3月22日は「世界水の日」。それを記念して21日、都内青山の国連大学で開催された式典に出席し、基調講演を行いました。
「世界水の日」は国連総会で決定され、毎年世界で水に関する活動が展開されていますが、国連の式典が日本で開催されるのは今回が初めてです。式典には皇太子殿下のご臨席を賜り、海外からの参加者を含む約300名が出席。「水とエネルギーのつながり」をテーマにスピーチや議論が行われました。
皇太子殿下のお言葉をいただいた後、私が講演。洪水や津波、渇水など水に関わる自然災害が頻発する我が国で、古くから「無常」や「常住」の思想が生まれたことに触れながら、独自の水文化や技術が育まれたことを紹介しました。特に、「川をなだめ」「自然と折り合い」ながら発展してきた共生の治水技術や、水道から直接おいしい水を飲むことができることなど、我が国の水技術の展開を説明。「我が国の技術を活用して、世界の水問題解決に取り組む」と決意を表明しました。
その後の議論では、ジャロー・UN-WATER(国連水関連機関調整委員会)議長から、「環境、エネルギー、食糧、そして水関連の災害など包括的な水のガバナンスが必要。それができるのが日本だ」と強い期待が表明。ルワンダ、タジキスタン、ドイツの参加者からは各国の水事情や行政の取り組みが披露されました。
世界の水問題を共に考えるとともに、我が国の優れた技術を世界に示すいい機会ともなりました。
【2014年世界水の日の太田国土交通大臣基調講演 要旨】
世界水の日開催への祝辞
○マローン国連大学学長、ジャローUN-WATER議長、そして世界各国から、本日の国連世界水の日の式典にご参加いただいた皆様に、心から歓迎を申し上げます。
○また、本式典が、皇太子殿下のご臨席のもと開催されますことを、お慶び申し上げますとともに、この地東京での開催にご尽力されました国連並びに関係者の皆様に、厚くお礼申し上げます。
○そして、我が国に未曾有の被害をもたらしました東日本大震災から、3年経ちました。この間、復旧・復興のために、世界各国の皆様から温かいご支援を頂いていることに深く感謝申し上げます。
○国連がこれまで「世界水の日」に、水と人との関わりの様々な側面に焦点をあててきたことは、大変意義あることと認識しております。今年の「水とエネルギーのつながり」も、水に関する施策を進める上で重要なテーマとして注目されるべきものと考えます。
○本日ご列席の皆様は、世界で水に係わる様々な問題に取り組まれている方々や、水問題に関心の深い方々であり、我が国の水行政を担当する立場として、お話しをする機会を得たことは大変光栄に存じます。
17日、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席が来日し、宮中晩餐会など、国賓としての諸行事が行われました。また、国家主席に同行し来日したディン・ラー・タン交通運輸大臣が、国土交通省を訪れ、会談をしました。タン大臣とは、昨年9月に東京で開催されたAPEC交通大臣会合、同月の私のベトナム訪問、昨年暮れの日・ASEAN40周年特別首脳会談ガラディナー、今回と半年の間に4回目の会談となります。
ベトナムでは、日本との貿易額が増大しており、特にインフラ輸出が進んでいます。具体的なインフラプロジェクトとしては、ハノイ・ホーチミンを結ぶ高速道路や高速鉄道、ハノイ近郊のラックフェン港、ホーチミン近郊のロンタイン新国際空港、ハノイ市内のニャッタン橋(日越友好橋)の整備などが進展しています。タン大臣との会談では、各プロジェクトの具体的な進捗状況を確認したほか、「地方は川を渡ることに苦労している。橋の建設を進めたい。協力して欲しい」などの要請も受けました。
ベトナムとの協力関係の強化が進んでいます。
東日本大震災から3年が経ちました。改めて震災でお亡くなりになられた方々に対し深く哀悼の意を表するとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
昨日夕方、総理官邸で全閣僚が出席して政府の復興推進会議が開かれました。またその後、国土交通省の復興対策本部会議を行い、取組みを再確認しました。
被災地の復興について、国土交通省の関係では、道路などの基幹インフラは復旧が進んでいます。一方遅れていた住宅やまちづくりについては、災害公営住宅は約7割で事業が始まり、計画段階から工事実施段階に入ってきました。この1年で復興は大きく動き出しましたが、今なお避難生活を余儀なくされている27万人にも及ぶ方々が早く安心できる住まいを確保できるよう取り組みます。
また、福島の復興の加速は特に重要です。福島県の浜通りを南北に貫く常磐自動車道について、未開通区間の完成を前倒しし、来年のゴールデンウィーク前までに全線開通させることを決定しました。これにより、高速道路を利用した福島の復興を加速化させます。また、原発事故による避難者の高速道路無料措置について、1年間の延長を決定しました。
被災地の方々に一日でも早く復興を実感していただけるよう、頑張ります。
3月1日、沖縄県に行き、那覇空港第2滑走路起工式に出席しました。
那覇空港は沖縄と国内外を結ぶきわめて重要なインフラですが、国内有数の混雑空港でもあり、ピーク時間帯の遅延など過密化が深刻な問題となっています。このような状況から、滑走路の増設は、長い間地元の強い悲願でした。私も一昨年末の大臣就任後、真っ先にこの問題に取り組み、事業の実施や事業期間の大幅な短縮を決定しました。
起工式には、仲井真知事をはじめ、関係の国会議員、沖縄県の政財界の関係者が多数出席し盛大に行われました。仲井真知事が「事業を取り上げていただき県民を挙げて大変な喜び」「沖縄が新しいステージに今入りつつある」と挨拶される等、起工式は喜びに包まれたものとなりました。新しい滑走路は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年にオープンします。
また、起工式に先立ち、先月オープンした那覇空港国際線ターミナル、クルーズ船対応の岸壁工事を進めている那覇港旅客船ターミナル、那覇北道路・臨港道路若狭港町線を視察しました。
空港、港湾、道路――沖縄の振興のため、頑張ります。