉、家康の哲学・思想、戦略とのからみが交差し、浮き彫りにされる。
「信長は大化の改新が目指した律令制度に回帰すべきと考えた」「信長のビジョンを受け、秀吉は中央集権体制を作った。しかし暴走し、朝鮮出兵で失敗した」「家康は、地方分権と農本主義体制に日本を戻そうと幕藩体制を作った」「16世紀の戦国時代――ポルトガルとスペインは帝国主義と植民地主義が駆動、キリスト教世界宣教計画を進めた」「十字軍によるヨーロッパのレコンキスタ。イベリア半島でテンプル騎士団を送り込み、イスラム教徒から奪還し、ポルトガルとスペインが立国」「種子島への鉄砲伝来は、漂着ではなく意図的。鉄砲製造工場を建設した」「キリシタン大名を利用した信長、イエズス会と蜜月を築いた信長」「スペインは信長に明国出兵を求めたが、イエズス会の本音を知った信長は袂を分かった(拒絶していなければ日本は植民地化されていた)」「本能寺の変と光秀と秀吉、イエズス会のからみ」「像も画も"窓"にすぎない。Windowsとアイコンとキリスト教神学」「イエズス会の掲げた"正戦論"(異端と異教への刃の違い)」「秀吉はイエズス会と手を組んで明征服を構想、明をキリスト教化して配下に収めようとした」「しかし、九州出兵(1587年)で、長崎が教会領と化し、キリスト教徒の結束の固いことに神国日本が脅かされると危機感をもった。"軒を貸したら母屋まで取られる""日本が植民地化される"と気付き、バテレン追放令を出す」「インテリジェンス・コミュニティとしての茶の湯」「信長は直線的、秀吉は多角的、家康は螺旋的」・・・・・・。
二人の対話は現代についても縦横に語られる。
5日、公明党の「江東5区大規模水害対策検討PT」の太田昭宏衆院議員(同PT顧問)、岡本三成衆院議員(同PT座長)は、国土交通省荒川下流河川事務所と京成本線荒川橋梁(葛飾区、足立区)を視察しました。これには、高木美智代衆院議員、中山信行、薄井浩一(共に足立)、野上純子(葛飾)、上野和彦(江戸川)、加藤雅之(墨田)、細田勇(江東)の各都議会議員や、各区の区議会議員らが参加しました。
まず、荒川と隅田川を分ける北区の岩渕水門を視察。荒川下流河川事務所で、荒川上流に現在工事中の第2、第3調節池等の状況や流域全体の安全対策について調査を行いました。
続いて、京成本線荒川橋梁部分の堤防(右岸、左岸)を視察しました。この江東5区(足立、葛飾、江戸川、墨田、江東)では、地下水の過剰くみ上げによって地盤沈下が発生。いわゆる"ゼロメートル地帯"が広がる地域で、浸水想定地域には、約250万人もの人が暮らしています。もしも荒川が氾濫した場合、浸水の深さは5mを超え、2週間以上、水がはけない状況が続く可能性が指摘されています。
荒川下流で、最も低い堤防となっているのが京成本線荒川橋梁部分です。周囲より3.7メートル低く(戦後に3.4m地盤沈下)、増水時には、ここから決壊の恐れが懸念されています。現在、橋梁の架け替え工事の計画がほぼまとまり、土地の買収も始まったところです。架け替え工事が完成するまで10年をはるかに超える期間がかかり、緊急時の対策が必要となるため、土嚢を積むなどの対策状況を視察しました。
国と都と区が一体となり、橋梁の架け替えを含めた江東5区の大規模水害防止対策および広域避難のあり方など、しっかり対応していきます。
屋上に小さな神社(縁切り神社)と庭園のあるマンションに住む人々。小学生の百音と屋上の管理をしている国見統理は二人暮らしだが、血はつながっていない。朝ご飯をいつも食べに来る井上路有は同性が愛の対象だ。急死した恋人の沢田を想い続けるアラフォーの高田桃子、「うつ」で苦しむ沢田の弟・基・・・・・・。「苦しさ」「生きづらさ」はあるが、それぞれが、ほっとしたり、癒されていく。
