10月19日、去る16日に台風26号による甚大な被害を受けた伊豆大島の被災現場に行き、被害状況や対応状況の確認と今後の対策について打合せを行いました。
この度の災害でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に対し心からお見舞い申し上げます。
まず、ヘリコプターで上空から土砂崩れ、泥流の発生状況を確認。火山灰土壌の表層が崩落する表層崩壊が起き、それまで川がなかったところに流れていく「河川争奪」という現象が発生したことが確認できました。「まさか山が崩れてくるとは思わなかった」「元々の地形が分からないくらい変わってしまった」というのが地元の方の声でした。
その後、国土交通省から現地に派遣して活動するTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)や海上保安庁から活動状況の報告を受け、打合せをしました。台風27号も発生し、島民の方々は大変不安になっており、今後の二次災害を防ぐことが何より大事です。危険箇所の調査、監視カメラによる24時間監視など、避難を判断するための的確な情報を町に提供するようにしました。
最も大きな被害を受け捜索活動が続く神達地区のほか、崩壊が起きている北部の岡田地区、泉津地区の現場を視察して状況を確認。町役場では川島理史町長と、二次災害の防止など今後の対応の打合せをしました。役場には国土交通省の職員がリエゾンとして常駐。町・都・国の連携の要となっています。
救命・救助・救出、二次災害の防止に全力を挙げていきます。
10月13日、愛知県小牧市にあるJR東海の小牧研究施設を訪問し、新幹線システムを支える技術開発の状況を視察しました。小牧研究施設は73haの広大な敷地に、多数の実験用の施設と装置を有する総合的な研究施設です。東海道新幹線が走って49年。安全な走行が最も大事ですが、安全性や快適性の向上を図るため、車両の改良、脱線・逸脱防止装置の開発と軌道やトンネル、橋梁の大規模改修工法等の研究が日々行われています。実物大の科学技術実験が、徹底して行われていることを感じました。
その後、三重県鈴鹿市に移動。観光庁を管轄する国土交通大臣として、鈴鹿サーキットで行われたF1日本グランプリの表彰式に参加しました。最高速度が300kmを越える中で繰り広げられるレースは迫力満点。レース終了後には、優勝ドライバーのセバスチャン・ベッテル選手(ドイツ)に優勝トロフィーを授与しました。年間19戦行われるF1シリーズは、トータルで180カ国、5億人以上がテレビ観戦する世界最高峰のモータースポーツイベントです。F1日本グランプリにも、3日間の大会期間中、国内外から約17万人の観客が訪れました。大変盛り上がりました。あの凄まじい音と緊迫感が、何時間たってもズシンと全身に残っています。
10月11日、大阪、神戸に行き、空港と港湾の充実策について、関係者と懇談しました。
まずは空港――。伊丹空港において、新関西国際空港株式会社(平成24年7月1日から関空・伊丹両空港を一体的に運営する会社として発足)の首脳と意見交換しました。関空・伊丹両空港は、関西圏のみならず、西日本全体のゲートウェイとして、ますます重要になります。意見交換では、両空港の統合の効果、これから行われるコンセッションに向けた準備状況を確認しました。民間の活力を最大限活用し、空港の機能向上を図るモデルケースとなる重要なプロジェクトです。
また、神戸港、大阪港を視察。国土交通省では阪神港(神戸港、大阪港)を京浜港とともに「国際コンテナ戦略港湾」に指定、「集貨」「創貨」「競争力の強化」のための施策を集中的に講じています。国が前面に出て推進したいと思います。
大阪では橋本徹大阪市長、松井一郎大阪府知事とも、空港、港湾、さらに南海トラフ地震に備える防災の打ち合わせをしました。
しっかり頑張ります。
10月7日午前、仙台市に行き、「復興加速化会議」を行いました。3月3日に続き第2回目です。村井嘉浩宮城県知事のほか岩手県、福島県、仙台市の代表者と、建設業協会や日本建設業連合会など地元の建設業団体、生コンやセメントなど資材関係団体の代表者に集まっていただき、直接現場の状況を聞きました。焦点となるのは、入札不調や資材不足の状況、災害公営住宅やまちづくりの進行状況です。
「入札不調は、労務単価の引き上げもあって昨年よりも減少し、再発注によりほぼ契約できている」「生コンは、民間プラントの増強や国と宮城県が公共プラント建設を決めたため、改善方向に向かっている」「災害公営住宅は、ほぼ工程表どおりに進んでいるが、市町村によってまだら模様になっている。遅れている地域は、用地取得に原因がある」などの意見がありました。
それらの声を受けて、国が作る生コンプラントを来年9月に稼働させること、用地職員を自治体に定期的に派遣すること、事業の発注見通しを早めに示すことを、会議の場で私から示し、具体的に進めていくことにしました。隘路打開のために、自治体と業者が連携することが大事です。災害公営住宅について、関係者の情報連絡会議を行うことも決めました。午後は、福島県相馬市の新しい市民会館の落成式に出席しました。外観は白壁と黒瓦の和風。ホールは木材を重視し、音響もすばらしく、相馬の復興の一つの節目となるシンボルです。立谷秀清市長をはじめ市民の皆さんの喜びが広がりました。
「復興の実感」を目指し、しっかり頑張ります。