「平成政治史1」、岩波書店とくれば、学術書と思うが、「崩壊する55年体制」と副題にあり、ドキュメントだ。しかも、政治の現場に常にいた後藤さんが、すぐれた動体視力と皮膚感覚でとらえ、政治家の肉声が散りばめられている。「政治は一寸先が闇」というが、まさに激動の90年代。「俺は今、どこの党かと秘書に聞き」の川柳のごとき、離合集散、生々しい権力闘争の時代だ。昭和63年(1988年)12月24日、竹下内閣から本書は始まる。宇野内閣、海部内閣、宮澤内閣、細川内閣、羽田内閣、村山内閣、橋本内閣までが描かれる。私が政治への道に進んだのが1988年秋。ちょうど本書とダブる。読むうちに、1つ1つが、くっきりと映像となって蘇ってくる。当然、現場にいた私なりの解釈もあるが、肉声と全体像、政治記者としての距離感がバランスよく絶妙だ。激流というより濁流の中で、とにかく前へと泳ぐような日々だった。またそれだけに、多くの方々との人間関係にも恵まれたと思う。
「いつの時代も、どこの土地でも、叔父さん的な人がいたのだと思います。世の中の常識に対して『ほんとかな?』と疑問を投げかけ、若者たちの悩みに役に立つんだか立たないんだかよくわからないアドバイスをしてむしろ混乱に陥れるような叔父さんが」――。父でもない、兄貴でもない、"おじさん"の哲学だ。
叔父さんは常識にとらわれない。時代に抗する。叔父さんはひねくれている。自分で考えている。やたらと博覧強記だ。カッとしない。ちょっと不良で、ちょっと"ええかげん"で、やさしい。叔父さんは「聴いてくれる」。叔父さんは別の次元があるのを教えてくれる。焦らず、強がらず、寛容だ。中心よりも周縁に立っている。叔父さんは好きなように生きる。既成の価値観を破壊する。
永江さんは「まじめな人はこわい」「多数派はいつも間違える」「現代の日本は他人に対して不寛容な社会になっている」などと語るが、もうそれが哲学になっている。また取り上げている人物がすごい。内田樹、高橋源一郎、橋本治、吉本隆明、花田清輝、山口昌男、生田耕作、鷲田清一、松岡正剛・・・・・・小田実、鶴見俊輔、それにソクラテス、親鸞など、錚々たる人たちだ。私よりちょっと後の昭和50年代からの時代と思想が浮かび上がってくるが、こんなに柔らかく20余人の思想・哲学を語ってくれる永江さんはすごい。面白い本。
「九次元世界にあった究極の理論」と副題にある。「超弦理論のような物理学の最先端でも、日本語の力で深く解説できるということを象徴したい」という要請を受けての大栗先生の著作。難解であるのは当然だが、これ以上の解説はできないと感謝したいくらいだ。
空間とは何か、時間とは何か――その自然界の最も基本的な法則を理解すべく野心的な目標を掲げる超弦理論。それは重力現象についてのデータと、素粒子現象についてのデータのどちらとも適合する唯一の仮説でもあり、素粒子物理学における究極の統一理論の候補だという。先駆者シュワルツをはじめ、数多くの学者、哲学者、数学者がいかにかかわって現在の地点に進んで来たかを示している。「原子→原子核と電子→陽子と中性子→クォーク」「素粒子の標準模型では17種類の素粒子を、物質のもとになるフェルミオン(原子・ニュートリノ・クォーク)を、物質の間の力を伝えるボゾン(電磁気力・強い力・弱い力を伝える光子・グルーオン・W粒子・Z粒子)に大別する」「超弦理論では弦が普通の座標の方向に振動するとボゾンになり、グラスマン数の座標の方向に振動するとフェルミオンになる」「超弦理論は、私たちの空間が普通の空間ではなく、超空間であり、普通の数字で決まる座標のほかに、グラスマン数という不思議な数を座標に使う"余剰次元"が存在すると予言する」・・・・・・。そして「空間は幻想」と。
最先端で格闘する大栗先生をはじめとする世界の学者は、本当にすごい。
花と緑は人の心を豊かに育み、生態系を支え、地球温暖化防止にも貢献する――5月24日、皇太子殿下のご臨席のもと、「第25回みどりの愛護のつどい」が徳島県鳴門市で行われました。
全国から緑化や自然環境保護の関係者、約1200名が参加。式典では、「犬ノ馬場公園愛護会(宮崎)」「ボランティア鳴門西(徳島)」「華・花倶楽部(北海道)」「アクセス通りを美しくしよう会(長野)」「フッチーほたる会(愛知)」など、日頃から地域で緑を守り育てる活動を行っている全国103の団体に、国土交通大臣表彰として感謝状をお送りしました。地域で長年にわたって努力を積み重ねてこられたグループの方々に感銘を受けました。
この日はさわやかな青空が広がり、風もなく、緑鮮やかな日となりましたが、皇太子殿下とともに記念植樹(私は鳴門市の木、モチノキ)を行いました。
その後、南海トラフ巨大地震による津波対策の現場を視察しました。
まず、鳴門市の撫養(むや)港では、海岸堤防が老朽化し、津波が来る前に地震による液状化で1mも沈下するおそれがあります。このため、堤防のかさ上げと地盤改良を行い、粘り強い堤防に作りかえています。
そして徳島市の四国横断自動車道では、盛土している高速道路の路肩に津波避難場所を整備しています。階段とスロープで駆け上がり、約800人が避難できるようになっており、全国のモデルになります。「周りには高い建物も高台もないので津波に対応できない。少しでも早く完成してほしい」と原秀樹徳島市長から要請を受けました。
この2日間、徳島県の活性化と津波対策についてさまざまな要請を受けました。
