
日本の防災・減災、復興を世界に発信――。3月15日、仙台市で開催されている第3回国連防災世界会議に出席し、閣僚級会議で発言をしました。
この会議は、今後15~20年間の国際的な防災戦略を議論する国連主催の会議。約190か国から首脳、閣僚級が参加し、日本で開催する国際会議としては過去最大級のものです。特に今回は、東日本大震災の被災地、仙台で開催されることもあり、復興が着実に進んでいる姿を世界各国から集まった参加者に示すことでも極めて重要です。
私が参加した閣僚級会議のテーマは「災害からのより良い復興(Build Back Better)。40か国、5つの国際機関の閣僚や代表者が3時間にわたり活発な議論を行いました。
私は、我が国がこれまで経験してきた阪神淡路大震災、東日本大震災、水害等の教訓と、防災・減災のさまざまな取組みについて発言。「最悪の事態も想定して、ハード・ソフト一体となった防災・減災対策を行うこと」「過去の教訓を活かし、より安全な地域づくりを進めるための予防的投資を行うこと」の重要性を訴えました。
また、マレーシアのムヒディン・ヤシン副首相、トルコのクルトゥルムシュ副首相、中国の李立国・民生部長と個別に会談。会議前には、アイスランド、ケニア、フィリピン、ニュージーランド、カタールの閣僚、代表者と次々と言葉を交わしました。
世界各国で洪水や渇水などが頻発しており、災害から命を守ることは世界共通のテーマです。我が国の防災・減災対策と東北の復興の現状を世界に向けてアピールする有意義な機会となりました。
14日、北陸新幹線金沢駅出発式に出席しました。朝5時、地元の知事や市町村長はじめ多数の関係者が集った金沢駅は喜びに包まれ、式典・テープカットが行われました。スタートを見ようと各ホームに地元の方々があふれるほど集まりました。午前6時、次のNHK朝のドラマの主役・土屋太鳳さんの発声で、一番列車が、まばゆいフラッシュと大きな歓声のなか、出発しました。実に40年以上にわたる悲願達成の瞬間です。
最速の「かがやき」は、金沢・東京間を、従来の3時間47分から2時間28分で、金沢・大宮間を、従来の3時間27分から2時間4分で結びます。かなりの短縮です。
これにより、北陸と首都圏は大きく近づき、沿線地域での企業活動や企業立地の活発化、生活圏の拡大など、地域の振興や経済活性化に大きな効果がもたらされます。また、新たな観光資源の発掘や観光ルートの形成などに取り組むことで、文化と伝統、雄大な自然と海の幸、温泉など多くの観光資源をもつ北陸の魅力がさらに高まり、国内外から多くの観光客を呼び込むことにつながります。
今年1月には、地元から非常に強い要望のある福井県の敦賀までの延伸開業についても、財源などを工夫することにより、3年前倒して2022年度とすることを決定しました。
北陸新幹線の開業は北陸・信越を発展させる大きなチャンスです。
3月8日、札幌で「北海道価値創造パートナーシップ会議」を開催しました。これは、今後10年で北海道をどう発信していくか、北海道振興の基本方針を定めた新たな北海道総合開発計画の策定作業のためのもの。今後、北海道開発局が北海道各地を回り、同様の会議を開催し、来年春には新たな計画を発表する予定です。
この日の会議では、食や農業、観光、地域づくりなどの分野のトップランナーの方々と意見交換。出席者からは各々の体験も踏まえた幅広い意見が活発に出されました。また、会議に多数のマスコミ、聴衆が参加。大きなポテンシャルを持つ「世界の北海道」に向けた戦略への関心が極めて高いことを実感しました。また昼には、女性経営者など女性代表との懇談会を行いましたが、きわめて有意義で盛り上がりました。
最近、北海道は大きく動き始めています。来年3月には新幹線が青函トンネルをわたり、新函館北斗まで開通。札幌までの延伸も5年前倒しされ、2030年度には開通します。今月29日には、北海道横断自動車道根室線浦幌IC~白糠IC間が開通し、道東地域で初めて高速道路が開通します。釧路港の国際バルク戦略港湾の指定と岸壁の整備は、飼料などの輸入コストの大幅な低減を可能とし、酪農家の方々に希望をもたらしました。また、北極海航路が具体的に動き出し、来年完成予定のパナマ運河の拡張とあわせ、北海道を巡る国際物流の流れも大きく変動します。
さらに外国人観光客が急増。外国語への対応、WiFiの整備、新千歳空港への国際線発着枠の拡大が求められています。こうした大きな動きを大局的につかみながら、今後10年の新たな北海道総合開発計画について、各界の知恵とノウハウを結集しながら練り上げていきたいと思います。
前日の7日には、知事や経済界の代表者と要請・懇談。インフラ整備の進展など国交省の対応に感謝の声、そして要望が相次ぎました。また、8日には、地元から道路整備の要望が強い創成川通(アンビシャス道路)の状況を視察しました。
首都高・中央環状線が全線開通──。3月7日、品川区五反田の山手トンネル内で行われた開通式に出席し、舛添東京都知事をはじめ多くの関係者とともにテープカットを行いました。
今回開通したのは大橋ジャンクション~大井ジャンクション間の9.4km。これで、江戸川区の葛西から小菅、江北、板橋、西新宿、大橋を経て大井に至る中央環状線の全線、約47kmが開通しました。首都圏の3環状道路(圏央道、外環道、中央環状線)で最初のリングの完成です。
この開通効果は絶大です。
まず渋滞緩和。都心に集中している通過交通が分散されるため、都心の渋滞が大幅に緩和されます。
そして羽田空港へのアクセス改善。例えば新宿から羽田空港への所要時間は、約40分から約20分に短縮されます。
さらに、池袋から大井までの山手トンネル(18.2km)は日本最長の道路トンネル。世界でもノルウェーのレアダールトンネル(24.5km)に次ぐ第2位の長さです。最新の地上発進型シールド工法により、我が国の高い技術力を示すものとなりました。
ニューヨーク、パリ、上海など世界の主要都市と比べても、最も渋滞の少ない大都市と言われている東京ですが、この中央環状の全線開通、そして3環状の整備によって、さらに世界でも例のない"渋滞のない大都市"をめざすことになります。
圏央道もこれから開通が相次ぎ、来年3月までには神奈川県から八王子、埼玉を通って成田空港まで一気につながる予定です。既に埼玉などでは沿道に企業が次々と立地しています。3環状のネットワーク強化で、人やモノの流れが大きく変わり、物流や観光などで大きな成長につながります。
東京、首都圏の国際競争力強化に向けて、これからも取り組みを続けていきます。
「18歳選挙権」がついに実現の方向に動き始めました。
昨日5日、「18歳選挙権」の実現に向けた公職選挙法などの一部改正案が、自民、公明、民主、維新などの6党から共同提出されました。
公明党は、この問題を1970年代から国会審議で取り上げ、選挙公約にもしてきました。とくにこの数年、公明党青年委員会が実現に向けて取り組み、常に論議をリードしてきました。私も、憲法調査会等で本格的検討を主張し、党全体の推進をバックアップしてきました。
世界では、先進国はもちろんのこと、198カ国・地域の内、176カ国・地域が18歳以上に選挙権を与えています。
これから未来に向けてスピードがますます速くなる時代――社会保障や税制などの課題を、若者が政治に参加して考えることは非常に重要になると思います。来年夏の参院選からスタートできるよう、今国会での成立をめざします。