凪良ゆうが描く世界――。桃子のあるがままを認め、受容する寛容さに安心したり心強く思ったりする。百音の賢さ、統理の言葉少ないやさしさに抑制された温かさを感じる。ニーチェの「事実は存在しない。存在するのは解釈である」は本屋大賞の「流浪の月」にもある。世間のルール、「親が死んで赤の他人のおじさんと暮らしていることはあきらかに不幸」「同性が愛の対象というのは変」「お見合いの斡旋、再就職の斡旋の強要」「働いて頑張る男でなければ」・・・・・・。そんな「ねばならない」「あるべき」という正義の"マスト"が周りを埋め尽くすなか、「ぼくたちは違うけど認め合おう」「それでも認められないときは黙って通り過ぎよう」「できるだけ協力し合って気持ちよく暮らしてにいきたい」「どんなに素晴らしい主義主張も人の心を縛る権利はない」「自分に嘘をつかずに生きていけることも健康的でいい」と生きていく。そうしたことがこの小説で浮かび上がってくる。そして「誰かの『解釈』とは関係なく、わたしは楽しく暮らしている」「毎日統理が手を入れ、守っている美しく善い庭。わたしは、ここが、とても好き。」と結んでいる。
スウェーデンの医師、グローバルヘルスの教授、教育者として著名なハンス・ロスリングとその息子オーラとその妻アンナ。世界で医療等の仕事をし、講演も多数。「この数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた。医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家――ほとんどみんな間違えた。みんなが同じ勘違いをしている」「あなたは、次のような先入観を持っていないだろうか。世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。・・・・・・それは正しくない。ドラマチックすぎる世界の見方だ。実際、世界の大部分の人は中間所得層に属している」・・・・・・。事実に基づいて世界を見ない。とんでもない勘違い、いろんなバイアスで、それも知識人といわれる人までが見てしまう。事実に基づくファクトフルネスで見よう、という。副題は「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」だ。
まずは「分断本能」――世界は分断されているという思い込みだ。金持ちグループと貧乏グループの"2つに分断"はとんでもない勘違い。途上国と先進国という言葉は正しくない。所得レベルに応じて4つのグループ。レベル1が10億人、レベル2が30億人、レベル3が20億人、レベル4が10億人で、大半の人は中間所得層で、時代とともに移行していく。だから①分断本能を抑えるには――大半の人がどこにいるかを探そう②ネガティブ本能を抑えるには――悪いニュースの方が広まりやすい③直線本能(人口増加も)――直線もいつかは曲がることを知ろう④恐怖本能(災害や事故を極端に恐れる。飛行機も2016年は4000万機が安全、死亡事故は10機)――リスクを計算しよう、恐怖と危険は違う⑤過大視本能――ひとつの数字がとても重要と勘違いしないで、数字を比較しよう⑥パターン化本能――ひとつの例が全てに当てはまるのではない⑦宿命本能――人や国や宗教や文化の行方は、持って生まれた宿命で決まるものではなく、変化がゆっくりと少しずつ起きていることに気付こう⑧単純化本能――ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう⑨犯人探し本能――誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう⑩焦り本能――今すぐ手を打たないと大変なことになる、今やらないと次はないと焦るが、そんなことはめったにない。占い師に気をつけ、過激な対策に注意しよう。ひと息ついて、小さな一歩を重ねよう――。
この10の本能は、本能として確かにある。「情報を疑う力や自分の頭で考える力」「知識不足で他人をステレオタイプにはめてしまう自分」「悪いニュースばかり流すジャーナリスト、活動家、政治家」とあるが、自分自身を冷静に振り返ることの大切さを具体例に沿って示している。